【国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構/横河電機/日本総合研究所/東京電力ホールディングス】中国広東省でエネルギーマネジメントシステム導入による省エネ実証事業を開始 ―システムを連携した高度なデマンドレスポンスの実現可能性を検証―

2017年12月25日発表

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
横河電機株式会社
株式会社日本総合研究所
東京電力ホールディングス株式会社

 NEDOと横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)、株式会社日本総合研究所、東京電力ホールディングス株式会社は、中国広東省のアルミ製品と紡績の2工場で、一部既存設備を省エネ設備に更新するとともに、エネルギー需給を高度に制御し、生産効率を高めながら大幅な省エネを実現するエネルギーマネジメントシステム(EMS)※1を導入、その有効性を検証する実証事業を開始しました。

 さらに、2工場のEMSを連携して、各工場の生産効率の最適化を目的とした高度なデマンドレスポンスの実現可能性を検証します。

 本事業の開始にあたり、12月24日に開催された「第11回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」で、すでに締結した調印文書の交換や事業概要のパネル展示を実施しました。

1.概要

 近年、中国はエネルギー消費量が世界第1位となり、国家発展改革委員会は国家政策として広東省をはじめとする中国各省に対し、エネルギー多消費産業(石油化学・製紙・紡績などの重化学産業、電機・自動車などの製造業、病院などの業務用ビル)を対象に、高い省エネルギー目標を課しています。

 NEDOは、日本が強みを有するエネルギー技術・システムを対象に、相手国政府・公的機関などとの協力の下、海外の環境下における有効性を実証し、民間企業による普及につなげることを目的とした実証事業に取り組んできました。

 このような背景の下、NEDOと横河電機株式会社、株式会社日本総合研究所、東京電力ホールディングス株式会社は、中国広東省のアルミ製品と紡績の2工場に対して、一部既存設備を省エネルギー設備に更新するとともに、電力・蒸気などのエネルギーの需給を高度に制御し、製品の生産効率を高めながら大幅な省エネルギーを実現するためのエネルギーマネジメントシステム(EMS)※1を導入、その有効性を検証する実証事業を開始しました。さらに今後、中国でも実施される予定の電力需給調整に対して、2工場のEMSを連携し、各工場の生産効率の最適化を目的とした高度なデマンドレスポンス※2の実現可能性をシミュレーションにより検証します。

 今年度事業の中で、NEDOは、実施サイトの事前詳細調査に係る業務を6月までに終了し、9月29日に国家発展改革委員会と基本協定書(MOU)を、また、横河電機株式会社と株式会社日本総合研究所、東京電力ホールディングス株式会社は、実施サイトの互太(番禺)紡織印染有限公司と広東華昌鋁廠有限公司、複数の実施サイトの取りまとめを行う南方電網総合能源有限公司との間で協定付属書(ID)を締結しました。

 なお、NEDOおよび委託先3社は、12月24日(日)に東京で開催された「第11回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」において、すでに締結した調印文書の交換や本事業の概要のパネル展示を実施しました。

2.実証の内容

 本実証では、中国広東省のアルミ製品工場と紡績工場において以下を実証・検証します。

  1. エネルギー供給改善、生産プロセスの歩留まり向上等を統合的に実現するEMSの構築と、既存設備の更新を行い、その有効性を実証します。
    (1)発電機、蒸気発生器などの運用効率を最大化するエネルギー供給改善
    (2)生産工程のエネルギー消費分析により生産効率を最大化する生産プロセス改善
    (3)高性能ヒートポンプなど高効率な省エネルギー機器への設備改善

    図1 システム概要
    図1 システム概要

  2. 中国南方電網有限公司(送配電会社)などから工場に対する電力需給調整の要求が発動されることを想定し、各工場に導入されたEMSによって、2工場に対する要求を集約(アグリゲート)し、全体のエネルギー効率を最適化した計画を策定します。これを基に、各工場の生産効率の低下を最小限に留めたデマンドレスポンスが実現可能であることをシミュレーションにより検証します。

3.実証体制について

 今回の実証では、日本の高度なEMSが、中国においても有効に稼働することを実証するだけでなく、日本の先進技術のショーケースとなることを目指して、横河電機株式会社が、EMSによる発電設備や蒸気発生器などの効率的な運用や継続的な省エネルギー化活動を、株式会社日本総合研究所が、EMSによる工場内のエネルギー消費分析に基づく従来にない生産プロセス、生産効率の改善を、東京電力ホールディングス株式会社が、機器のエネルギー消費の分析による工場ごとの適切な設備更新を、主な取り組みとして、3社の技術を融合して実施していきます。

図2 本実証事業の実施体制図
図2 本実証事業の実施体制図

4.日中省エネルギー・環境総合フォーラムに参加

 12月24日(日)に開催された「第11回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」にて、本実証事業ですでに締結した調印文書の交換を実施し、本実証事業の概要についてパネル展示を行い、日中双方の来場者に広くアピールしました。

 さらに、NEDOと国家発展改革委員会は、これまでの協力の枠組みを深化させ、人的交流、技術交流を強化するための覚書を締結しました。

 なお、日本側からは、NEDO、横河電機株式会社、株式会社日本総合研究所、東京電力ホールディングス株式会社の代表者、中国側からは、国家発展改革委員会と南方電網総合能源有限公司、互太(番禺)紡織印染有限公司、広東華昌鋁廠有限公司の責任者ほか、多数の関係者が参加しました。

5.今後の予定

 本実証事業は、2020年度末までの実証期間に、システム・設備の設計・製作、輸送、据え付け、試運転などを実施します。設置完了後、システム・設備の実証運転を行い、本エネルギー技術の実用性や有効性を検証し、中国国内への普及を図るためにセミナー開催などの普及活動を実施する予定です。

【用語解説】

※1 エネルギーマネジメントシステム(EMS):
工場内のエネルギーの流れ、生産、消費状態を管理し、効率的なエネルギーの運用を実現するためのシステム

※2 デマンドレスポンス:
電力系統の信頼性低下時などに、需要家側が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化させること

以上

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