2020年1月7日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ Asset Operations and Optimization のラインアップとして、機能強化を図ったプラント情報管理システム「Exaquantum™(エグザカンタム)R3.20」を開発、本日より販売を開始しますのでお知らせします。「Exaquantum」は、大量のプラントデータを収集し、付加価値の高い有益な情報に変換することにより、プロセス業界のお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援するソフトウエアパッケージです。「Exaquantum R3.20」では、OPC Unified Architecture(UA)の対応を強化し、業務システムやデータ分析ツールとのより効率的でセキュアなコミュニケーションを実現することで、プラントの操業改善に寄与します。
Exaquantum 画面例
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開発の背景
デジタルトランスフォーメーションを実現し、業務改善に向けた取り組みを推進するためには、業務状況をより詳細に把握し、企業全体で情報サイロを取り除く必要があります。プロセス業界では、センサやスマートデバイスの普及によりプラントの高度化、情報化が進み、デジタル化されたプラントデータの量は増える一方です。こうしたデータを収集、統合、構造化し、分析や意思決定に利用可能な形にするために、プラント情報管理システム(PIMS:Plant Information Management System)が必要とされています。
この大量のプラントデータは、他の業務システムやツールで活用される機会が増えてきていますので、PIMSから標準化されたフォーマットで効率的にデータの受け渡しをする必要があります。プラントデータはプラントの作業員に限らず、経営、研究、物流、購買などといったさまざまな役割の部署で利用されるため、収集されたプラントデータはそれぞれの企業のIT規定に準ずるPC環境で使用できる必要があります。標準化されたプラントデータをより幅広く利用できるようにすることで、情報のサイロ化を回避し、より価値のある情報を創出することができるようになります。
機能強化の概要
- OPC UAの対応を強化
プラットフォームに依存せず、セキュアな通信アーキテクチャを利用するために、データ交換の標準規格であるOPC UA※に対応した産業オートメーション向けシステムやデバイスが増えています。これらのシステムやデバイスからの情報を利用するため、「Exaquantum R3.20」ではOPC UAへの対応を強化しました。この機能強化により、センサや複雑なシステム、業務アプリケーションなどの重層的な資産からセキュアにデータを収集できるようになりました。
※OPC Unified Architecture(UA):OPC は産業オートメーション分野やその他業界における、安全で信頼性あるデータ交換を目的とした相互運用を行うための標準規格。OPC UAは、ハードウエアやOSに依存せず、高いセキュリティと拡張性をもち、Industry 4.0の基盤となる通信規格とされる。 - データ解析要件への対応
収集した大量のプラントデータは、「Exaquantum」に組み込まれたツールやアプリケーションを用いて解析することができます。また、「Exaquantum」は、業務改善サイクルを実行し、品質改善を図るために使用できる最新のビジネスインテリジェンスプラットフォームや分析プラットフォームにデータを提供する、セキュアで効率的なインターフェースでもあります。「Exaquantum R3.20」ではデータ解析のニーズの高まりとデータ量の増加に対応するため、Excel Add-Inのクライアント機能の強化を図り、一度に取り出すデータサイズを16倍程度に拡大して、Excelを使った解析をしやすくしました。また、CSV形式ファイル出力時の操作性を向上させ、他の業務システムやツールとの連携を容易にしました。 - 最新のOSやITソフトウエアに対応
PIMSがお客様の社内IT環境で確実に運用できるよう、「Exaquantum R3.20」は新たにマイクロソフトのソフトウエアOffice 365、Microsoft SQL Server 2014 SP3に対応するとともに、Exaquantumのクライアント機能がWindows 10 Pro/Enterprise SAC上で動作するように機能強化を図って対応しています。また、当社の統合生産制御システム「CENTUM VP R6.07」とOPCインターフェースパッケージ「Exaopc R3.78」(いずれも最新レビジョン)に対応しセキュリティの強化を図っています。
主な市場
石油・天然ガス、石油化学、化学、鉄鋼、電力、紙パルプ、水処理など製造業全般
用途
- プラントにおけるプロセスデータのリアルタイムでのデータベース化
- 蓄積したデータ同士の演算等による加工
- 収集データのグラフィック、トレンドチャート形式 、スプレッドシートなどによる表示
「Exaquantum」について
「Exaquantum」は、幅広い分野に適用できるプラント情報管理システムです。制御システムが持つ大量のデータは、操業効率向上、品質改善、安全性の向上など、経営判断に欠くことのできない重要な操業情報です。「Exaquantum」は、制御システムのデータを収集・加工・保存し、操業管理や操業解析などのMES(Manufacturing Execution System)領域の業務アプリケーションに提供します。「Exaquantum」は、プラント操業・運転の観点からだけでなくビジネス・経営の観点からデータ解析を行える環境を提供し、現場レベルから経営レベルまでの情報の流れをスムーズにし、リアルタイム経営を実現します。
当社は、今後もプラント操業改善のためのソリューション提案に向け、「Exaquantum」の利便性等を向上することで、お客様と新しい価値を共創し、CENTUM™ VPやProSafe™-RSなど他の当社システムと併せてソリューションビジネスの拡大につなげていきます。
OpreXとは
OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control、OpreX Measurement、OpreX Execution、OpreX Lifecycleの5つのカテゴリーから成り立ち、「Exaquantum」はOpreX Transformationの製品・ソリューション群の一つであるOpreX Asset Operations and Optimizationに属しています。OpreX Transformationは、企業活動全体を俯瞰し、生産からサプライチェーン、リスク管理や経営までの領域を含む卓越したオペレーションを実現する包括的ソリューションを意味します。
YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。
以上
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