横河電機株式会社
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宇宙実験用に共焦点スキャナユニット「CSU-W1」が国際宇宙ステーション(ISS)に到着

2020年6月5日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、5月26日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機により、当社の共焦点スキャナユニット「CSU-W1」を搭載した共焦点顕微鏡システム「COSMIC(コズミック)」が、国際宇宙ステーション(ISS)に搬入されましたのでお知らせします。「COSMIC」は、千代田化工建設株式会社が開発した共焦点顕微鏡システムで、ISSの日本実験棟「きぼう」に設置され、今年秋からの生命科学分野の実験に活用されます。

 ISSは、地上約400km上空に建設された、人類史上最大の宇宙施設です。ISS内部の重力は地上の100万分の1で、各種の宇宙放射線が降り注ぎ、周りには大気がほとんどありません。この環境を利用して、科学・技術をより一層進歩させ地上の生活や産業に役立てることを目的に、宇宙での実験・研究や地球・天体の観測などが行われています。日本実験棟「きぼう」は、日本初の有人実験施設で、ISSの中で最大の実験モジュールです。「COSMIC」により、地上では実現できない宇宙の微小重力環境における高度なライブセルイメージングが可能となり、基礎生命科学や細胞医療への貢献が期待されます。

 当社の「CSU-W1」は、顕微鏡と組み合わせることで、生きた細胞内のたんぱく質の動きや生理反応のリアルタイム観察を可能にするユニットで、生物学、医学、薬学、農学、創薬研究など細胞を扱う研究分野でグローバルに活用されています。「CSU」シリーズは、納入累積台数3,000台を超え、ライフサイエンス分野では欠かせない観察ツールとしての地位を確立しています。当社は計画当初から千代田化工建設株式会社、JAXAと「COSMIC」の開発に携わってきました。今秋から「きぼう」において、「COSMIC」を活用し、微小重力下での立体臓器創出などを目指した生命科学分野の宇宙実験が行われる予定です。

 横河電機執行役員ライフイノベーション事業本部長の中尾 寛は、次のように述べています。「今回当社は、「きぼう」を運営するJAXAでの千代田化工建設株式会社によるCOSMICの開発にも協力できたことを誇りに思っています。当社は2050年に向けたサステナビリティ目標「Three goals」を掲げ、その一つとしてWell-beingの実現に取り組んでいます。地上の生活や産業に役立てることを目的とした宇宙実験に当社の「CSU-W1」が活用されたことを弾みに、今後も当社はお客様とともに新しい価値を共創し、生命科学分野の発展に貢献していきます」。

共焦点スキャナユニット「CSU-W1」
共焦点スキャナユニット「CSU-W1」
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共焦点顕微鏡システム「COSMIC」©JAXA
共焦点顕微鏡システム「COSMIC」©JAXA
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国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」©JAXA/NASA
国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」©JAXA/NASA
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以上

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