横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

統合生産制御システム 「CENTUM VP」を機能強化

2024年4月9日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ Control and Safety Systemの中核製品の一つである、 統合生産制御システム「CENTUM™ VP(センタム・ブイピー)」の機能を強化した「CENTUM VP R6.11.10」を開発し、2024年5月31日から販売を開始しますのでお知らせします。
 当社は、産業用ネットワークの通信プロトコルであるPROFINET(プロフィネット)用に冗長化機能に対応した「CENTUM VP」の通信IOカードを開発することで、プラントの稼働率の向上を実現しました。さらに、統合アラーム管理サーバ(Unified Alarms and Conditions Server:UACS)とコンプレッサ制御のためのソリューション「CCC Inside™ for Yokogawa CENTUM VP」の機能を拡張することでプロジェクトコスト削減、またプラントの操業効率の向上を可能にしました。

開発の背景

 PROFINETは世界で最も普及している産業用ネットワークの通信プロトコルの一つであり、Ethernetベースでリアルタイム性に優れているという特長があります。当社は2019年にPROFINETに対応した通信IOカードを開発しました。これにより「CENTUM VP」からのPROFINET対応機器の操作監視が可能になりましたが、お客様のプラントではより信頼性・稼働率を向上させたいというニーズがあります。そこで、お客様のニーズに応えられるよう、冗長化機能に対応した新しいPROFINET通信IOカードを開発することで、高い信頼性、高い稼働率を実現しました。
 また、CENTUM VPの導入によって、プラントの操業効率・エンジニアリング効率を向上させるため、統合アラーム管理サーバ(UACS)とコンプレッサ制御を実現するソリューション「CCC Inside™ for Yokogawa CENTUM VP」の機能を強化しました。

製品の特長

  1. PROFINET通信IOカードの冗長化対応により、信頼性と稼働率のより一層の向上を実現
     S2※1冗長化機能を追加したPROFINET通信IOカードを開発することで、IOカードが冗長化構成をとることが可能になり、プラント稼働率のより一層の向上を実現しました。さらに、このS2冗長化機能のサポート、およびネットワーク診断機能の強化などにより、PROFINET の機能を定義するConformance Classes※2 B (CC-B)認証を取得しました。CC-Bを取得することは、プロセス制御の分野で重要な要素とされているシステムの冗長性が第三者機関から認められたことを意味します。また、PA Profile※3 4.0対応の機器がもつNAMUR NE107※4準拠の自己診断情報をサポートしたことで、モーターの動力電源を集中して制御する動力盤(モーターコントロールセンター)に加え、リモート I/O、Ethernet-APL(APL: Advance Physical Layer)対応機器の操作監視も可能になり、一つの生産制御システムで制御できる範囲の拡大を実現しました。

統合生産制御システム 「CENTUM VP」PROFINETのシステム構成
統合生産制御システム 「CENTUM VP」PROFINETのシステム構成
拡大

  1. NAMUR NA102対応したアラーム管理でプラントの操業効率改善
     UACSにて特定のアラームを抑制した際に、操作監視ステーション(Human Interface Station: HIS)のグラフィックビュー上に、抑制状態を表示することができるようになりました。これにより、NAMUR NA102※4に対応したアラーム管理を実現でき、プラント全体の操業効率改善を可能にします。
  2. プロセス制御システムとコンプレッサ制御システムとのシームレスな統合を強化
     プロセス制御システムとコンプレッサ制御システムを、一つのCENTUM VPプロジェクトデータベース上で統合してエンジニアリングすることが可能になりました。さらに、プロセス制御システムとコンプレッサ制御システムを同一ドメインのVnet/IP※5制御ネットワークに接続できるようにしました。これにより、よりシームレスにシステム統合することが可能になり、プロジェクトコストやメンテナンスコストの低減に貢献します。

※1 S2冗長化:PROFINETで定義されている二重化方式の1つです。1つのPROFINET IO-Deviceに対して、2つのPROFINET IO ControllerとのApplication Relation (AR)を構築します(Primary ARとBackup AR)。
※2 Conformance Classes:PROFINETデバイスが持つ機能の範囲を定義するもので段階的に CC-A、CC-B、CC-C、3つクラスがあります。
※3 PA Profile: PROFIBUS and PROFINET Internationalが定義しているPROFIBUSやPROFINET用の機器で使用されるアプリケーションプロファイルです。
※4 NAMUR:ドイツのプロセスオートメーションのユーザ団体です;NE107:フィールド機器の自己診断機能の仕様です;NA102:プロセス制御システム内のアラーム管理を設計する手順の規定です。
※5: Vnet/IP:YOKOGAWAが開発した、高信頼性と即応性を両立させた制御ネットワークで、プロセス産業用の通信規格として国際標準IEC61784-2に準拠しています。

主な市場

石油精製、石油化学、化学、電力、ガス、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼、上下水道、非鉄、金属、セメントなど

主な用途

プラントの運転監視と自動制御

OpreXとは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control、OpreX Measurement、OpreX Execution、OpreX Lifecycleの5つのカテゴリーから成り立ち、CENTUM VPはOpreX Controlの製品・ソリューション群の一つであるOpreX Control and Safety Systemに属しています。OpreX Controlは、お客様の経営、操業、業務の変革に迅速に対応し、高効率、高品質、安全で安定した操業基盤を支える高信頼の制御テクノロジーを意味します。
 YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。

以上

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