無線通信規格ISA100.11aに準拠した無線フィールド機器のラインアップ拡充 ~「Grow」コンセプトに基づきプラント向けフィールド無線システムの提案を強化~

2012年2月7日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀周造)は、インダストリアル・オートメーション用無線通信規格ISA100.11a※1に準拠した、大規模・高信頼なプラント向けのフィールド無線用システム機器3機種を開発しました。また、無線フィールド機器2機種の機能強化もしました。これらの製品は、2012年3月から順次発売する予定です。
 本製品により、大規模・高信頼なフィールド無線システムの構築はもちろん、中小規模のフィールド無線システム向けの当社従来製品ともシームレスに接続して、フィールド無線ネットワークを大幅に拡張することができます。当社は、「Grow(グロー)=成長」をフィールド無線システムのコンセプトとして提唱、お客様への提案活動を強化します。

開発の背景

 プラントを構成する差圧・圧力伝送器や温度伝送器などのフィールド機器と生産制御システム間の通信無線化は、通信ケーブルや敷設コストの削減および、高所や移動体など配線が困難な場所への機器設置も可能になるなど、多くのメリットがあります。
 当社は、2010年7月から、初めてのお客様でも簡素なシステム構成でフィールド無線システムを導入しやすい「フィールド無線用一体形ゲートウェイ YFGW710」を中心としたシステムを販売してきました。このシステムを導入したお客様は、電波干渉の回避やセキュリティの確保など無線方式に必要な条件に加え、プラントを安定して稼動させるために必要な信頼性、リアルタイム性、耐環境性を実感され、フィールド無線システムの拡張を検討し始めています。このようなお客様の声を反映し、大規模・高信頼なプラント向けのフィールド無線用システム機器3機種を開発しました。また、差圧・圧力伝送器などの無線フィールド機器2機種の機能強化を実施しました。

新製品

製品 機能
(1)フィールド無線用管理ステーション 生産制御システムと無線フィールド機器を中継するゲートウェイ機能、システム管理機能、セキュリティ管理機能
(2)フィールド無線用アクセスポイント 無線フィールド機器とゲートウェイを中継するアクセスポイント機能
(3)フィールド無線用メディアコンバータ 100BASE-TX(ツイステッド・ペア・ケーブル)を100BASE-FX(光ファイバーケーブル)に変換する機能
(4)差圧・圧力伝送器 EJX Lシリーズ 機能強化(アンテナ交換機能の追加、低消費電力化)
(5)温度伝送器 YTA510 機能強化(アンテナ交換機能の追加、低消費電力化)

新製品の特長

  1. ハードウエアと通信経路の完全二重化による高信頼化
    フィールド無線用システム機器や通信経路(生産制御システムと無線フィールド機器間)に障害が発生した場合でも、バックアップ用機器の通信経路に自動で切り替えて正常に稼働させることができるようにしました。ハードウエアと通信経路の完全二重化により高い信頼性を実現したことで、無線通信を従来の監視用途のみならず制御用途に活用する可能性が高まりました。
  2. 大規模化とシステム構築の柔軟性向上
    当社従来製品の「フィールド無線用一体形ゲートウェイ YFGW710」と比べて、10倍の無線フィールド機器を「フィールド無線用管理ステーション」1台で管理することができます。
    また、「フィールド無線用管理ステーション」と「フィールド無線用アクセスポイント」は、パソコン用などに普及している通信規格100BASE-TX, 100BASE-FX, 無線LAN規格IEEE802.11シリーズに対応しているので、これらの規格に準拠したネットワークも取り込むことができます。既存の資産を活かして最小限の投資で、大規模な無線システムの構築が容易になります。
  3. 無線フィールド機器の機能強化
    差圧・圧力伝送器「EJX-Lシリーズ」と温度伝送器「YTA510」のアンテナが取り外し可能になります。ケーブルを使って本体からアンテナを離して電波状態のよい場所に設置することができます。また、長距離通信をしたいお客様は高利得アンテナ※2を選択することができます。当社従来製品比最大4倍の長距離無線通信が実現します。
    また、消費電力を抑える設計を施したので、従来製品比で約2倍電池寿命が長くなります。

主な市場

石油・天然ガス(陸上/海上設備)、石油化学、化学、鉄鋼、紙パルプ、電力、水処理などプロセス製造業全般

用途

プラントにおける温度・圧力・流量測定や、タンクのレベル測定など

当社のフィールド無線の取り組み

 当社は、"フィールド・デジタル"を活用してプラント操業の全体最適化を支援する技術の一つとして、無線通信技術の導入をお客様に提案してきました。2009年9月に発行されたインダストリアル・オートメーション用無線通信規格であるISA100.11aは、高い信頼性、対応可能なアプリケーションが多様、ネットワークを拡張しやすい、各種有線規格と高い整合性が期待できるという特長があります。当社は、最適なフィールド機器をお客様が自由に選択できる環境を整えるために、ISA100.11aに準拠したフィールド無線用システム機器と無線フィールド機器を2010年7月に世界で初めて製品化しました。ISA100.11aを支持するメーカが増えており適合製品が増えていくと見込まれています。当社は、他社製品も当社の無線システムに接続して円滑に運用できる相互運用性(インターオペラビリティ)を高めていくとともに、高度な制御技術が必要な連続工程の無線通信化を視野に入れて無線対応製品の開発に取り組んでいます。また、「Grow(グロー)=成長」をフィールド無線システムのコンセプトとして提唱、お客様への提案活動を強化していきます。プラント向け無線システムの拡張、お客様の無線に関する知識の蓄積、無線通信によるプラント運用の利便性向上を通じてお客様のプラントの成長「Grow」に貢献することを目指しています。

以上

※1 ISA100.11a
国際計測制御学会(ISA; International Society of Automation)のISA100委員会が策定し、2009年9月にISA規格として発行されたインダストリアル・オートメーション用無線通信規格。2011年12月にAmerican National Standards Institute (ANSI) から米国国家標準として承認された。今後、IEC(国際電気標準会議)のIECSC65Cサブ委員会に提案され国際標準化への活動が本格化する。

※2 高利得アンテナ
強い電波を放射して長距離無線通信を可能にするアンテナのこと。長距離アンテナともいう。なお、「フィールド無線用アクセスポイント」「EJX L」「YTA510」は使用する地域の電波法により、利用可能なアンテナの種類が制限される場合がある。

【参考資料】システム構成図

システム構成図

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