横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

サーキュラー エコノミー フォー ゼロ ウェイスト

最終更新日:2023年2月10日

イノベーションセンターが描く循環型社会 “Circular Economy for Zero Waste”

circular economy

Circular Economyとは「資源循環」を主眼に置いたバリューチェーンによる経済活動のことです。現状は特定のリサイクル、リユース等の局所最適を図った資源循環の輪が形成されていますが、理想はバリューチェーン全体を見通した全体最適を図った循環の輪を形成し廃棄をゼロにする、つまり“Zero Waste”を実現することです。この理想を実現するために必要性を主張され始めているのがCircular Economyにおける「測る技術」です。これからは「捨てないを測る」ことで再資源プロセスを可視化し、捨てる・捨てないの解像度を高めることが「サーキュラーKPI」となり、共創により大きな循環型社会を実現できると考えています。
では、「捨てないを測る」とは具体的にどのようなことなのでしょうか?それは3つのコンセプトに大別できます。

 

1)「今捨てるべき?」を測る
1つ目は使用物の劣化度合を可視化することです。耐用年数を迎えたものの中に再利用が可能なものがありますが、劣化の状況は様々です。この劣化度合を測ることにより捨てる/捨てないの判断が可能となり再利用を促すことになります。例えば、プラントの交換膜やフィルター類も使用状況により交換が不要な状況もあります。また建築物の耐用年数も全体適用ではなく部材で検討するべきです。

2)「捨てない道のり」を測る
2つ目は再資源化への最適な過程を可視化することです。これは捨てられたものの中から再資源化ができる割合を測ることができればプラスチックリサイクルなどの再資源化プロセスにおいての収率向上に貢献することができます。また、廃棄物の組成を正しく計測できれば再資源化のエコシステムを構築して社会全体として全体最適な再資源化につなげていくことができます。

3)「実は捨ててなかった」を測る
3つ目は再生物の起源を可視化することです。原材料として使用するものの起源を測り食品エコスコアのようにポテンシャルを可視化することで、客観性の高い再生資源を判断可能にします。例えば、石油由来のメタンと再生メタンとを区別するためにカーボンインテンシティを測ることが挙げられます。どの原材料が循環型社会に向いているか、その判断基準を明確になります。食品のエコスコアのようにより良き再資源を増やす方向へ導くことが可能となるのです。

 

recycle

横河が実現したいことは、「捨てないを測る」ことによって再使用と再資源化を促し循環型社会の小さな輪を大きな輪につなぐことです。横河の「測る力」が循環型社会に向けた「サーキュラーKPI」を提供することで“Circular Economy for Zero Waste”実現に向けた共創を加速させていきます。

 

 

 


研究テーマ紹介

◇リサイクル化学向け適応物理モデル
プラスチック分野におけるCircular Economy実現には水平リサイクル※1であるケミカルリサイクルが必要です。日本国内ではリサイクルされるプラスチックは1割程度であり、また廃プラスチックの輸出が難しくなってきていることからプラスチックCircukar Economy関連のプロセスライセンス開発が盛んにおこなわれています。本研究テーマはケミカルリサイクルプロセスの解重合反応の可視化をターゲットとし、プロセスの物理モデルに統計モデルを組み合わせることでプロセスモデルの予測精度を向上させるものです。これによりリサイクルプロセスの省エネ化、歩留まり改善、収率向上などの価値を生み出すことで理想的なCircular Economy構築に貢献していきます。

 

◇メタネーション
メタネーションとは、二酸化炭素と水素を原料にしてメタンを生成する技術のことです。メタンは燃料として使われて二酸化炭素を排出しますが、それを再度メタネーションに取り込むことでカーボンリサイクルプロセスを構築します。本研究テーマはこのメタン生成速度を向上させて実用的なメタネーションサイクルの構築を目的としています。

※1水平リサイクル
PET樹脂の固有粘度を表すIV値に応じてプロセスを個別化し、モノマーに分解した上で再重合させるリサイクルプロセスのこと。特徴としては単一素材でなくてもリサイクル可能であることが挙げられる。

 

リンク

・「地球の物語の、つづきを話そう ~真に豊かに生きる循環型社会に向けた未来へのシナリオ~」
https://www.yokogawa.co.jp/special/planet/stories/a_future_scenario_for_circular_society/

・YOKOGAWAの考える未来シナリオ ~2035年の未来シナリオ 時を超えた旅~
https://www.yokogawa.co.jp/library/resources/white-papers/future-scenario-2035-a-journey-through-time/


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