2013年横河技報[Vol.56 No.1]

No.1 ダイナミックプロセスシミュレータの新たな展開 特集

巻頭言 レジリエンスを持つシステム実現へのダイナミックシミュレータの期待 (PDF:699KB/2ページ)

  • 五福 明夫 *1

*1 岡山大学 教授
大学院 自然科学研究科 副研究科長
産業創成工学専攻 知能機械システム学


ダイナミックシミュレータの新たな活用とOmegaLand の方向性 (PDF:1256KB/4ページ)

  • 鎌田 康裕 *1

*1 株式会社オメガシミュレーション代表取締役社長

株式会社オメガシミュレーションは,横河電機と三井化学株式会社の合弁会社として1997 年に設立された。横河電機が持つ計装・制御技術と,三井化学(株)が持つモデリング・シミュレーション技術を融合した先進性のある技術により,プラント運転の進化に貢献することを使命とする。統合ダイナミックシミュレーション環境OmegaLand と,その中核となるプラントシミュレータVisual Modeler は(株)オメガシミュレーションが開発したパッケージソフトウエアである。近年,ダイナミックシミュレーション技術をプラントライフサイクルの各フェーズで多目的に用い,プラントの立ち上げやオペレーションに役立てる動きが加速しており,これへの対応を進めている。またその一環としてダイナミックシミュレーションをオンライン環境で使用し,プラント運転の革新に役立てるミラープラントの開発を横河電機,三井化学(株)と共同で進めており実証試験での成果が出はじめている。本稿ではこれらダイナミックシミュレーション技術の新たな活用を概観し,(株)オメガシミュレーションが目指す方向性について述べる。


操業革新を実現するミラープラント (PDF:1344KB/4ページ)

  • 仲矢 実 *1

*1 IA プラットフォーム事業本部システム事業部 PA アプリケーション技術部

プラントライフサイクルに渡ってプラントモデルを活用することが提唱されている。ミラープラントは,計算機上に構築された実際のプラントの挙動を忠実に再現するプラントシミュレータである。三井化学株式会社での実証試験を終了し,商品化に向けた準備に取り掛かっている。ミラープラントはプラントライフサイクル中の運転に焦点をあて,オペレータの運転支援ばかりでなく,技術スタッフが運転条件を変更する際に最適な運転設計を実現することなどにも大きな効果をもたらす。ミラープラントと他プラントモデル利用製品との比較,および,ミラープラントは今までの当社製品と異なり,ユーザのプロセスに深く関わる高度プラント付加価値サービスに位置づけられることを解説する。


オンラインプラントシミュレータ ミラープラントの実プラントへの適用 (PDF:1460KB/4ページ)

  • 深野 元太朗 *1
  • 横山 克己朗 *1
  • 矢羽田 喜彦 *2

*1 株式会社オメガシミュレーション 事業本部パッケージ部
*2 株式会社オメガシミュレーション 代表取締役副社長

近年,プラント設計から運転までのプラントライフサイクル全般に渡って,ダイナミックシミュレータが広く活用されつつある。株式会社オメガシミュレーションでは,プラントシミュレータであるVisual Modeler を計算コアとした統合ダイナミックシミュレーション環境OmegaLand を開発,販売してきた。プラントシミュレータで構築したプラントモデルは,実プラントに近い挙動が再現できるため,運転訓練だけでなく,プラント改造や制御ロジックの検討等にも応用することができる。(株)オメガシミュレーションではこれまで運転訓練用途として積み上げてきた技術を応用し,実プラントとの合わせこみ機能を備えたオンライン運転支援機能であるミラープラントを開発しており,実プラントに適用し実証運用を行っている。


予測オペレーションを実現するミラープラントHMI (PDF:2023KB/4ページ)

  • 初谷 恵美子 *1
  • 高野 直人 *2
  • 池月 雄哉 *2

*1 IA プラットフォーム事業本部システム事業部 PA アプリケーション技術部
*2 IA-MK 本部 MK 企画室

ミラープラントは,プラントの挙動を忠実に模擬したプラントシミュレータである。プラントを忠実に模擬したミラープラントを実時間より高速に動作させることで,近未来のプラントの内部状態を可視化することができる。また,将来発報するアラームを検知することにより,実際にアラームが発報する前にアラームを回避する操作をすることが可能となるため,より安全にプラントを操業することができる。一方でDCS (Distributed ControlSystem) に未来の情報を表示することで,ヒストリカルの情報と未来の情報が混在することになる。ミラープラントのHMI (Human Machine Interface) では,ヒストリカル情報と未来の情報の「時間区分」の違いを明瞭に表現している。本稿では,予測トレンドや予測アラームの機能を紹介し,DCS に未来の情報を表示することによる予測オペレーションを実現するHMI を紹介する。


ミラープラントにおける物理・統計ハイブリッドモデル (PDF:1541KB/4ページ)

  • 仲矢 実 *1
  • 李 新春 *2

*1 IA プラットフォーム事業本部システム事業部 PA アプリケーション技術部
*2 横河北京開発中心

ミラープラントでのプラントモデルには物理・化学法則に基づく物理モデルが使われている。現象が解明されていないプラントの現象を物理モデルで表現することができない問題に対し,統計モデルを適用する物理・統計融合モデルを提案する。統計モデルと物理モデルを組み合わせることで統計モデルソフトセンサの推定精度が向上し,また,JIT (Just In Time) 法によりオンラインでの統計モデルのメンテナンスを実施することで急峻なプロセス変化に対しても統計モデルが正確に推定できることを示す。


“OmegaLand OTS Enterprise” による運転訓練,教育システムの新潮流 (PDF:1439KB/4ページ)

  • 湯本 隆雅 *1

*1 株式会社オメガシミュレーション事業本部パッケージ部

株式会社オメガシミュレーションは“OmegaLand OTS Enterprise” を開発した。これにより,統合ダイナミックシミュレーション環境OmegaLand による運転訓練を活用し,企業全体や工場単位で従業員や運転員への教育,定期的なスキルアップと学習状況把握を効率的に行える。このシステムでは,インストラクターとトレーニーは遠隔から参加可能である。インストラクターは集合訓練同様に操作デモや操作指示が行え,任意のトレーニーの操作確認ができる。訓練参加者間で優れた操作を模範にしたり,不適切な操作を他山の石としたりといった情報共有も可能である。また,トレーニーは,集合訓練の事前準備やフォローアップのための自己学習を自分のPCからいつでも利用可能である。さらに,客観的な尺度で訓練評価できるなど,参加者,評価者に多様な機能を提供する。設備としては,企業や訓練施設のドメインにウェブサーバーを増設するのみで,イントラネット上に構築できる。管理運用コストが低く実現できるという優れた長所を持っている。


ダイナミックプロセスシミュレーションモデルを活用した
統合制御安全システム構築プロジェクトの遂行方式 (PDF:1135KB/4ページ)

  • 和気 一郎 *1
  • 日高 佳久 *2
  • 前田 開 *1
  • 須田 誠 *3
  • 矢作 拓也 *2

*1 Yokogawa Europe B.V.
*2 IA-MK 本部 業種MK室
*3 Yokogawa Electric International

統合制御安全システムの構築において,横河電機は,数多くのプロジェクトを,リスク軽減を目的としたMAC(Main Automation Contractor) 方式で遂行してきた。昨今,従来のMAC 方式に加えて,プロジェクトライフサイクルの各フェーズにおいてダイナミックプロセスシミュレーションモデルを活用したプロジェクト遂行が,新たな市場要求となってきている。本稿では,このような市場の要求をどのように実現し,さらに横河のプロジェクトライフサイクルのプロセスを革新することにより,横河がどのような付加価値サービスをエンドユーザへ提供できるかを,LNG の液化プロセスを例にとって紹介する。


Enterprise Solutions in the World of Process Automation with FAST/TOOLS (PDF:1314KB/4ページ))

  • Charlie Horevoorts *1
  • Neil Unwin *1

*1 Global SCADA Center, Yokogawa Europe B.V.

The requirements for Enterprise Automation Solutions are driving the needs for anyto-any ‘collaboration’ across different platforms, geographies and corporate networks.The ability for the underlying technology and network to allow any device or application to connect to others seamlessly, managed as a single system, from operations, engineering and maintenance point of view, is the objective. An integrated approach of applications and connected platforms results in a robust, secure, high quality experience reducing the engineering, maintenance and training costs considerably. This will assure far greater adoption and impact since in the end, it is all about the enterprise working more effectively and achieving better results.


B/M9000VP システム用高精度カラー計の開発 (PDF:1318KB/4ページ)

  • 辻井 敦 *1
  • 寺嶋 実 *1
  • 西田 和史 *1
  • 和田 健一 *1

*1 IA プラットホーム事業本部P&W ソリューション部

抄紙機・塗工機測定制御システムB/M9000VP 用カラー計を開発した。光源には高輝度LED を採用し,精度と安定性を実現し,高出力紫外LED を備えることで,蛍光効果の連続測定を可能にした。これらの光源は長寿命なため,保守の工数も低減できる。焦点深度の深い光学系と新たに開発した測距補正機能WSM (Wavelength Shifting Method) により,紙のばたつきの影響を受けずに常に安定した測定を行う。本稿ではこれらの特徴を有する新カラー計について紹介する。


B/M9000VP システム用高精度赤外水分計の開発 (PDF:1545KB/4ページ)

  • 市沢 康史 *1
  • 小林 文彦 *1
  • 節田 和紀 *1
  • 堀越 久美子 *2

*1IA プラットホーム事業本部 P&W ソリューション部
*2人財本部人事労務部

近年,新興国では,段ボールやティッシュペーパーなどの紙の生産量が急増している。生産の効率化のため,抄紙機・塗工機測定制御システムの検出性能の向上が求められている。その需要に対応するため,抄紙機・塗工機測定制御システムB/M9000VP 用の新しい方式の水分計を開発した。この新しい水分計のために,多様な紙種において高精度の水分測定を実現するための新技術を開発した。業界初となる半導体光源や新開発の光学系,単一素子による真の同時・同点測定の実現などである。本稿では開発の背景,実現した技術,評価結果,測定例などについて述べる。


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