横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

【横河ソリューションサービス】浄・配水施設の運転支援とシミュレータを活用した人材育成手法について大阪市水道局と共同研究を開始

2022年3月18日発表

 横河ソリューションサービス株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:八橋 弘昌)は、大阪市水道局とともに「シミュレータとAI技術を活用した運転支援及び人材育成手法に関する共同研究」を2022年2月から開始しましたのでお知らせします。
 浄配水施設において、YOKOGAWAのシミュレーションとAIの技術によって得られる違和感検知、運転支援、部分的な自律化の効果の検証と評価を行います。またシミュレータを用いた効果的な人材育成手法の確立を目指します。

 大阪市水道局では、事故発生などに対する即応性の向上を目指し、浄配水施設の運転監視を一元化できる集中管理体制の構築に取り組んできました。しかし、集中管理はより高度なスキルが運転員に求められます。そのため、異常の早期検知など運転員への支援がより効果的なシステムの構築、運転員一人ひとりのスキルを早期に高める育成手法の確立が必要になっています。

 今回開始した共同研究では、YOKOGAWAのシミュレーション技術と、実際のプロセスデータ、分析データ、原水の解析データ、設備情報などを用いて、デジタルツインと呼ばれる仮想プラントを構築します。このデジタルツインと実際のプラントのデータとの比較を行い、シミュレーションの精度を高め、実際のトラブル発生時などに連動して事前にAIによって違和感の検知ができるかを検証します。さらに違和感検知後の重要指標の予測や適切な運転指示ができるか、部分的な自律化が可能かを検証していきます。
 また、シミュレータに搭載されているインストラクター機能を用いた効果的な人材育成手法の確立にも取り組みます。これらの共同研究を2024年3月末まで行います。

シミュレーションとAIの技術を活用した実運用のイメージ
シミュレーションとAIの技術を活用した実運用のイメージ
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 これにより、オペレーションの負担軽減、最適操業、リスク回避などの運転支援および、シミュレータを用いたセルフ訓練および自動評価、非常時の対応の訓練環境などの構築を模索していきます。大阪市水道局とともに最適な浄配水施設の操業モデルを構築していきます。
 また、浄配水施設の部分的な自律化を検証することで、YOKOGAWAが「IA2IA(Industrial Automation to Industrial Autonomy)」と呼ぶ、産業における自動化から自律化への道のりを開拓していきます。

 YOKOGAWAは、これらの成果とこれまでの上下水道における豊富な実績とノウハウによって、水道業界が抱える設備の老朽化、収益性の悪化、技術者の減少などの課題解決に貢献していきます。

※デジタルツイン
実世界で収集したさまざまなデータの統計的分析やデータ解析により実世界の状況を再現したモデル(デジタル上の双子)のこと。

使用するYOKOGAWAの技術・製品

  • ダイナミックシミュレーター技術および教育・運転訓練技術:統合ダイナミックシミュレーション環境「OmegaLand(オメガランド)」、オンラインプラントシミュレータ「ミラープラント」
  • AI技術
  • 運転支援技術:品質安定化システム「Digital Plant Operation Intelligence (DPI)」および運転効率向上支援パッケージ「Exapilot(エグザパイロット)」
  • 原水解析技術:フローイメージング顕微鏡「FlowCam8000」

以上

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関連業種

  • ライフライン・上下水道

    我が国において、少子高齢化はさらに進行し、東日本大震災の発生や大規模災害発生リスクの増大、エネルギーの逼迫、インフラの老朽化、国・地方公共団体等における行財政の逼迫等、社会資本や経済、行財政に対する視点が大きく変化してきています。国際的にも、人口増加やアジア諸国等における都市化の急激な進展によりライフラインのインフラ需要が急増するなど、国内外の社会・経済情勢が激変しています。私たちにとって望ましい水道とは、時代や環境の変化に的確に対応しつつ、水質基準に適合した水が、必要な量、いつでも実現するためには、水道水の安全の確保、確実な給水の確保、供給体制の持続性の確保の3つが必要です。 YOKOGAWAは、「計測と制御と情報により持続可能な社会の実現に貢献する」のもとに水道事業に取り組んできました。これからも更にIndustrial IoTの最新技術と新たな運用アイディアを組み合わせ、水環境の未来に責任を果たしていきます。

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