横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

統合生産制御システム「CENTUM VP R6.04」を開発・発売

2017年3月22日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、主力製品である統合生産制御システム「CENTUM® VP(センタム・ブイピー)」を機能拡張した「CENTUM VP R6.04」を開発、3月23日から販売を開始しますのでお知らせします。

 今回の機能拡張は、入出力(IO)モジュールのラインアップを拡充し、お客様の選択肢を拡大するものです。

CENTUM VP
CENTUM VP

開発の背景

 「CENTUM VP」は、プラントの設計から、エンジニアリング、システム・機器の据え付け、生産立ち上げ、さらには稼働後のメンテナンス、改修や変更を経て運転を終了するまで、プラントのライフサイクルにわたり、お客様のニーズや市場の変化に対応し、最適な操作監視・エンジニアリング環境をお客様に提供するために進化し続ける制御システムです。

 制御システムは、フィールドIO装置を介してセンサやバルブなどのフィールド機器と情報のやり取りを行い、プラントの生産設備を自動で制御します。「CENTUM VP」は、多様な種類の入出力信号に対応でき、かつ入出力信号種類を切り替えることができるIO装置「N-IO(Network-IO)」をラインアップしています。これにより、エンジニアリング中や、プラント増改造時のセンサの変更が容易になり、作業量低減と工期短縮に大きく貢献します。一方で、入出力信号の種類がある程度決まっており、多様な種類を必要としないお客様にとっては入出力信号種類の切り替え機能は不要でした。今回当社は入出力信号種類を限定することにより、初期導入コストを大幅に削減できるIO装置を「N-IO」のラインアップに追加して、お客様の選択肢を拡大しました。

機能拡張の概要

  1. IOモジュールのラインアップ拡充
     最近の制御システムでは、入出力信号の多くをデジタル信号が占めます。今回当社は、「N-IO」のラインアップにデジタル信号専用のIOモジュールを追加しました。デジタル信号専用のIOモジュールと、アナログとデジタルの多様な信号に対応するIOモジュールを組み合わせることで、初期導入時のコストを低減できます。
     また、これまでは、フィールド機器とIOモジュール間を絶縁させたり、温度センサからIOモジュールに直接入力させたりするために、信号変換器を介在させていました。今回、信号変換機能をIOモジュールのアダプタに追加したことで、信号変換器を搭載する専用盤の設置が不要となります。
  2. 最新のWindows®に対応
     制御システムに最適であるWindows10 Enterprise のLTSB(Long-Term Servicing Branch)に対応しました。LTSBでは、Microsoft社により、発売後5年間のセキュリティ更新プログラム提供をはじめとする無償のサポート(メインストリームサポート)期間に加えて5年間の延長サポートが提供されるため、10年間の長いライフサイクルが実現します。当社は、お客様が求める、安定して長期間稼働し続けるシステムの実現に貢献します。
  3. ネットワーク接続形態としてリング構成も対応
     「CENTUM VP」のリアルタイム制御バスVnet/IP® ※1の接続形態として、ハブを中心として放射状に接続するスター型に対応していましたが、このたび機器をリング状に接続するリング型にも対応しました。お客様のニーズに合わせて、これまでよりも柔軟なネットワーク構成が実現します。

    ※1:Vnet/IPは、当社が開発した、高信頼性と即応性を両立させた制御ネットワークです。プロセス産業用の通信規格として国際標準IEC61784-2に準拠しています。

主な市場

石油・天然ガス、石油化学、化学、電力、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼、上下水道など

用途

プラントの運転監視と自動制御

CENTUMシリーズについて

 「CENTUM」は、当社が1975年に発表した世界初の分散形制御システム(Distributed Control System:DCS)で、当社の旗艦システムです。「CENTUM VP」は、シリーズ9世代目の製品で、40年以上にわたって培った技術と経験を集約し、従来の「CENTUM」との互換性を継承しつつ、最新の技術を取り入れながら進化し続けています。「CENTUM」シリーズ全体としては、全世界で2万5,000システム以上の納入実績があります。

以上

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    独自のデジタル制御技術と経験、ノウハウの粋を集めた世界最初の分散形制御システム(DCS)である「CENTUM(センタム)」は、1975年に販売開始しました。発売以来、世界100カ国以上、累計30,000以上のシステムが採用されています。

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