横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

バイオマス先端技術を持つスイスのスタートアップ企業 Bloom Biorenewablesに出資し、同社と業務提携契約を締結

2020年8月20日発表

横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、バイオマスの活用に注力するスタートアップ企業Bloom Biorenewables SA(ブルームバイオリニューアブルズ 本社:スイス、マルリー CEO:Dr. Remy Buser 以下、Bloom)との間で、同社への出資およびバイオエコノミー分野における業務提携に関する契約を締結しましたのでお知らせします。両社は、さまざまな化学製品において石油化学品に代わる成分リグニンを植物原料から最大限抽出できるBloomの先端技術の商業化に共同で取り組みます。

当社とBloomは、バイオマスやバイオテクノロジーを活用して、天然資源枯渇や気候変動といった地球規模の課題を解決し、長期的に持続可能な成長を目指すバイオエコノミーの推進に向けて取り組んでいます。工業生産プロセスの自動化に関する当社の先端技術およびノウハウとBloomのリグニン抽出技術を融合し、グローバルに展開する当社の販売網を活用していきます。

Bloomは、EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)から独立して、2019年1月に設立されました。同社は、バイオマスを石油の代替品にするというミッションの実現に向け、木材などのバイオマス材料からリグニン(特にモノリグノール)を従来の方法よりもはるかに効率的に抽出できる最新技術の商業化に注力しています。現在は、商業規模のパイロットプラントで同技術を実現することを目指しています。

Bloom CEOのRemy Buser博士は、次のように述べています。「この新しいコラボレーションは、工業産業との連携強化、当社のグローバル展開の推進、そして市場参入の加速につながります。これらはすべて気候変動問題の解決に大きな影響を与えるための重要なファクターです」。

横河電機 常務執行役員マーケティング本部長の阿部剛士は次のように述べています。「当社は事業を通じて国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献することを目指しており、バイオエコノミーを当社の長期事業構想の重点分野に位置付けています。長期的に見ると、リグニンは石油代替品となる大きな潜在性を秘めています。Bloomの高い技術力と当社の産業分野における長年にわたる経験が融合することで、バイオマス活用の普及につながると期待しています」。

※ リグニンは樹木などのバイオマスに豊富に含まれており、セルロースやヘミセルロースと結合して植物の細胞壁を形成する主成分の一つです。リグニンは、モノリグノールと呼ばれるフェノール類によって形成されています。フェノール類は現在主に石油から合成され、多くの化学製品、医薬品、機能性化学品(インクや香料など)の主原料として使用されています。リグニンを石油化学製品の代替品として使用するためには、リグニンをモノリグノールに分解する必要があります。しかし、リグニンは多様かつ複雑な分子構造を持つため、これを商業規模で行うのは困難とされています。

Bloom Biorenewables SAの概要

  • 所在地:スイス、マルリー
  • CEO:Dr. Remy Buser(レミ ブサー)
  • 設立:2019年1月
  • 事業内容:リグニンから抽出した化学原料の製造および販売、技術ライセンス供与

以上

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