共焦点スキャナユニット「CSU-W1」発売のお知らせ ~高機能の上位機種の投入でシェアを拡大~

2012年5月22日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、生きた細胞を高速かつ高感度で観察できる共焦点スキャナユニット「CSUシリーズ」新ラインアップとして、共焦点スキャナユニット「CSU-W1」を開発しました。
 「CSU-W1」は、従来製品CSU-X1の上位機種です。視野が4倍に広がったほか、余分な光が混じる"クロストーク現象"を大幅に低減してよりクリアな画像が得られる、蛍光波長を近赤外に広げ深部の観察ができるなど、研究者の幅広い要望に答えることのできる性能・機能の高さが特長です。
 発売は国内が6月20日、海外は8月末を予定しています。

 なお、当社は本製品を、5月28日から31日まで神戸商工会議所で開催される第45回日本発生生物学会(JSDB)/第64回日本細胞生物学会(JSCB)合同大会と、6月13日から16日までパシフィコ横浜で開催される第10回国際幹細胞学会年次総会に参考出品します。

共焦点スキャナユニット CSU-W1
共焦点スキャナユニット CSU-W1

開発の背景

 ライフサイエンス分野では、様々な生命現象を研究するために、生きた細胞の詳細な構造や立体像を高感度、高精細に観察する必要があります。また短い時間に起こる現象を観察するには高速性も求められます。当社の共焦点スキャナCSUシリーズは、このニーズに答えることのできる感度と高速性を持ち、なおかつレーザ光の照射による試料へのダメージが少なく長時間観察が可能という特長により、世界で累計2000台以上の納入実績を積んできました。
 近年、iPS細胞、ES細胞、テーラーメイド医療など、ライフサイエンス分野の研究領域が広がり、より高度な研究のため、研究者は観察ツールに更なる高速性、高感度、多波長同時観察、深部観察、拡張性の向上を求めています。それに答えるため、より高機能で、拡張性に優れた共焦点スキャナユニット「CSU-W1」を発売します。

新製品の特長

  1. 広い視野とクリアな画像
     新設計の大口径ディスクを搭載して視野を広げたことで、従来製品に比べ面積にして4倍の範囲を一度に観察できます。これにより、観察のスループットを従来の4倍向上することができるほか、どこで発現するかわからない現象なども観察しやすくなります。
     また、CSUシリーズの特長であるニポウ・ディスクのピンホールの間隔を広げることで、隣接するピンホールから漏れるクロストーク光によるフレア(画像を不鮮明にするノイズ)を大幅に低減し、よりクリアな画像を得られるようになりました。
  2. 多波長同時観察など豊富なオプション機能
     1カメラモデル、2波長同時観察の可能な2カメラモデル、1カメラで2波長同時観測が可能なスプリットビュー(分光)モデルを用意しました。また、ピンホールサイズを高倍率用の50μmと低倍率用の25μmの2種類用意し、どちらか一方を搭載するか、または両方を搭載して電動で切り替えられるようにしました。
  3. 近赤外領域に迫るレーザ光で深部観察可能
     共焦点スキャナは、蛍光染色した細胞試料にレーザを当て、その蛍光を観察します。「CSU-W1」は使用できるレーザの波長範囲を近赤外領域に迫る785nmまで広げられるオプション機能を用意しました。長波長の方が細胞表面からより深い部分までレーザ光が届くため、従来以上に観察できる範囲が広がります。

主な市場

生物学、医学、薬学、農学、創薬研究など細胞を扱う研究分野全般

用途

  • 生きた細胞内のたんぱく質の動きや生理反応のリアルタイム観察
  • 細胞や生体組織の2次元/3次元の構造、変化の観察

この分野における当社の取り組み

 当社は、ニポウディスクとマイクロレンズアレイを組み合わせた画期的な共焦点スキャン技術を開発し、1996年に共焦点スキャナ「CSU10」(フルフレーム30コマ/秒)を発売しました。その後、より速い現象を観察できるよう継続的な技術開発を進め、2007年には2,000コマ/秒撮影のCSU-X1を発売しました。当社製品は市場で高く評価され、納入累積台数2,000台を越え、ライフサイエンス分野では欠かせない観察ツールとしての地位を確立しています。

以上

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参考

共焦点スキャナとは

 共焦点スキャナは、レーザをレンズで集光して平面上の一点にあて、その反射光(または蛍光)を連続的に観察するための走査ユニットです。試料を切片にすることなく生きたまま断層(スライス)画像を得ることができるのが特長です。また、スライス画像データを画像解析処理し3次元立体像の構築ができます。蛍光試薬等で染色した試料にレーザを照射し、蛍光を観察することで、きわめてコントラストの高い、鮮明な画像を選択的に得ることができます。
 これらの特長により、共焦点スキャナは生きた細胞をリアルタイムで観察する有力なツールとして広くライフサイエンス研究者に利用されています。

原理

 光源側のピンホールを出た光は顕微鏡対物レンズを通り、サンプル上の一点(対物レンズの焦点面上)に集光します。ここで発生した反射光または蛍光は再度、対物レンズを通りビームスプリッター(ダイクロイックミラー)によって曲げられ、観察側に置かれたピンホールに集光され、検出器に達します。
 サンプル内では光が集光していない部分からも光が出てきますが、これらは観察側に置かれたピンホールをほとんど通ることができません。その結果、対物レンズの焦点面の情報だけを観察することができます。

共焦点顕微鏡原理

 ただし、このままではピンホールに対応する点情報しか得られないため、面情報を取り込むためにはレーザビームを平面上で動かしてスキャンすることが必要です。
 従来の共焦点顕微鏡は、機械的なスキャン機構を用いてレーザビームを動かしていること、1本のレーザビームで観察領域を順にスキャンすることから、スキャンスピードに限界がありました。

 これに対し、YOKOGAWAのCSUシリーズは、ニポウ(Nipkow)ディスクという高速回転のマルチピンホール・ディスクによって、およそ1,000本のレーザビームで観察領域を同時にスキャン(マルチビームスキャン)し、最高2,000コマ/秒という高速性を実現しています。
 ニポウディスクは"多数のピンホールが渦巻き状に配置された回転円板(ディスク)"です。YOKOGAWAのCSUは、ニポウディスクに"マイクロレンズ・アレイ・ディスク"を加えることにより不要な光を遮断し、高速スキャン性能を保ったまま、光の利用効率を大幅に改善することに成功しました。

CSUシリーズの原理
CSUシリーズの原理

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