2010年横河技報[Vol.53 No.2]

No.2 フィールド機器・プロセス分析計 特集

巻頭言 インテリジェンスとモデリング (PDF:370KB/2ページ)

  • 小畑 秀文 *1

*1 東京農工大学 学長


フィールド機器・プロセス分析計におけるフィールドデジタル技術とセンシング技術の進化 (PDF:2014KB/6ページ)

  • 齋藤 洋二 *1
  • 中村 誠造 *2

*1 IA事業部 フィールド機器事業センター
*2 IA事業部 科学機器事業センター

インテリジェント化が進むフィールド機器やプロセス分析計においては,フィールドデジタル技術,すなわち,ITを活用したセンシングや診断に関する技術,FOUNDATIONフィールドバスやアナライザバスなどのネットワーク技術,FDT/DTM (Field Device Tool/ Device Type Manager) などの見える化のためのソフトウェア技術は,欠かせない要素である。一方,社会環境の変化により,ユーザのニーズも大きく変化してきている。本稿では,グローバルなユーザの要求に応じたフィールド機器とプロセス分析計におけるフィールドデジタル技術とセンシング技術の進化について述べる。


計装を革新するISA100.11a準拠フィールド無線ソリューション (PDF:930KB/6ページ)

  • 山本 周二 *1
  • 江守 敏幸 *2
  • 高井 潔 *1

*1 IA事業部 共通技術センター
*2 IA事業部 システム開発センター

横河電機は,国際計測制御学会(ISA: International Society of Automation)のISA100委員会が策定したインダストリアルオートメーション用無線通信規格であるISA100.11aの国際標準化・普及を推進することを2009年5月に宣言し,2010年6月にISA100.11aに準拠した無線フィールド機器と無線システム用の機器を世界で最初に販売開始した。本稿ではISA100.11aに準拠したフィールド無線ソリューションのコンセプトと当社のDCS (Distributed Control System) CENTUM VPを中心としたフィールド無線システムのコンセプトについて述べる。


世界初ISA100.11a準拠 無線フィールド機器 (PDF:1162KB/4ページ)

  • 山本 周二 *1
  • 前田 直樹 *1
  • 竹内 誠 *1
  • 米澤 正明 *1

*1 IA事業部 共通技術センター

無線技術の進化に伴い,産業界での無線活用が盛んになっている。産業用無線通信ネットワークには,通信の堅牢性,実時間性,省電力動作など,様々な厳しい性能が要求される。それらの性能実現を目標として国際無線標準規格ISA100.11aが定められた。横河電機は,将来性,拡張性に優れ,制御への親和性の高いISA100.11aの規格に準拠した,無線フィールド機器2機種とシステム構築のための無線機器1機種を世界で最初に製品化した。本稿ではそれらの3製品を紹介する。


2線式電磁流量計 ADMAG AXR (PDF:6414KB/6ページ)

  • 青山 豊 *1
  • 菅原 藤和 *1
  • 志村 徹 *1
  • 金子 雄 *1
  • 野田 尚志 *1
  • 安松 彰夫 *1

*1 IA事業部フィールド機器事業センター

横河電機は,2線式として世界で初めて二周波励磁方式を採用した電磁流量計ADMAG AXRを開発した。消費電力に制約のある2線式において安定した流量測定を実現するために,変換器の低消費電力化とノイズ低減に加え,検出器についてもコイルによる励磁の高効率化や電極のローノイズ化を行いS/N比を向上させた。本稿ではこれらADMAG AXRのキーテクノロジーについて紹介する。


コリオリ流量計 ROTAMASS 3シリーズ
― 高速・高精度・高ロバスト測定の実現 ― (PDF:1550KB/4ページ)

  • 占部 修司 *1
  • 小山 清明 *1

*1 IA事業部 フィールド機器事業センター

YOKOGAWAグループは,コリオリ流量計 ROTAMASS 3シリーズを開発した。コリオリ流量計は,流体の温度や圧力の影響を受けずに直接質量流量を測定できる。高速・高精度測定の実現と同時に,プロセス用流量計として必須であるプロセス配管からのストレス・振動による影響を除外する構造を採用した。本稿では,これらの特長やアプリケーション例などを紹介する。


フィールド機器とともに進化する機器調整・設定ソフトウェアFieldMate (PDF:989KB/4ページ)

  • 小渕 恵一郎 *1
  • 川原 瑞夫 *1
  • 村田 浩紀 *1
  • 鹿子木 宏明 *1

*1 IA事業部 共通技術センター

FieldMateは,EDDL (Electric Device Description Language) 技術とFDT/DTM (Field Device Tool / Device Type Manager) 技術を採用したフィールド機器調整・設定ソフトウェアであり,できる限り多くの機種のフィールド機器,フィールド通信プロトコルに対応することを,大きな目的の一つとしている。一方,IT,通信技術の進化は速く,それらの恩恵を受けてフィールドデジタル技術も進化し,次々と新しいフィールド機器がリリースされ,フィールド通信プロトコルも進化している。これらに対応することはFieldMateの使命であり,横河電機は,発売以来その対応を続けてきた。今回,その一環としてFieldMate R2.02をリリースした。R2.02では,新たなフィールド機器,フィールド通信プロトコルへの対応に加え,使いやすさの観点での改善も行った。本稿では,FieldMate R2.02での新機能を紹介する。


差圧・圧力伝送器EJXシリーズ アドバンス診断機能 (PDF:1638KB/4ページ)

  • 渡邉 潔 *1

*1 IA事業部 フィールド機器事業センター

フィールド機器で,機器とプロセスが接する部分,すなわちプロセスインターフェイス部の診断を行うことにより計装のメンテナンスに対する予知,予測が可能となった。差圧・圧力伝送器EJXシリーズでは,プロセスインターフェイス部である導圧管の詰まり診断およびヒートトレースの監視診断の開発を行ってきた。これらを機器自体の診断と区別し,アドバンス診断と呼んでいる。本稿ではEJXシリーズのFOUNDATION フィールドバス通信形,HART通信形に搭載したアドバンス診断機能について紹介する。


渦流量計digitalYEWFLOにおける質量流量演算
― FieldMate FlowNavigatorを使った高精度質量流量演算 ― (PDF:2074KB/4ページ)

  • 川野 高志 *1
  • 吉田 森之介 *1

*1 IA事業部 フィールド機器事業センター

渦流量計は'60年代に横河電機により世界で初めて工業用流量計として実用化され,液体,気体,蒸気のいずれも測定可能な体積流量計として普及している。ただし,一般的に気体や蒸気測定を行う場合は,質量流量測定が必要であるが,当社の渦流量計digitalYEWFLOの場合,圧力値を固定値として代用しているため,その変化への追従性については,機能が限定されていた。しかしながら,この度,FDT/DTM (Field Device Tool/Device Type Manager) 技術を使って新たに開発された流量設定ソフトウェアFieldMate FlowNavigatorにより,物性データベースを利用して密度補正を行うことが可能となり,フィールドバス通信形のdigitalYEWFLOと組み合わせて使用することにより,高精度質量流量演算が実現できるようになった。本稿では,フィールドバス通信形のdigitalYEWFLOにおける質量流量演算,及びFieldMate FlowNavigatorを利用した天然ガスの高精度質量流量演算について,実証試験データを交えて紹介する。


Valve Signature Loggerによるバルブ管理の最適化 (PDF:1786KB/4ページ)

  • 横地 裕 *1

*1 IA事業部 フィールド機器事業センター

横河電機では1998年に初のFOUNDATIONフィールドバスの登録機器をリリースし,それ以降フィールド機器の持つインテリジェンスを最大限に引き出すために,性能の向上や使い易さの向上に努めてきた。2002年に機能向上したアドバンストバルブポジショナYVP110と専用ツールValveNaviを組み合わせることにより,バルブのオートチューニングやバルブ診断機能によるチューニング結果の確認,経年劣化の情況の把握が可能になった。本稿では,ユーザにとってこれらバルブ診断機能をより活用しやすくするための新たな試みとして,バルブの動作特性(シグネチャ:Signature)を収集管理するValve Signature Loggerを紹介する。


モジュラータイプFLEXAシリーズ 2線式液分析計 FLXA21 (PDF:870KB/4ページ)

  • 千葉 隆司 *1
  • 清野 真二郎 *1
  • 伯耆田 武 *1
  • 関 行裕 *1

*1 IA事業部 科学機器事業センター

横河電機は,FLEXA(フレクサ)シリーズで初リリースとなる2線式液分析計FLXA21を開発した。FLEXAシリーズは,プロセス分析計として長年にわたり使用されてきたEXAシリーズの後継機種で,従来モデルからの機能向上に加え,システム構築性,拡張性を備え持つ製品シリーズ名称であり,名称はFlexible EXAに由来している。今回開発したFLXA21は従来EXA202シリーズの,pH/ORP計(ORP: Oxidation-reduction Potential,酸化還元電位),導電率計,電磁式導電率計,溶存酸素計の各4機種の後継機に相当する。共通機能を集約し,検出機能部のみを独立させ,組立簡単なモジュール化構成とした。本稿では,FLXA21の仕様・機能を紹介し,ハードウエア,ソフトウエアの構成について説明する。


低濃度ジルコニア式酸素濃度計OX400 (PDF:848KB/4ページ)

  • 鈴木 順一 *1
  • 円道 香織 *1

*1 IA事業部 科学機器事業センター

横河電機は,電子工業分野をターゲットに,ppmの低濃度から100%O2の高濃度まで,1台で酸素濃度を測定できるジルコニア酸素濃度計OX400を開発した。実績のある細管のジルコニアパイプをセンサに使用し高速応答,高信頼性を実現した。また,ユーザによるセンサ交換が容易な構造を採用し,測定ガスの吸引にはポンプ方式に加えアスピレータ方式を用意し,メンテナンス性を向上した。本稿では,ジルコニア式酸素濃度計の原理,OX400の特長,構造,応用例を紹介する。


レーザガス分析計TDLS200 とその産業プロセスへの応用 (PDF:1124KB/4ページ)

  • 田村 一人 *1
  • 南光 智昭 *2
  • 高松 幸彦 *1
  • 松尾 純一*3

*1 IA 事業部 科学機器事業センター
*2 IA 事業部 品質保証部
*3 Laser Analysis Division Yokogawa Corporation of America

可変波長半導体レーザ分光を応用した横河電機のレーザガス分析計TDLS200 は,他成分の干渉を受けず,高 温や腐食性ガスでも直接高速分析できるとともに,長期安定性を特長とした新世代のプロセスガス分析計である。 本稿では,本分析計の測定原理,およびその特長でもある高速リアルタイム計測をベースとした脱硝・集塵プロ セスでの煙道排ガスの残留NH3 濃度測定の事例を紹介する。


近赤外分析計NR800を用いた気液両相高速分析
― エチレンプラントを始めとする石油化学プロセスや化学プロセスへの適用 ― (PDF:1804KB/4ページ)

  • 田中 秀子 *1
  • 大原 寿樹 *1
  • 柳 悳元 *2
  • Chris Hopkins*3

*1 IA事業部 科学機器事業センター
*2 IA Div., Yokogawa Electric Korea Co. Ltd.
*3 Process Analyzer Div., Yokogawa Europe B.V.

横河電機の近赤外分析計NR800は,液体,気体の両相の状態での成分測定が可能であり,エチレンプラント等の石油化学プロセスや化学プロセスへの適用が可能である。従来,エチレンプラントでのナフサ加熱分解炉(クラッカ)等における気液両相の状態の成分は,プロセス用ガスクロマトグラフを用いて測定され,その測定値を用いて制御が行なわれていたが,分析周期が5分から10分程度と長いため,より高速な分析計が求められていた。当社は,NR800をそのようなプロセスに適用し,1分周期程度の高速測定と高速制御を実現した。本稿ではその事例を紹介する。


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