横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

OpreX Control and Safety Systemのラインアップとして「統合情報サーバ」を開発、発売

2020年10月19日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ Control and Safety Systemのラインアップとして、「統合情報サーバ(英語表記Collaborative Information Server:CI Server)」を開発し、2021年1月から発売しますのでお知らせします。お客様が所有する各プラントの操業に関するあらゆる設備やシステムのデータを統合し、生産活動全体にとって最適な情報の管理を支援するとともに、リモートオペレーションの環境を提供することで作業の場所を選ばない効率的なプラント操業を支援します。新型コロナウイルス(COVID-19)流行下においても人の移動機会を減らすことで感染リスクを低減させたプラント操業に貢献します。

生産活動全体を把握して操業できる統合情報サーバのイメージ図
生産活動全体を把握して操業できる統合情報サーバのイメージ図
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開発の背景

 多くのプラントでは、サプライチェーンのグローバル化や製品ニーズの多様化により、原材料やオペレーションの複雑化が課題になっています。一方、オペレーターの高齢化が進み熟練者が減少しています。その中で収益を確保するためには、より効率的な操業と市場の変化に順応した迅速な意思決定が求められています。また、効率化と安全の観点から操業の現場に行かなくても関係者が連携して操業可能なリモートオペレーションに対するニーズが急速に拡大しています。
 そのため当社では、各プラントのあらゆる設備やシステムから得られるデータを自動的に集約し、オペレータールーム以外の場所からの操作・監視や、迅速かつ効果的な意思決定を可能にする統合情報サーバを開発しました。

製品の特長

  1. 人の移動を必要としない操業環境づくりを提供し、操業の効率化と安全性を支援
     プラントの操業では、現場オペレーター、設備保全や品質管理などの専門的な知見のあるメンバー、経営の意思決定をするコーポレート部門、他のプラントなどが一貫して連携することがより良い操業につながります。統合情報サーバは、広域通信に対応したリモートオペレーションの環境を提供し、全てのプラントの操作・監視を一括して行うIntegrated Operations Center(集中操作・監視センター)など離れた場所からの操作・監視を可能にします。また、ウェブブラウザにも対応しており、PCや携帯端末などでプラントの操作・監視が可能です。各部門に適切なダッシュボードの作成やアクセス権限を付与することで、特定の場所に限定されない効率的な操業を支援します。
     これらにより、現場に常駐していない意思決定者やエキスパートの、プラント操業への円滑な連携を支援するとともに、過酷な環境の地域に広域分散した発電所や陸地から遠く離れた海上プラントなどの効率的な操業・管理にも貢献します。また、プラントに人が移動する必要性を減らすことで、関係者が人と接触する機会を減らし、個人・企業・社会に対する新型コロナウイルス感染リスクの低減にもつながります。
  2. 円滑なデータ統合と情報の一括管理に貢献し、迅速な意思決定を支援
     異なる設備やシステムでは生み出されるデータのフォーマットや使用可能な通信規格が異なることが多く、情報を集約することや、統一されたフォーマットで管理することは困難です。統合情報サーバは、さまざまな通信規格に対応しており、制御システムからプロセスデータを取得できるだけでなく、設備や装置の運転状況、原料と完成品の在庫、エネルギー消費量などの操業データも集約します。統合情報サーバは、これらのデータをリアルタイムに自動で収集し、統一されたフォーマットに変換、設備保全データと同設備で生産された製品の品質データなどのデータ間の関連付けを行います。当社のシステムや機器のみならず、他社のシステムや機器からもデータ収集が可能で、単一プラント内のデータ統合はもちろん、複数のプラントのデータ統合が可能になります。
     これらの機能によって、今まで人の手で行われていた必要なデータの抽出や異なる定義のデータを統一化させる加工作業が軽減されます。必要な情報を適時に適切な担当者に提供することで迅速かつ効果的な意思決定を支援します。これにより市場の変化への迅速な対応、単体のプラントではなく、生産活動全体で見た最適なコスト、運用効率の実現に貢献します。
  3. 操業改善の活動やアプリケーションでもデータを活用可能に
     統合情報サーバで統合されたデータは、統合管理に役立つだけでなく、生産効率向上や品質改善などに活用することが可能です。情報システム、品質改善システム、データ分析のアプリケーションなどを統合情報サーバの統一フォーマットでデータ連携させることで、統合情報サーバが長期間蓄積したデータを、それらのシステムやアプリケーションにも自動的に反映させ、活用できるようになります。
     例えば、原料の品質と設備の健全性が製品の品質に深く関わっているプロセス産業では、それらのデータをAI(Artificial Intelligence:人工知能)で解析することでこれまでに発見されなかった新たな相関関係や重要な評価指標を特定することが可能になり、品質トラブルの低減や生産力の維持・向上に役立たせることができます。また、統合情報サーバによって統合されたデータを用いてプラントのデジタルツインを構築すれば、新たなソリューションやパラメータ設定の導入などの操業改善の施策を事前に検証することも可能になります。

     横河電機執行役員IAシステム&サービス事業本部長の上原茂義は次のように述べています。「今回開発した統合情報サーバは、お客様がデジタルトランスフォーメーションを成し遂げるために必要なデータ管理の基盤となる製品です。当社は、産業界の事業活動の将来像をIA2IA(Industrial Automation to Industrial Autonomy)と呼び、産業の自動化から自律化への移行に貢献していきます。当社は、データ活用によって操業効率・エネルギー効率・品質などを向上させるさまざまなソリューションを有しており、統合情報サーバとともに、お客様のより良い生産活動の実現と事業の持続的な成長を支援していきます」。

    ※実世界で収集したさまざまなデータの統計的分析やデータ解析により実世界の状況を再現したモデル
    (デジタル上の双子)のこと。このモデルが実世界と連動する。

主な市場

石油・ガスの採掘・精製工程やパイプラインなどの輸送工程、石油化学、化学、再生可能エネルギー、電力、紙パルプ、食薬、鉄鉱、鉄鋼、配水、水処理などのプラント

用途

プラントの監視、操作、制御、データ収集、記録保存など

OpreXとは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control 、OpreX Measurement 、OpreX Execution 、OpreX Lifecycle の5つのカテゴリーから成り立ち、「統合情報サーバ 」は、OpreX Controlを構成する製品・ソリューション群の一つであるOpreX Control and Safety Systemに属します。OpreX Controlは、お客様の経営、操業、業務の変革に迅速に対応し、高効率、高品質、安全で安定した操業基盤を支える高信頼の制御テクノロジーを意味します。
 YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。

以上

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