2001年横河技報[Vol.45 No.3]

フィールドネットワーク特集号

フィールドネットワーク技術の展開と横河の取り組み(PDF: 91KB / 4ページ)

  • 森 岡 義 嗣 *1

*1システム事業部MK部

これまでプロセス入出力,リモートIO,サブシステム通信などそれぞれ個別に考えられてきたものが,フィールドネットワークという概念に統合されて捉えられるようになってきた。フィールドネットワークは,制御システムとフィールド機器を繋ぐ手段であると共に,それ自体が制御システムの重要な構成要素となる。
双方向デジタル通信をフィールドネットワークに採用することで,プロセス値に加えて設定情報,環境情報,保守情報などをフィールド機器とやり取りできるようになった。
当社は早くからフィールドネットワーク技術の重要性に注目し,国際規格の制定過程からその開発に注力してきた。前回の特集から3年を経て,フィールドネットワーク技術は大きく進歩し,当社の提供するソリューションも充実してきたのでその状況を報告する。


CENTUM CS3000 R3におけるフィールドネットワークの統合(PDF: 32KB / 4ページ)

  • 小 田 信 二 *1

*1システム事業部PASセンター技術2部

当社DCSであるCENTUM CS3000 R3において,今後進化していくフィールドネットワークの大容量化をにらみ,既存のI/Oをも統合したアーキテクチャとして「2階層I/Oシステム」を開発した。このアーキテクチャはコントローラに直結し,高速且つ大容量の入出力が可能なI/Oノードと,リモートバス経由でコントローラに接続し,フィールド内に分散して配置できるI/Oノードの2種類で構成するものである。この2種類のノードをアプリケーションに応じて柔軟に使い分けることで,フィールドネットワークの統合を図りながら,十分な入出力の更新速度を実現すると共に,配線コストの低減を実現することができる。


CENTUM CS3000 R3におけるフィールドバス統合エンジニアリング(PDF: 77KB / 4ページ)

  • 清 水 謙之助 *1
  • 加 瀬 修 司 *2

*1システム事業部PASセンター技術2部

FOUNDATION™フィールドバスで代表されるフィールドネットワークの実用化に伴い,DCS(Distributed Control System)によるプラント計装にもフィールドバスの波が徐々に押し寄せてきている。一方,依然として高信頼性,長期間稼動を必要とされるミッションクリティカルなプラント計装では,入出力I/Oには,4~20 mA信号を主体としたDCSによる制御も不可欠である。このように,これからのDCSは,従来からの入出力機器と,多様なフィールドネットワーク機器を顧客視点の立場に立って,柔軟に提供,提案していくことが重要になる。このような多様な入出力機器から構成するDCSのシステム生成を,統一したエンジニアリング機能で実現した。今回開発したCENTUM CS3000 R3では,制御対象のI/O種別によらずにアプリケーションを容易に構築することができるエンジニアリング環境を提供する。さらに,制御の分散化にも対応した統一オペレーション環境など,フィールド機器による制御を意識させないシステムとなっている。


統合機器管理パッケージ“PRM”(PDF: 95KB / 4ページ)

  • 森 宏 *1
  • 町 田 明 春 *1
  • 尾 崎 真 広 *1
  • 助 川 裕 子 *1

*1システム事業部PASセンター技術2部

フィールド機器の保全管理の効率化に寄与する統合機器管理パッケージPRM(Plant Resource Manager)を開発した。FOUNDATION™フィールドバスに代表される双方向デジタルフィールドネットワークに対応した機器の予防保全管理ができるなどの特長を持つ。機器の保全スケジュールや点検記録,及び機器の構成情報などの,機器保全情報を複数の局面から分類・管理することで,多様化する保全方法に対応している。また,リモートバスを経由してフィールド機器の運転情報を遠隔地からオンラインで取得可能であり,フィールド機器の保全のための情報として活用することが容易である。本稿では,PRMの機能を中心に,フィールド機器情報の活用によるメンテナンスコストの削減,プラント操業におけるTCO(Total Cost of Ownership)削減への寄与について述べる。


第2世代のフィールドバス対応フィールド機器(PDF: 562KB / 4ページ)

  • 関 口 敏 夫 *1

*1プロダクトフィールド機器センター技術2部

当社では,1998年に世界初のフィールドバス協会の認証を得たフィールドバス機器として差圧伝送器EJAと渦流量計YEWFLO*Eの2種のフィールド機器を開発し市場に投入した。
その実績と特長を踏まえて,フィールドバス機器の高機能化,信頼性の向上,使い易さの改善を目指し,差圧伝送器EJA,渦流量計YEWFLO*Eをさらに進化した第2世代のフィールドバス機器にグレードアップするとともに,新たに温度伝送器YTA,電磁流量計ADMAG-AEを開発したので報告する。


アドバンストバルブポジショナYVP110(PDF: 68KB / 4ページ)

  • 齋 藤 洋 二 *1
  • 西 島 剛 志 *2
  • 井 上 晃 *1
  • 増 喜 浩 一 *1

*1プロダクトフィールド機器センター技術1部
*2プロダクトフィールド機器センター技術2部

YVP110は,FOUNDATION™フィールドバスに対応したバルブポジショナである。非接触式の変位センサ,新開発の小型I/P(電/空変換)モジュールの採用などにより,高い信頼性を確保した。また,バルブ診断機能や,機械要素に含まれる非線形性を補償する制御アルゴリズムを搭載し,従来のアナログ機械式ポジショナと比較して,飛躍的にその性能,機能が向上した。本稿では,YVP110の特長と,制御性やメンテナンス性の向上などによるオペレーションコスト低減への寄与について述べる。


DAQSTATIONのフィールドバス対応(PDF: 157KB / 4ページ)

  • 森 田 幹 彦 *1
  • 柿 原 要 *2
  • 服 部 仁 *2
  • 高 橋 雅 彦 *2

*1ネットワークソリューションセンタープロダクトマーケティング部
*2ネットワークソリューションセンター技術部

ペーパレスレコーダDAQSTATIONにフィールドバス通信機能を追加した。DAQSTATIONの特長である多チャネル計測とトレンド表示を活かすため,MAI (Multiple Analog Input),MAO(Multiple Analog Output)のファンクションブロックを実装し,DCS(Distributed Control System)を用いた大規模な計装から,単体の小規模監視システムまで広く応用が可能になると共に,情報ネットワークへの接続が容易に実現できるようになった。本稿ではその応用例を中心に述べる。


フィールドバス試験導入と今後の課題(PDF: 142KB / 4ページ)

  • 仁 保 勉 *1
  • 西 岡 靖 博 *2
  • 吉 田 一 夫 *2

*1産業ソリューション事業部技術部
*2三菱化学株式会社水島事業所

フィールドバスは,次世代のフィールド機器接続技術として期待されている。デジタル双方向通信,機能ブロック等の新技術の採用により,様々なメリットが考えられる。今回,我々はフィールドバスシステムをロータリーキルン式産業廃棄物処理設備(三菱化学株式会社水島事業所内菱陽ケミカル株式会社)に導入し,実証テストを行う事により,そのメリットの確認と具体的活用方法について検討した。
本稿では,導入システムの構成,試験内容,運用上の問題点および今後の課題について紹介する。


多変数最適予測制御パッケージ“Exasmoc”(PDF: 96KB / 6ページ)

  • 寺 島 伸 彦 *1
  • 高 津 春 雄 *1
  • 岡 田 賢 司 *2

*1シスPA情報部
*2テクノシステム九州株式会社

Exasmocは,SHELL OIL社が石油精製を中心とした豊富な経験と知識をベースに開発した多変数モデル予測制御アルゴリズムSMOC-IIを中核エンジンとするソフトウエアパッケージである。当社では,この高度なアルゴリズムに当社が得意とするPCS(Process Control System)のノウハウを組み合わせ,その操作監視機能とのシームレスな高度制御(Advanced Process Control)機能を実現した。
Exasmocの発売開始以来6ヶ月間での受注ジョブは国内外で既に10数システムに達し,その多くが既に稼動運転中である。当社DCSのほか他社DCSやPLCを通して,石油精製,石油化学などの分野で利用されており,現場より高い評価を得ることに成功している。


近赤外分光分析計InfraSpec NR800(PDF: 95KB / 4ページ)

  • 南 光 智 昭 *1
  • 関 行 裕 *1
  • 本 村 尚 道 *1

*1プロダクト事業部環境機器センター技術部

従来に比べ,高分解能(4cm-1)で長波長域(0.9~2.5μm)までの測定を可能としたFT(フーリエ変換)方式の近赤外分光分析計を開発した。新開発の二重平行板バネ方式のアクチュエータにより高分解能(4cm-1)を実現し,また,新開発のInGaAsフォトダイオードにより2.5μmまでの測定を可能とした。
近赤外分光分析計では,主に液体サンプルの近赤外領域のスペクトルと,測定したい物理量や性状値を関係づける検量線を作成することにより,スペクトルから直接所望の値を求めることができ,プラントの性状のモニターなどに大変有効である。高分解能,長波長域までの測定を可能とすることで,より高精度な測定が可能となった。


デジタル信号処理を適用した渦流量計“digitalYEWFLO”(PDF: 189KB / 4ページ)

  • 本 道 雅 則 *1
  • 和 田 正 巳 *1
  • 吉 岡 貴 *1
  • 安 藤 哲 男 *1

*1プロダクトフィールド機器センター技術1部

YEWFLOスタイルEを進化させた新渦流量計“digitalYEWFLO”を開発した。当社独自の信号処理であるSSP(Spectral Signal Processing)を搭載することにより,常に運転状況を監視して最適な測定条件へ自動調整を行い,安定した流量測定ができるようにした。また,信号処理回路のデジタル化によりゲートアレイを用いたコンパクトな変換器を設計した。更に渦発生体形状の見直しにより,精度を指示値の±1%から指示値の±0.75%(液体)に向上させた。本稿では,SSPの回路構成と信号処理アルゴリズムについて述べる。


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