横河電機は、高度な自動化および情報の可視化ソリューションを提供する広域分散監視 SCADAソフトウェアのリーディングカンパニーです。
当社のSCADAアプリケーションは、高性能、高可用性、幅広いスケーラビリティ、プラットフォーム独立性を兼ね備えており、システムの拡張、移行が容易で、システムのライフサイクル全体における総所有コスト(TCO)を最小限に抑え、投資収益率(ROI)を最大化することに貢献します。
広域分散監視 SCADAソフトウェア FAST/TOOLSには以下の特徴があります。
Linux, Unix およびWindowsを含む複数のオペレーティングシステムをサポートしています。 また、数多くの業界標準規格を採用しており、サードパーティ製品との接続も容易に行えます。幅広い互換性を備えており、経理、資産管理、ビッグデータ分析、情報、モデリング、最適化、シミュレーションなどのシステムとのシームレスな統合ができます。
オペレーティングシステム(OS)への依存が極めて限定的であり、製品のバージョンアップやOSの更新プログラムインストールなどが容易にできます。製品のバージョンアップ作業が簡単にできるようになっており、バージョンアップ時のダウンタイムを極力減らすことができます。
比較的低帯域の衛星ネットワークを使用した場合でも毎秒400,000データを処理できます。
アラーム、リアルタイムデータ、ヒストリカルデータ用の専用サーバを準備する必要もありません。
サーバあたり最大1,600万点、システムあたり4,096サーバ、ほぼ無制限のヒストリカルデータのアーカイブを扱えるように設計されています。システム拡張も容易にできます。
業界の最新コンセプトの、デシジョンサポート、アラーム管理(ISA 18.2)、オペレーションの視覚化(ISA 101)、制御室設計(ISO 11064)、および手順自動化(ISA 106)を搭載しています
アドバンスドオペレーティンググラフィックス(AOG: Advanced Operating Graphics)は、横河電機が提供するコンサルティングサービスです。オペレータのプラント状況の認識を改善するツールです。
より効果的なHMIでお客様をサポートするために、ISA-101の理念を採用したシンボルライブラリを開発しました。製造業、特にプロセス産業のための効果的なHMI作成と実装が容易にできるよう設計されています。 エンドユーザー、オートメーションサプライヤ、およびシステムインテグレータはこのライブラリを使用して、より効果的なHMIを作成できます。生産性の向上とより安全なオペレーション環境が実現します。 このライブラリを使用したテンプレートやオブジェクト指向の構造により、より効果的な高性能HMIを作成できます。
リアルタイムオペレーションプラットフォームはコアとなる機能で、幅広いソースからのデータ統合および情報を必要とする関係者との情報共有が容易にできるように設計されています。
FAST/TOOLSの基本機能は、Webベースのグラフィカルユーザインタフェース、データ取得、フィールド機器とのインタフェース、リアルタイムのイベント/アラーム管理、トレンド分析、リアルタイムおよびヒストリカルデータのレポートおよび保存関連の機能です。 インストーラ、設定ツール、データ管理システム、モジュール間通信のためのリアルタイムネットワークを内蔵しています。追加モジュールをプラグインとしてネットワーク層に追加することもできます。
FAST/TOOLSはエンタープライズオートメーションソリューション(Enterprise Automation Solution: EAS)を提供する分散型のシステム構成を構築することができます。複数のFAST/TOOLSサーバから構成され、任意のサーバの情報(現在値、アラーム情報、ヒストリカルデータなど)を他のサーバから直接参照することができます。
ユーザは企業内の他のサーバからの情報を参照することができます。 アラームオーバービューには、すべてのサーバから発生したアラームが表示されます。 トレンドには自サーバのデータだけではなく、他のサーバのヒストリカルデータを組み合わせて表示できます。すべてタグを一つのサーバに置く必要はなく、機能分散、負荷分散ができます。
FAST/TOOLSがワールドワイドに広く採用されている理由の一つに、多彩なエンジニアリング機能があげられます。
エンジニアリング環境は、Windowsのユーザインタフェースに合わせて作られており、直感的な操作ができます。また、Webブラウザが表示できる環境があれば、リモート環境にあるクライアント端末からでも、特別なプログラムをインストールすることなくエンジニアリングをすることができます。
リモートエンジニアリングとローカルエンジニアリングの両方が可能です。複数のエンジニアがエンジニアリングデータベースをローカル端末あるいはリモート端末から同時にエンジニアリングをすることができます。
長いプロセス階層名にも対応できるよう、最大128階層、最大255文字までのアイテム名(データ名)を作成できます。
(例) "Country.RegI/On.BusinessUnit.Area.SectI/On.Unit.……タグ(アイテム)"
たとえば、プロセスユニットレベルで油井を定義し、エリアレベルでは、そのエリアのすべての石油生産量を蓄積するアキュムレータを定義し、事業単位レベルでは、エリアレベルのアキュムレータのすべての石油生産量を累積するアキュムレータを定義するといった使い方ができます。
あらかじめ多数のシンボルが用意されています。 現在、3,000を超える工業用および製造用シンボルが標準として用意されており、ユーザ定義シンボルも作成できます。
グラフィックのシンボルに対して機能を持ったオブジェクトをリンクすることができます。機能オブジェクトを使用することにより、データレベルではないより高レベルなエンジニアリングを行うことができます。標準オブジェクトの変更や、新しいオブジェクトの作成も可能です。
全社規模のプロセス自動化ソリューションの要件により、増え続けるデータに意味を持たせるニーズが高まっています。 ツリー構造であらわされる「情報モデル」はプロセス階層を明確に定義することができます。オブジェクトインオブジェクトにより、この情報モデルを、その構造のままオブジェクトに置き換えることができます。テンプレートの再利用も簡単で、エンジニアリングコストが削減されます。
プラント機器(例えば、ブロックバルブ、ポンプ)は、機能を持つオブジェクトとして構築することができます。 定義されたオブジェクトは、各オブジェクトに固有のタグ名を割り当てることによって、アプリケーション全体で簡単に共有できます。 さらに、Microsoft Office のExcelを使用してアプリケーションデータベースを構築することもできます。大規模システムエンジニアリングでも効率よく行うことができます。
データやオブジェクトの変更または追加/削除を、システムの停止/再起動を伴わずにオンラインで行うことができます。 タグ、オブジェクト、シンボル、クラス、テンプレート、グラフィックなど、システム内のほとんどすべてのコンフィグレーションについてオンラインコンフィグレーションができます。
企業内の効率を高めるためには、事業部、専門家、および運営者の間のコラボレーションが不可欠で、これら全体でデータを迅速に共有し、分析し、有効に利用する必要があります。 FAST/TOOLSは、従来のSCADAのHMIを超える機能と柔軟性を備えており、このようなコラボレーションができるようになります。
HTML 5をサポートしており、モバイルデバイス(Webブラウザベース)を活用することができます。Webブラウザを使用したHMIグラフィックや診断結果やアラームを現場のデバイスに提供するアプリケーションなどを作成できます。
HMIは非常に柔軟で、人間工学や企業で規定されているガイドラインに基づいたグラフィックを自由に作成できます。ディスプレイレイアウト、グラフィックデザイン、レイヤー、カラーパレット、解像度など、自由に設定できます。非常に多くのグラフィック属性が設定可能となっています。ズーム/パンなどの操作機能も標準で用意されています。Webベースのグラフィックにより、ビデオウォールやモバイルタブレットにも対応できます。
1つのHMIディスプレイに複数のFAST/TOOLSノードからのデータを統合して表示することが可能です。たとえば、ある管理レベルで見たいデータだけを各ノードから集めてきて表示することができます。
CDSS(Collaboration Decision Support Solution) は、プロセスデータだけではなく、生産現場オペレーション全体のキーとなるさまざまなソースのデータをまとめて1画面に表示することができます。(石油)化学工場、電力プラントのような主要な生産設備と、それらのサブプロセスである、ユーティリティ、リアクター、タンクファーム、ローディング・オフローディング設備などの監視も容易にできます。
1システム内で複数のグラフィックレイヤーを使用できます。特定のレイヤーに対してユーザの権限を与えることも可能です。、セキュリティ設定、プロセスの状態、ズームレベルなどによって、レイヤーの表示オン/オフを切り替えることができます。論理的にグループ化した情報を、グループごとにレイヤーに割り付け、セキュリティ設定に応じて、レイヤー表示のオン/オフをすることにより、容易にセキュリティの向上を図るといった使い方もできます。
データやネットワークシステムなどの資産は、企業にとって大きな価値があり、 これらの資産を保護することは最優先事項で、常時対策が必要です。セキュリティ上の弱点の1つはユーザです。 適切な対策を怠ると、データやシステムネットワークに、ユーザが運用上、事業上の悪影響をおよぼすリスクがあります。
適切な権限を設定することで、ユーザが誤って自分の責任を超えて機器を操作したり、見てはいけないデータにアクセスしたりすることを防ぐことができます。表示のみの権限からシステム全体の設定ができる権限まで、さまざまな権限を各ユーザに割り当てることができます。
ユーザ管理の重要な要素は、セキュリティ、効率性、およびコンプライアンスの3つです。日常の業務効率を損なうことなく、企業や業界の標準や規制に準拠した役割を決定することができます。
ユーザ/役割管理機能では、役割ごとにプロファイルを作成することができます。
制御操作はシステムの動作に大きな影響を及ぼす可能性があります。 監査証跡機能を使用して、ログに記録されたすべてのユーザ操作を表示および参照できます。オペレータ名、変更を加えたプログラム、変更場所、および変更日時などの情報とともに格納する必要があるイベントを、ユーザ定義することもできます。
ディスプレイ上の操作をビデオ録画/再生する機能があります。ディスプレイの状態がそのまま記録されます。発生したアラームやイベント、プロセスデータ、トレンドデータと同期させてビデオ再生できます。
データは企業にとって最も価値のある資産の1つであり、確実に保管し、幅広く利用できるようにし、データの有用性を高めることが求められます。 FAST/TOOLSは、最適なパフォーマンスでそのコンテンツを守り、稼働時間を最大限に確保するための機能を備えています。
通信媒体や地理的距離、ハードウェアに関係なく冗長化構成をとることができます。2重/3重/4重化構成が構築できます。 ユーザは、アクティブおよびスタンバイサーバを割り当て、フェイルオーバシーケンスを定義し、自動モードと手動モードを切り替えることができます。
データはFAST/TOOLSサーバ間で常時同期されます。 内蔵のウォッチドッグにより、システムが健全かどうかをチェックされます。
フェイルオーバ/フォールバック機能は、制御環境において最適な冗長性を確保できるように設計されています。
データは、手動または自動で外部ストレージに保存できます。 CD/DVDライター、USBディスク、RAIDディスクアレイ、テープライブラリなど、オペレーティングシステム内のドライブにマップできるメディアであれば、ストレージとして使用できます。
システムライフタイム全体に渡るデータアーカイブをサポートしており、アプリケーションの要件に応じた期間のアーカイブが可能です。データはストレージに保存され、数時間、数週間、数年の期間のトレンド表示やヒストリカルアラーム表示に利用できます。関連データを他のユーザーアプリケーションに転送することもできます。
レベル2、レベル3のセキュリティ機能をサポートしているだけでなく、最新のセキュリティ機能にも対応しており、ISA-99に従うために必要なプロシージャもサポートしています。データの転送にSSL(Secure Sockets Layer)を使用(必要に応じてVPNと共に使用)することにより脆弱性を軽減しています。ユーザ認証については、Windowsユーザ認証プロセスおよびアカウント設定と同期することが可能です。シングルサインオン(SSO)に対応しています。
Active Directory連携機能により、Windowsドメイン内の複数のサーバにまたがるユーザと権限を設定する作業が軽減されます。ユーザが複数のアプリケーションを使用している場合に特に効果的です。権限と役割ベースのポリシーをシステム全体で統一することが容易となり、たとえば、フィールド環境とビジネス環境の統合にも役立ちます。
システム統合ソリューションにとってデータとシステムのセキュリティは、重要な項目の一つです。FAST/TOOLSサーバ間の通信は暗号化されています。HMIレベルでは、Webサーバのユーザ認証の標準的な方法であるSPNEGO(Simple and Protected GSS-APIネゴシエーションメカニズム)を使用しており、HTTPリクエストでシングルサインオン(SSO)がサポートされます。
多くの標準ドライバおよび標準通信規格をサポートしており、さまざまな他システムと統合することができます。
他のサーバ、アプリケーション、またはデバイスへの接続に任意の通信メディアを利用できます。 LAN/WAN、シリアル、ラジオ、マイクロ波、衛星、ファイバー、その他多くの通信がサポートされており、単一のFAST/TOOLS環境内で同時に使用することができます。
さまざまなDCS/PLC/RTUシステムおよびコントローラと直接通信することができます。 また、多くの横河製品、PLC、RTU、およびDCSのドライバをサポートしており統合が可能です。
さまざまなタイプのデータ収集が可能です。フィールドデバイスからのデータまたはプロセス値を、定周期スキャン、イベントベース(デバイスによって開始された)、時間ベースなど、さまざまなタイプで収集できます。
リモートゲートウェイステーション(RGS)により、FAST/TOOLSは、CENTUM、Prosafe-RS、サードパーティのコントローラ、PLC、RTUを統合することができます。
RGSは、HISやFCSと同様に、直接Vnet/IP接続し、FCS、SCS、UGSステーションと通信します。プロセス値や機能ブロックのデータにアクセスし、それらをFAST/TOOLSサーバのデータベースに反映します。アラームの検出と生成は、FAST/TOOLSサーバで行います。
OPC Foundationによって認定された、OPC UAクライアントとOPC UAサーバの両方のOPC統合アーキテクチャ(UA)環境を提供します。FAST/TOOLSのOPC UA環境は、相互運用性とパフォーマンスに関するOPC認定プログラムの要件を満たしています。従来のOPC DAとOPC A&Eもサポートしています。さらに、ネットワーク上の分散通信(DCOM)リンク用のOPCトネリングを引き続きサポートします。 OPCトンネリングにより、OPC通信のセキュリティ問題を回避した安全で堅牢なインタフェースが提供されます。
他のRDBMSとの統合のために、組み込みRDBMSエンジンを備えています。RDBMSエンジンには、外部データベースと同じマシン上で実行される「ディストリビュータ」モジュールが含まれています。これにより、マッピングされたテーブルへのODBCインタフェースが提供され、外部RDBMSで「リンクサーバー」テーブルとして使用できます。この方法では、ネイティブテーブルと同じ方法でこれらのテーブルのクエリとレポートが可能になるため、データの統合性が向上します。RDBMSエンジンは、データセットレコード、ヒストリカルデータ、および現在値の読み取りをサポートしています。RDBMSからFAST/TOOLSにデータを書き戻すこともできます。
レポートおよびトレンドにより情報を有効活用できます。
テーブルコンポーネントを使用して、過去のデータ、監査証跡、アイテム値などをHMI上に表形式で表示することができます。データを表形式で迅速に確認するこができます。
レポート機能では、さまざまな形式でデータをレポートにすることができます。ユーザのニーズに合わせてレポートを簡単に作成することができます。データは、企業内の複数のレベル間、さらにはサードパーティ製のアプリケーション、データベース、またはデバイスとの間でもやり取りできます。
トレンド機能では、リアルタイムおよび過去データのトレンド表示ができます。高速でスムーズなズーム、動的レイヤリング、3Dビュー、XYプロットなどさまざまな機能があります。
トレンドでは、ヒストリカルアラームステータスと同期する機能があります。トレンドディスプレイでアラームを含むヘアラインや、アラームやイベントが発生した時点のトレンドを表示させることができます。個々のアラームイベントをクリックすると、関連するトレンドでアラームが生成された時刻にヘアラインが移動します。ヒストリカルデータとリアルタイムデータでオンライン(シーケンス)イベント分析が容易にできます。
トレンド機能では「オフライン」状態(値がフィールドによって更新されたかどうか)を表示することができます。
トレンドでは、表示されているデータをCVS形式などでエクスポートすることができます。トレンド表示をJPGファイルにエクスポートすることもできます。この機能では、トレンドデータとタグ名、アラーム限界、工業単位、データステータスなどのパラメータが直接クリップボードにコピーされます。
FAST/TOOLSのアラーム管理機能は、アラーム管理に必要なさまざまな機能を統合して備えています。アラームを適切に管理・分析するため機能が備わっており、制御オペレーションとセキュリティが強化されるだけでなく、アラームシステムやオペレーションの効率をより詳細に分析することができます。
アラームをフィルタリングする機能があります。フィールド機器や設備など、エリアオブインタレストを定義し、ユーザまたはグループごと、デバイスまたは設備ごとにアラームを定義することで、ユーザが自分のエリア、役割、または責任に属するアラームのみを確認し、効率とセキュリティを向上することができます。
現在および過去のアラームからデータをフィルタリングしたレポートを生成できます。生成されたレポートはプリンタ出力や、CSVなどへのエクスポートが可能です。
アラームシステムのパフォーマンスを分析するための機能(ASPA)が備わっています。 ASPAは、アラームシステムの性能改善をサポートして、オペレータの負荷を軽減し、重大なアラームが見落とされて安全性と生産継続性および品質低下が起きるリスクを軽減します。
ASPAは、アラームシステムの品質と有効性を確保するためのEEMUA 191、ISA 18.2のガイドラインに準拠したパフォーマンス分析を行います。
アラームのルーティングにより、迅速で効率的なアラーム処理の可能です。たとえば、アラームの再ルーティング先の優先順位を決定するための時間設定のオプションなどがあります。エスカレーション手順やシフト計画などにルーティングを利用できます。
オペレータは、さまざまな状況で発生したアラームを適切に処理しなければなりません。アラーム管理機能は、オペレータが適切に処理できる機能を備えている必要があります。手動および自動アラーム確認、アラーム抑制、遅延、繰り返し、ブロック、シェルビングなどのアラーム制御ができます。
I/Oデータは、アラームステータス(HH、HI、LOなど)を持つことができます。各ステータスおよびI/Oデータのアラームの通知可否を設定できます。
アラームをグループ化することができ、グループ化することにより、アラーム確認がグループ全体に適用されるようになります。ユニット、エリア、フィールドデバイスでグループを構成するといった使い方ができます。描画オブジェクトにアラームグループを接続することができ、アラームグループの状態を視覚的表現できます。
全ての生産活動から得られる情報を解析・コントロールするとともに作業者の安全に配慮し原料品質、設備劣化、技術伝承、製造環境整備の課題解決を実現します。