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【横河計測】統合計測ソフトウェアプラットフォーム「IS8000」を開発・発売

2021年2月8日発表

 横河計測株式会社(本社:東京都八王子市 代表取締役社長:山崎 正晴)は、複数の異なる測定器の制御、計測、データ収集、レポート作成を行える統合計測ソフトウェアプラットフォーム「IS8000」シリーズを開発、2月9日に発売しますのでお知らせします。
 本製品は、これまで測定器ごとに用意されていたソフトウェアを統合し、測定器の接続からレポート作成までのトータルの測定業務を支援することで、お客様の開発効率向上に貢献 します。当社測定器の操作やデータ収集だけでなく、他社製の高速度カメラやRAMモニターなどの機器にも接続が可能となります。各機器の測定を同期させ、データの時間相関を維持することで、複数の機器を用いた同期統合計測という新しい付加価値を提供します。
 これにより、モーター、インバータ開発などで行われるパワーアナライザによる電力測定と高速データロガーによる多チャンネルアナログ信号測定の同期を可能にします。当社は、本製品をパワーアナライザや同時発売のスコープコーダ「DL950」などの製品とともにトータルソリューションとして提供し、お客様の製品開発の効率向上を支援していきます。

開発の背景

 当社は、これまでパワーアナライザやスコープコーダなどの各測定器に特化した、1台の測定器で完結できる業務に適したソフトウェアを開発してきました。しかし近年は、お客様の製品開発評価のワークフローが複雑化し、複数の測定器の使い分けや同時使用の場面が増えています。測定器ごとにソフトウェアも使い分けることで作業が煩雑になり、また同時に測定したデータであっても異なる測定器によって別々に収集されたものを正しく比較することは困難でした。
 そのため、当社はこのような課題を解決するべく、統合計測、同期計測環境を実現する「IS8000」シリーズを開発しました。複数の機器に対して同じユーザインタフェースで計測と制御が行え、同期計測によってそれらの機器を1つのシステムとして扱えることで、お客様の業務や開発の効率が向上するとともに、これまで困難であった電気信号と映像といった性質の異なるデータの融合により、新しい計測環境を実現します。

製品の特長

  1. スコープコーダ「DL950」の機能を強化し、データ解析しやすい作業環境を実現
     「IS8000」シリーズは、同時発売のスコープコーダ「DL950」のもつ豊富な機能をさらに強化します。
     DL950の10ギガビットイーサネット高速ストリーミング機能と組み合わせると最高10メガサンプリング/秒(MS/s)の速度でデータの記録が可能で、PCによるデータの収集、表示、記録を実現します。離れた場所で大画面モニターを使った計測中のデータの確認や、保存済みの測定データとの比較ができます。長時間の測定や繰り返し同じ測定をする発電設備のフィールドテストや自動車の性能評価などを円滑に行えます。
     また、別々に取得し記録した測定データを同一の時間軸上で並べて表示して比較することができます。波形の部分的に拡大表示する箇所を4つまで指定することができます。このような表示形態によってデータ解析が容易になります。
  2. さまざまな計測器の統合計測で各データの相関を可視化
     当社製品のスコープコーダ、パワーアナライザ、オシロスコープの設定、モニタリング、測定データの合成、比較解析、レポート出力の他に、自動車開発などで使われる他社製品の高速度カメラやRAMモニターなど複数の機器を組み合わせた同期計測が可能です。例えば、スコープコーダDL950とパワーアナライザWT5000を用いると波形データと電力値の高精度時刻同期が実現します。スコープコーダと高速度カメラを連携させると電気信号波形と映像を同期させることができます。
     これらのように、異なる機器から取得したデータの相関が維持され、1つのソフトウェアで統合的にデータを扱うため、実際には1台の測定器だけでは観測できない複雑な現象の解析が行えます。

同期が可能なパワーアナライザWT5000(左上)、スコープコーダDL950(右上)、高速度カメラ(左下)、RAMモニター(右下)とIS8000(中央)
同期が可能なパワーアナライザWT5000(左上)、スコープコーダDL950(右上)、高速度カメラ(左下)、RAMモニター(右下)とIS8000(中央)
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  1. 測定から解析、レポート出力までの測定業務全体を支援
     さまざまな測定器に対して1つのソフトウェア上で測定からデータ収集・解析、レポート出力までの作業を行えるため、お客様のテスト時間の大幅短縮による開発効率の向上に貢献します。データ解析では波形の拡大、演算などに加え、異なる機器で測定した波形データを同じ時間軸上に表示することができ、レポート作成時にはそれらの測定データを簡単なマウス操作でレポートに貼り付けることができます。
  2. 利用方法とPCのライセンス登録に柔軟性をもたせることで多様なニーズに対応
     本製品の各機能を有効にするライセンスの利用方法として、買い切りモデルと1年のサブスクリプションモデルの2種類を用意しました。お客様の利用期間に応じて有効期限付きのライセンスを購入できる選択肢を用意することで利便性を高めました。
     また、本製品は1ライセンスで2台のPCまで同時利用が可能です。PCのライセンス登録はインターネット経由で変更が可能で、買い替えなどでPCを変更する場合も継続して使用できます。

主な市場

  • EV、ハイブリッド車市場
  • 電子デバイス、電源、インバータなどパワーエレクトロニクス市場
  • 家電、空調機器などエレクトロニクス市場
  • 産業用機器などのメカトロニクス市場

用途

  • 製品設計段階や最終試験段階における、電力利用効率の評価試験
  • カーエレクトロニクスにおける、車載LAN規格対応のバス信号、各種アナログ信号の評価およびRAM値の同期測定
  • 組み込み機器ファームウェア開発やデバッグ
  • センサ等のアナログ電気信号と高速度カメラ映像の同期測定
  • 通信などの高速信号と比較的変化の少ないメカトロニクス系信号の同期測定・評価

以上

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