横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

プロセスガスクロマトグラフ GC8000

プラント運転の効率化に貢献する最新のガスクロマトグラフ(GC)

プロセスガスクロマトグラフ GC8000は、多成分の混合気体や揮発性の液体を単一成分ごとに分離して検出する最新のプロセスガスクロマトグラフ(プロセスGC)です。新たに開発したGCモジュールによって、複数同時分析を行うパラレルガスクロマトグラフィーや、ファインケミカル分野で求められる高精度な分析など、成分に応じた最適な条件での分析を実現しています。

手分析によるバッチ検査が中心のラボガスクロマトグラフ(ラボGC)とは異なり、プロセスガスクロマトグラフは製造プロセスにおける連続分析を完全自動化。それにより、分析の手間や慢性的な人材不足、コストの増加といった課題を解決し、プラント運転の効率化に貢献します。

>プロセスガスクロマトグラフ GC8000が実現するプラント運転の効率化とは

横河電機では、AIがGC8000を常時監視し、測定状態の変化や異常の兆候を読み取るガスクロマトグラフAIメンテナンスサポート(GCAI)の提供を2023年よりスタート。AIの解析結果を基にメンテナンスを実施し、異常の発生を未然に防ぐことで、プラントの安定稼働につなげます。
>>ガスクロマトグラフAIメンテナンスサポート(GCAI)
 

GC8000はこのようなニーズにお応えします

  • 手分析によるルーチン業務から解放されたい
  • サンプリングにばらつきが出てしまう
  • ランニングコストやメンテナンス費などのコストを抑えたい
  • 高精度な分析においても再現性を高めたい

プロセスガスクロマトグラフ GC8000は、一般的なラボガスクロマトグラフと比べてプラントでの使用に適した特長があります。プラント運転に対してGC8000がもたらすメリットをご紹介します。

 

連続分析の自動化による省人化

GC8000は、ファインケミカル分野における数百〜数千ppmレベルの高難度な測定も実現可能な業界最高クラスのプロセスガスクロマトグラフです。計測対象としてあらかじめ設定した成分を完全自動かつ24時間連続で分析します。

連続分析の自動化による省人化

現場から離れた研究室などで使用するラボガスクロマトグラフとは異なり、製造プロセスの近くで使用するため、サンプリングや運搬といった手分析の手間がなく、大幅な省人化・省力化を実現できます。また、手分析によるルーチン業務から解放されることで、オペレーターはより重要な分析に多くの時間を充てられるようになります。

連続分析の自動化による省人化

 

高い再現性・均質化による品質向上

一般的なラボガスクロマトグラフでは、混合物からのサンプリング、運搬、前処理、注入、分析という一連の作業を手動で行います。しかし、近年、熟練者の減少傾向に伴い、作業品質のばらつきや低下に対する懸念が増しています。

一方GC8000は、製造プロセスごとに計測対象の成分と適切な濃度があらかじめ設定されており、その含有量を完全自動で連続分析します。オペレーターの経験や知識に左右されないため、ファインケミカル分野で求められる高精度な分析においても、再現性・均質化を高めることが可能です。また、24時間稼働での連続分析によって不良・異常の発生を素早く検知できるため、プラントの品質向上に貢献します。
 

高い再現性・均質化による品質向上

 

 

ランニングコスト等の削減

製造プロセスにおける連続分析の完全自動化により、3交代制での人件費や、手分析・レポーティングにかかる工数が減少。中長期的なランニングコスト等の削減に貢献します。ラボガスクロマトグラフと比べて分析頻度が多く、不良・異常を素早く検知して対処できるようになるため、不良品の廃棄に伴うコストの削減にもつながります。

また、ラボガスクロマトグラフでは手分析によるばらつきや遅れ時間を考慮し、分析結果における合格水準を高めに設定しているケースがあります。一方、完全自動で分析を行うGC8000の場合、ばらつきや遅れ時間によるリスクを最小限に抑えることができます。

コスト削減

 

プラント全体の最適化

GC8000は、統合制御システムや分散制御システム(DCS)との連携が可能です。横河電機の統合生産制御システムCENTUM VPは、操作監視、制御、エンジニアリング、フィールドデジタル、セキュリティなどのプラントの操業に関するさまざまな機能で構成されたシステムです。プラント設計から運転終了に至るまでのライフサイクル全体にわたって、最適な操作・エンジニアリング環境を提供します。

GC8000とCENTUM VPが連携することで、製造プロセスにおける分析結果を素早く共有でき、機器制御に反映できます。不良・異常の発生に対して迅速に対処できるため、品質の安定化やメンテナンスの効率化につながり、プラント全体の適化を加速せます。


About OpreX

OpreXは、YOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を集約した、制御事業の包括ブランドで、カテゴリーとその配下のファミリーから構成されています。本製品はOpreX Measurement配下のOpreX Analyzersに属します。

詳細

プロセスガスクロマトグラフ GC8000には、大きく5つの特長があります。

1.マルチオーブンによる高速分析

マルチオーブンによる高速分析

GC8000は、複数のGCモジュールを構築することで、あたかも複数台のガスクロマトグラフが搭載されているようなシステムを1台で組むことができます。これにより、分析時間の短縮やお客様のご要望に沿った自在な機器構成を実現します。

GCモジュールは、バルブ・カラム・検出器などから構成され、独立した分析周期、オーブン温度などをもつことができます。その結果、複数の成分を同時に分析するパラレルガスクロマトグラフィーの実現だけでなく、複雑なアプリケーションを小さな単位に分割し、最適な条件で分析することが可能です。

 

2.タッチパネル採用による操作性の向上

タッチパネル採用による操作性の向上
 

GC8000は、12インチの大型カラータッチパネルを装備し、グラフィカルな表示による高い操作性とメンテナンス性を有します。

スクリーンをタッチするだけで、分析パラメータや分析結果を簡単に現場で見ることができます。オーバービュー画面では重要なパラメータやトレンドデータが分かりやすく表示され、機器の測定状態を容易に判断することが可能です。さらに、システム構成がグラフィカルに表示されるため、GC8000を初めて使用する方でも理解しやすく、操作やその習熟にかかる時間を短縮できます。

 

 

3.柔軟かつ安全なネットワーク構築

GC8000は、通信ネットワークとしてEthernet接続を標準装備しています。これにより、PCによるGCワークステーションや分散制御システム(DCS)とのデータ送受信を柔軟かつ安全に行うことができます。また、ネットワークの二重化にも対応しています。

Modbus TCP/IPプロトコルの使用により、多くの場合、DCS機器との接続には通信ゲートウェイを必要としません。これはネットワーク構造をシンプルにするだけでなく、通信の潜在的な障害リスクを低減します。シリアルModbusゲートウェイを必要とする通信システムでは、横河電機のASGWをゲートウェイとして使用します。

柔軟かつ安全なネットワーク構築
GCワークステーションの構成図

PCASアナライザサーバ:
複数のガスクロマトグラフのデータ収集、コマンド制御と上位システムとの間のデータ通信を行います。

ASETエンジニアリングターミナル:
アナライザサーバを介して複数のガスクロマトグラフと接続。PC上でアナライザ監視・保守を行います。

ASGWアナライザサーバゲートウェイ:
複数のガスクロマトグラフと上位システムとの間のゲートウェイです。

ガスクロマトグラフAIメンテナンスサポート(GCAI):
AIを搭載したソフトウェアが、GC8000のガスクロマトグラムを常時監視し、正常状態から逸脱した兆候を検知するとともに、測定ピークの分離状態の未来予測を行います。

 

4.最新のメンテナンスソフトウェアによる信頼性の高い予防保全

最新のメンテナンスソフトウェアによる信頼性の高い予防保全
GCAI検知イメージ

ガスクロマトグラフAIメンテナンスサポート(GCAI)は、GC8000の信頼性向上と、監視データを基にした予防保全を実現するメンテナンスソフトウェアです。

中でもGCAIは、AIを活用したクロマトグラムの常時監視により、予兆検知を実現。GCAI上で構築した機械学習モデルにより、リアルタイムにクロマトグラムの変化を違和感として感知し、担当者などに通知します。これにより、測定ピークの分離状態の推移に応じて、部品やカラム交換といった保守対応を計画することが可能になるなど、信頼性の高い予防保全に貢献します。
*GCAIの動作には、アナライザサーバーソフトウェアPCASが別途必要となります。

>>ガスクロマトグラフAIメンテナンスサポート(GCAI)

 

5.高精度で信頼性のあるプロセス分析

横河電機は過去50年以上にわたり、高精度で信頼性のあるプロセスガスクロマトグラフを提供し続けてきました。GC8000では、これまでの経験やノウハウが蓄積された検出器やバルブなどの主要部品を引き続き使用しています。これにより、高い信頼性で安心してご使用いただけるとともに、従来製品との保守部品の共通化も可能です。

また、各種オーブンを組み合わせることで、分析の最適化やアプリケーションの拡大も容易になっています。お客様の分析ニーズに応じてGCモジュールとオーブンの組み合わせを最適化することで、複雑な分析であっても単純化でき、保守性の向上につながります。

 

オーブン温度制御

オーブン温度制御

GC8000は卓越したオーブン温度制御技術により、厳しい設置環境においても、優れた繰返し性と長期安定性を有します。

恒温槽に備えられたファンが内部空気を一様に撹拌することで、設定温度に対して世界最高レベルでの温度制御を実現。さらに、減圧弁も恒温槽内に設置することで、キャリアガス流量の安定性を確保しました。

 

検出器

熱伝導度検出器(TCD)の使用例
熱伝導度検出器(TCD)の使用例

GC8000は検出器においても革新的な技術を使用しています。

熱伝導度検出器(TCD)は、世界最高レベルの感度を有しており、水素炎イオン化検出器(FID)を使用しなくてはならないような数ppmレベルの測定においても多く使用されています。また、水素炎イオン化検出器(FID)は長期安定性に優れ、空気燃料比を変更しなくとも、操作ボタンを押すのみで再点火が可能です。

 

仕様

プロセスガスクロマトグラフ GC8000の仕様をまとめてご紹介します。

測定対象 気体または揮発性液体(沸点400°C以下)
分析方法 ガスクロマトグラフィー
測定範囲 TCD:1 ppm~100%
FID:1 ppm~100%
FID(メタンコンバータ付):1 ppm~0.1%
FPD:1 ppm~0.1%
測定成分数 最大999成分(標準サンプル流路を含む全流路成分数の合計)
分析周期 最大21600.0 秒(6 時間)
測定流路数 最大31流路(標準サンプル流路を含む)
サンプル接触部材質 RV: SUS316、ハステロイC、ルーロン、PTFE(Teflon、Bearee)
LSV: SUS316、ハステロイC、ルーロン、PTFE(Teflon、Bearee)、ガラス、フッ素ゴム(Viton)、パーフロロエラストマー(Kalrez)
繰返し性 分析条件により異なります。
気体サンプル: 測定レンジの± 1 %(2 σ)
液体サンプル: 測定レンジの± 2 %(2 σ)

アナライザ

防爆構造 内圧および耐圧防爆構造
認証規格(機関)TIIS、FM、CSA、ATEX(DEKRA)、IECEx (DEKRA)、NEPSI
TIIS: Ex pd IIB+H2 T1~T4
FM および CSA
Type X Pressurization and Explosionproof for Class I, Division 1, Groups B, C and D. T1 to T4
Type X and Y Pressurization for Class I, Division 1, Groups B, C and D. T1 to T4
ATEX:II2G Ex db pxb IIB+H2 T1, T2, T3 or T4 Gb
IECEx:Ex db pxb IIB+H2 T1, T2, T3 or T4 Gb
NEPSI:Ex db pxb IIB+H2 T1, T2, T3 or T4 Gb
構 造 Type 3R (ANSI/UL 50E, CAN/CSA-C22.2 No. 94-M91)、IP54相当 (IEC 60529)(防塵・防雨構造)
動作周囲条件 -10~50°C、95%RH以下(結露の無いこと)
分析条件により異なる場合があります。
質 量   壁掛け形 自立形
タイプ1 約 100 kg 約 140 kg
タイプ2 約 155 kg 約 190 kg
タイプ3 約 200 kg 約 220 kg
タイプ4 約 140 kg 約 170 kg

恒温槽・昇温槽

内容積 大型恒温槽: 約45 L、 恒温槽: 約31 L
設定温度範囲 55~225°C(1°C単位で設定可能)、5~320°C(昇温槽冷却機能付き)
温度安定性 ±0.03°C*  *参考値
温度制御方式 PID制御

 

入出力

アナログ入力/出力 最大16点 / 最大32点 
接点入力/出力 最大32点 / 最大20点
PC通信 イーサネット通信
DCS通信 RS422
プロトコル:MODBUS、Y-Protocol、ガス事フォーマット
Ethernet 通信
プロトコル: Modbus/TCP

ユーティリティ

電 源 タイプ1、2、3:
100、110、115、120、200、220、230 V または240 V AC ± 10 %、50/60 Hz ±5 %
タイプ4:
200、220、230 V または240 V AC ±10 %、50/60 Hz ±5 %
注: 分析条件により異なる場合があります。 過電流保護のために、保護デバイス(ブレーカなど)の設置が必要です。
最大定格電力 タイプ1: 0.8 ~ 1.6 kVA、タイプ2: 1.4 ~ 2.9 kVA、
タイプ3: 2.0 ~ 4.3 kVA、タイプ4: 1.7 ~ 3.7 kVA
計装空気 圧 力:350~900 kPa(FPD 付の場合500 ~ 900 kPa)
     昇温槽の場合 350 ~ 900 kPa(冷却装置なし)、500 ~ 900 kPa(冷却装置付)
流 量:タイプ1: 140 L/min (FPD付の場合440 L/min)
     タイプ2: 210 L/min (FPD付の場合510 L/min)
     タイプ3: 280 L/min
     タイプ4: 210~600 L/min (仕様により異なります)
キャリアガス 種 類:H2、N2、He、Ar
純 度:レンジ0-50 ppm 以上:99.99 % 以上
     ただし、水分:10 ppm 以下、有機成分5 ppm 以下
     レンジ0-50 ppm 未満:99.999 % 以上
     ただし、水分:5 ppm 以下、有機成分0.1 ppm 以下
圧 力:
   H2 の場合: 500 ± 20 kPa(防爆要件を満たすため、
      減圧弁を別途設置して500kPaで供給してください。)
   H2 以外の場合: 400 ~700 kPa
消 費 量:1台当り 60~300 mL/min

 

プロセスガスクロマトグラフが対応する業種アプリケーション

プロセスガスクロマトグラフ GC8000は、各種製品品質および生産設備の監視/制御にご利用いただけます。

化学

化学プラントでは、化学反応を伴う製造プロセスを通じてさまざまな物質を製造しています。昨今では高機能・高付加価値を特徴とするファインケミカル分野のニーズがますます高まっていますが、複雑な組成をもつことから製造時には高度なプロセス管理が不可欠です。

化学プラントで使用されるガスクロマトグラフには、多様な物質に対応できる柔軟性、高精度な分析、他の機器との連携によるリアルタイムな制御等が求められます。最新のプロセスガスクロマトグラフは技術の進歩によってこれらの要件を満たせるようになっており、化学プラントへの導入が進んでいます。

化学

導入例:アルコール、アルデヒド、エステル、ビニル、ハロゲン化物、フェノール類、環状オレフィン

 

石油化学

石油化学産業では、プラスチック、洗剤、肥料、殺虫剤など多くの日用品に使用される化学物質を製造しています。最も大きな分野は、現代社会で広く使用されている各種プラスチックや合成樹脂の製造です。プラスチックや合成樹脂は、長い鎖状の分子を形成するために化合物を重合させてつくられます。

石油化学産業で使用されるプロセスガスクロマトグラフは、検出が困難な化合物を分析する必要があります。通常、このような分析計は、高感度な検出器、高度なカラム技術、特殊なハードウエア、および新素材を組み合わせて構築します。

石油精製工場イメージ

導入例:エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、BTX、ブタジエン、塩ビ、スチレン、アルコール、アルデヒド、エステル、酢酸ビニル

 

石油精製

製油所で精製されるガソリンは、自動車の動力源として現代社会の発展を支えてきました。製油所では、原油に含まれる少量の天然ガソリンを分離し、残った化学物質を反応させてガソリンにします。たとえば、化学物質の一つであるオクタンは製油所内のアルキル化装置で2個のC4分子を互いに反応させて生成します。分子量が大きすぎてガソリンに使えない成分はほかの装置で除去し、クラッカー内で接触分解や熱分解されます。

こうした化学反応を同時に行うため、オンラインでのモニタリングや制御が極めて重要です。実際に、製油所にはプロセスガスクロマトグラフが大規模に導入されています。

導入例:蒸留点分析、PINA/PIONA分析、FCC、硫黄回収

石油精製工場イメージ

 

天然ガス

天然ガスの処理にかかわる産業は、毎日大量に消費される天然ガスの供給を担っています。その過程で、プロセスガスクロマトグラフを使ったガスの熱量および組成のモニタリングが行われています。

天然ガス処理産業で求められる要件は、ほかの産業とは大きく異なります。分析そのものは比較的簡単ですが、環境に対する要件が厳しくなっているのが特徴です。また、モニタリング担当者が天然ガスを監視する分析計から離れた場所にいることが多く、広範囲に分散設置されているため、遠隔通信が必要になります。

導入分析:熱量測定

天然ガス

 

環境モニタリング

環境モニタリング市場は、安全な労働環境の構築や環境への影響を最小限にしたいというニーズを背景に拡大してきました。化学物質による事故や漏出を防ぐため、また有害物質の廃棄が確実・安全に行われるために、それらのモニタリングが必要です。

プロセスガスクロマトグラフは、排水中の一部汚染物質や空気、水、化学処理の自動モニタリングなどに使用されています。環境モニタリング市場におけるプロセスガスクロマトグラフには、厳格な環境基準を正確に判定できるだけでなく、複数地点の測定やデータの記録機能が求められます。

導入例:大気/ 土壌汚染観測、工場/ 作業環境分析、水質分析(VOC)

環境モニタリング

関連情報

アプリケーションノート
概要:
  • ガスクロサンプリング装置にて原水中の微量 VOC(揮発性有機化合物)を気化し、ガスクロマトグラフで検出できる状態にします。
  • ガスクロマトグラフにて、VOC 成分を単一成分毎に分離して検出します。
業種:

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