2002年横河技報[Vol.46 No.3]

航空・船舶関連機器特集号

航空機搭載用液晶ディスプレイパネルの開発(PDF: 158KB / 4ページ)

  • 白 幡 春 雄 *1
  • 板 垣 道 久 *1
  • 幸 坂 扶佐夫 *1
  • 石 田 隆 *1

*1航空宇宙・特機事業部技術部

当社では,以前より防衛庁向けに航空機用液晶ディスプレイパネルの開発,および生産を行っている。近年軍事用ばかりでなく,民間航空機にも液晶ディスプレイパネルが採用され始め,需要が拡大している。
今回,防衛向けに蓄積した液晶ディスプレイ技術を基に,民間航空機搭載用液晶ディスプレイパネルを開発した。民間航空機のコックピットに要求される光学特性を満足し,使用環境に適合するための最適設計を行い,広視野角で昼夜の視認性の高い,液晶ディスプレイパネルを実現した。


航空機向け統合地図表示装置(PDF: 327KB / 4ページ)

  • 神 尾 圭 子 *1

*1航空宇宙・特機事業部技術部

ベクタ型データを用いた電子地図やディジタル標高モデルなどの地理情報システム(GIS)を構築する動きが,近年活発化している。当社は, 多様な地理情報を航空分野のユーザに的確に提示する手段として, 統合地図表示装置を開発した。詳細な地図情報をレイヤ単位で管理することにより,ユーザが希望通りに画面の表示内容を取捨選択できるようにし,独自開発の描画エンジンを用いた高速多重描画で30 Hz の表示更新を実現した。ベクタ型データを用いた表示では,必要な情報のみを選択表示し煩雑さを回避することが可能となり,標高データを用いた表示では,陰影図による起伏表現などで地形に関する状況認識の向上を図った。さらに双方を統合した表示では,航行領域周辺の高度警戒情報上に高圧線や計画飛行経路を重畳するなど,飛行運用の安全性向上を支援することが可能である。
本稿では統合地図表示装置の概要と運用表示例を紹介する。


航空機用表示装置における情報呈示評価技術(PDF: 262KB / 4ページ)

  • 島 崎 祥 光 *1

*1航空宇宙・特機事業部技術部

従来,人の感性により評価していた電子表示装置における情報呈示の良否を,人間の生理反応を解析することで,定量的に評価する手法について研究している。研究の内容はHRV(Heart Rate Variability:心拍変動)パワーのトレンド,瞳孔径の変化量解析及び,呼吸周波数解析などである。
本研究では,被験者に自動車用シミュレータによる模擬運転を行ってもらい,ブレーキング時の生理応答である心拍,眼球などの変化を計測し,そのデータ解析を行った。その結果,生理応答評価が,人間の感性の定量化に有用であることがわかった。
今後はこの成果を元に,航空電子装置における最適化の研究に結びつけていきたい。


光ファイバ融着型温度センサ(PDF: 173KB / 4ページ)

  • 二 村 理 宇 *1
  • 蜂 屋 聡 史 *1

*1航空宇宙・特機事業部技術部

ガスタービンにおける高温計測に向けて,ヘテロダイン干渉を利用した光ファイバ温度センサを開発した。光源には波長長期安定性を特長とする自社開発の半導体レーザを使用し,センサヘッド(感温部)はファイバ融着によるファブリー・ペロ干渉計から構成した。光源波長を周波数変調し得られるビート波の位相を計測することによって温度変化の向きが特定できること,そして干渉長のわずかに異なる2 本のセンサヘッドを用いることによって,位相計測でありながらアブソリュート温度計測ができることが本センサの特長である。
センサヘッドそのものは石英ガラスから構成されているので,本質的に耐熱性に優れている。約1000℃までの温度試験の結果,融着面も含め動作に問題の無いことを確認した。また,4線式測温抵抗体(Pt100)を温度リファレンスとした450℃までの評価試験において,センサ繰返し性誤差が± 0.4℃と良好な結果を得た。


ジェットエンジン用ヒータレス無着氷型全温度センサ(PDF: 100KB / 4ページ)

  • 須 賀 太 郎 *1

*1横河電子機器株式会社 入間技術部

氷雪環境下での飛行を前提とした航空機において,ガスタービンエンジンが吸入する空気の全温度を計測するセンサは,融雪用電熱ヒータによる着氷対策が実施されているのが一般的である。この方式のデメリットとしては,(1)センサ筐体内の電熱ヒータによるセンサ自体の大型化,質量増加,(2)電熱ヒータ用電源ケーブルおよび電源確保のためのエンジン質量増加,が挙げられる。これらのデメリットを克服すべく,今回,ヒータを使用せずに氷雪環境下で使用できる,温度センサを開発した。本センサは全温度の測定方式として,従来のよどみ温度測定方式にかわる摩擦気流測温方式を新たに考案・採用することで,センサ筐体から空気取入口をなくし,着氷しにくい翼型の筐体構造を可能にした。さらに,氷雪環境にさらされるセンサ測温部の翼形状を最適化することで,規定値以上の大きさに着氷塊が成長することを防止すると共に,測温部付近での着氷を最小限に抑え,氷雪環境下での全温度計測を可能にした。


ローリング制御機能を有する次世代舶用オートパイロット(PDF: 200KB / 4ページ)

  • 松 田 真 司 *1
  • 大 津 皓 平 *2
  • 千 種 成 友 *1
  • 小 原 裕 喜 *1

*1横河電子機器株式会社 盛岡技術部
*2東京商船大学

近年大洋を航海している船舶には,オートパイロットシステムが装備されている。オートパイロットの主な目的は,保針制御である。しかし,操舵をすることによって,船首揺れと横揺れが起こることは良く知られている。我々は,オートパイロット本来の保針制御に加え,ローリング制御機能を有する次世代舶用オートパイロットを開発した。
本システムは,バッチ外乱適応舵減揺型オートパイロットであり,制御型多次元自己回帰モデルを使用している。モデルの最適次数は最少AIC(minimum Akaike Information Criterion (H.Akaike (1974))法より得られる。その上,各バッチ毎にOzaki & Tong により提案された局所定常時系列に対するオンライン構造判断方法を適用することによって,外乱の変化に適応できるシステムが得られる。


xDSL 回線テスタLX1000(PDF: 161KB / 4ページ)

  • 吉 武 哲 *1
  • 青 木 千 春 *2
  • 山 本 潔 *1
  • 佐 藤 勇 二 *1

*1通信事業センター 技術2部
*2通信事業センター 技術1部

ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)を使ったブロードバンドのインターネットユーザ数が急速に伸びている。通常の電話で使用する周波数は4 kHz以下であるのに対し,ADSLでは,従来の電話回線に20 kHz~1.1 MHzの高周波を通して通信を行っている。そのため,回線の品質による様々な問題が発生している。回線の品質評価,トラブル解決を目的として,xDSL回線テスタLX1000を開発した。
LX1000は,音声電話帯域からVDSL(Very-high-speed Digital Subscriber Line)で使用する周波数帯域までの測定を可能とし,電話回線を使ったほとんどのサービスに対して回線評価を行うことができる。LX1000を電話局に設置し,通信事業者のネットワークオペレーションセンタ(NOC)からの遠隔操作によって回線の品質を測定する。遠隔操作は,NOC内に設置されたLXオペレーションサポートシステムLXOSSによって行われる。


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