Single Cellome Unit SU10は、ゲノム編集ツールなど目的の物質を、1細胞レベルで細胞質や核に直接デリバリーすることができます。各社の倒立光学顕微鏡に取り付けて使用します(SU10に光学顕微鏡は付属しません)。
SU10の特長
・1細胞レベルで細胞質や核へ直接デリバリー
・細胞へのダメージを最低限に抑えたデリバリー
・操作の自動化により高速・高効率のデリバリー
詳細
シングルセル向け自動ナノデリバリー SU10
1細胞レベルで細胞質や核へ直接デリバリー
- 顕微鏡で細胞を観察しながらデリバリー対象を選択し、狙った細胞の細胞質や核に直接デリバリーすることができます
- XY位置をジョイスティックにより直観的に操作し、デリバリーのZ位置はソフトウェアにより自動調整します
細胞へのダメージを最低限に抑えたデリバリー
- SU10で使用するナノピペットは先端外径が最小数十nmのガラスでできており、細胞へのダメージを最低限に抑えます
- 高い細胞生存率でデリバリー可能なため、生きた状態での1細胞解析が可能になります
ナノピペット先端部の電子顕微鏡観察像
操作の自動化により高速・高効率のデリバリー
- 細胞表面の検知、穿刺、注入のプロセスを自動化することにより細胞1個あたり約10秒、90%を超える成功率でデリバリー可能です(当社実験例)
- 従来ベテランの研究員が手動で行っていた操作がSU10で格段に簡単になりました
使用実績(細胞)
- 細胞株(HeLa、HEK293、CHO、MDCK、HepG2など)
- 初代培養細胞(神経細胞、肝実質細胞など)
- 幹細胞(iPS細胞、ES細胞など)
- 免疫細胞(T細胞、Ba/F3細胞など)
- 植物細胞(細胞壁あり)
使用実績(注入物質)
- CRISPR-Cas9(Cas9 RNP)
- タンパク質(抗体、GFPなど)
- 核酸(オリゴDNAなど)
- 蛍光試薬
アプリケーション例
Q&A集
Q1.マイクロインジェクションとの違いは?
A1.ガラスピペットの先端径が10分の1以下の細さのため、細胞へのダメージが抑えられます。
細胞表面の自動検知機能により、空振りや刺し過ぎを防ぎます。
注入動作は、空圧や油圧ではなく、電気的機構を利用します。
Q2.トランスフェクション試薬との違いは?
A2.特定の細胞のみにデリバリー可能です。
細胞質や核へ直接デリバリー可能です。
各細胞への導入量をソフトウェアで変更することが可能です。
Q3.エレクトロポレーションとの違いは?
A3.上記「トランスフェクション試薬との違い」に加えて、デリバリー時に細胞を懸濁する必要がありません。
Q4.注入量は?
A4.注入液量は、1 秒あたり数十fL(1fL=1×10-15L)と推定しています。
注入時間は、専用ソフトウェアで最小0.01秒から設定可能です。
※注入量は、溶質と溶媒によって変わる可能性があります。
Q5.ナノピペットは使い捨て?
A5.はい、消耗品です。ただし、1本のナノピペットで50細胞以上へのデリバリーが可能です。
※HeLa細胞を対象にした場合の当社実験例
Q6.必要な試薬量は?
A6.ナノピペットに充填する溶液量は5μL以上を推奨しております。
製品仕様
アクチュエータモジュール | 粗動作用(モータアクチュエータ) | ストローク:約50mm/軸(設定分解能 XYZ軸:0.625um) |
---|---|---|
微動作用(ピエゾアクチュエータ) | ストローク:100um/軸(設定分解能 XYZ軸:10nm、 穿刺と抜去のみ1nm) |
|
計測モジュール | 電圧発生範囲 | -10V~+10V(設定分解能:10mV) |
電流測定範囲 | -900nA~+900nA(電圧設定範囲±9Vにて) | |
電源仕様 | 消費電力(メインコントローラ+ピエゾコントローラ) | 100VA以下 |
電源電圧(メインコントローラ) | 100~120V/220~240VAC(切替不要) | |
電源電圧(ピエゾコントローラ) | 100~120V/220~240VAC(注文時に基本仕様で指定) | |
電源周波数(メインコントローラ+ピエゾコントローラ) | 50/60Hz | |
外形寸法 | メインコントローラ | 260(W) x 99(H) x 280(D) mm、約2.8kg |
ピエゾコントローラ | 236(W) x 88(H) x 273(D) mm、約4.6kg | |
アクチュエータモジュール | 270※(W) x 219(H) x 245※(D) mm、約2.2kg ※X軸とY軸が最大サイズ方向に移動した場合 |
|
計測モジュール | 85(W) x 30(H) x 43(D) mm、約0.1kg | |
ジョイスティック | 100(W) x 145(H) x 144(D) mm、約0.3kg | |
安全ガード | 130(W) x 230(H) x 287(D) mm、約0.7kg | |
ナノピペット先端外径(SU10ACC-NP01の場合) | 100nm以下(参考値) | |
動作環境 | 15~35℃、20~70%RH 結露なきこと | |
顕微鏡対応 | 各社倒立光学顕微鏡に取り付けて使用。お持ちの顕微鏡への取付可否については当社までお問い合わせください。 取付実績例:Olympus IX71、Olympus IX83、Nikon Ti2 |
関連情報
本アプリケーションノートでは、SU10を用いて初代培養細胞と幹細胞に蛍光試薬やプラスミドを注入した事例をご紹介します。
本アプリケーションノートでは、硬い細胞壁と高い膨圧を持つ植物細胞にSU10を用いて蛍光試薬を注入した事例をご紹介します。
本アプリケーションノートでは、SU10の特長とSU10によるゲノム編集ツール(Cas9 RNP)導入事例をご紹介します。
動画
計測や解析の技術の発展に貢献することで研究者の皆様の抱える課題を解決し、サイエンスに専念できる世界を実現します。
ニュース
-
プレスリリース 2021年12月1日 1細胞解析に革命をもたらす細胞内サンプリングシステム「SS2000」を開発
~ 特定の細胞や細胞内成分を自動で収集し、効率的な創薬研究を支援 ~
-
プレスリリース 2020年3月18日 バイオ研究分野向けに、Single Cellome Unit「SU10」開発・発売
~スマートセルインダストリーの実現に貢献~
本件に関する詳細などは下記よりお問い合わせください
お問い合わせ