横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

ムーン フォー アース

公開日:2023年9月14日

Moon for Earth: Co-crafting the future

荒涼とした宇宙の彼方に、私たちの未来を照らす光が見え始めています。人類はこれまで、未踏領域の開拓を進めることで新たな文化を獲得し、生存圏・経済圏を広げてきました。月面は空気、水、食料、電力などの人類が生きるための資源が限られた厳しい環境です。その環境で限られた資源を循環させ生活する技術は、人類が地球環境の改善および生活の豊かさを向上させる取り組みにも応用できるでしょう。月面での生活を見据えた技術の適用により月面環境と地上のライフラインが相似することで、地上での無駄なエネルギー消費が抑えられる未来。それが、私たちが目指す持続可能な未来です。ただし、月面開発を進めていくには大きな困難があります。それは月面には未知なるものがあまりにも多すぎるということです。

あらゆる現場では周辺環境がプラントに与える影響を可視化するための計測が求められます。まずは現場で何が起こっているかを認知すること。認知することが現象の理解を促し、理解しているからこその制御をもって、ありたい未来へ繋げることができます。1960年代初頭に横河電機が開発した電離層測定器は、それまで測ることが難しかった電離層の電子密度、電子温度、イオン密度を観測しました。これは宇宙空間の未知を既知に変えるさきがけの技術と言えるでしょう。近年では重力が細胞に与える影響分析に用いる研究機器の提供や、月面にあるとされる水資源の探査センサーなど、月面開発を実現された未来に変えるためのセンシング技術開発を進めています。過酷環境下でも工業プラントを止めずに動かしてきた当社の技術を同じく過酷環境となる宇宙空間での課題解決に振り向けることで、大きく社会貢献できる可能性を感じています。

space image

地球の環境問題に月面開発を紐づけることはなかなか難しいと思います。ですが想像してみてください。月面での水資源発掘が実現されると水の電気分解により水素と酸素を得ることができるためグリーン水素技術の発展に繋がり、発電をはじめとする月面の産業活用が進展します。資源が限られた月面での生活には、可能な限り資源を再利用することが求められます。宇宙環境で開発された革新的なリサイクル技術を地球に応用し廃棄物から貴重な資源を再生させる資源循環技術の実現は、地球環境の改善に繋がるでしょう。計測と制御を中心とした月面で生まれる先端技術は、改善された地球環境を次世代に引き継ぐために必要不可欠な技術と言えます。

宇宙空間の未知を既知に変えるセンシング技術は、地球と人類の持続性を切り開く課題解決に貢献します。1960年当時電離層測定器を設計・開発し、宇宙空間での観測実験を見届けた当社担当者はこんな言葉を残しています。「実験場に行ってからは、日曜も土曜もありません。夜も調整したり、打上げの待機だったり。夜遅いのは、日本で訓練していますので平気なつもりでしたが、ちょっとへばりました。何だか大げさになってきておどろいています。」未知なる世界を既知に変える技術がまた一つ新たな制御を可能にし、私たちの暮らしを豊かに変えていく。私たちが目指す持続可能な未来は、すぐそこまで来ています。

 

リンク

・YOKOGAWA×宇宙│座談会
https://www.yokogawa.co.jp/about/yokogawa/rd/inv_center/highlight_innovation-center/yokogawa_space/

 


トップ