横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

IIoTアーキテクチャ開発に向けIT分野の先進企業4社と協業 IIoTを活用しお客様の経営効率向上に貢献

2017年2月1日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、新たなサービス提供のためのIndustrial IoT(IIoT)アーキテクチャ開発を、Microsoft Corporation(マイクロソフトコーポレーション:以下、Microsoft)、米国のFogHorn Systems Inc.(フォグホーンシステムズ:以下、FogHorn)、Bayshore Networks Inc.(ベイショアネットワークス:以下、Bayshore)、Telit IoT Platforms LLC. (テリット・アイオーティ・プラットフォームズ:以下、Telit)の技術を活用し、4社と連携して進めていくことを決定しましたのでお知らせします。当社は、本アーキテクチャを基盤にビジネスモデルの変革と事業領域の拡大を図り、お客様の経営効率向上に貢献していきます。

協業の概要

 ネットワーク技術の進歩や大容量データ通信の低コスト化、企業の情報システムのクラウドへの移行などを背景にIIoT技術を活用する環境が整ってきています。一方で、このIIoT技術の活用にあたっては、センシングやオートメーション、セキュリティの観点で多くの技術的な課題があり、システム構築やアプリケーション開発に多くの費用を必要とします。当社は、センサ技術から制御ロジック、アプリケーション技術までを保有しており、企業のお客様にもっと簡便にお使いいただけるよう、センシングから制御、クラウドでの処理まで(エンド・ツー・エンド)を一貫して提供することでこの問題を解決することを目指しています。

 そこで、このたび、容易に設置できるプラグ・アンド・プレイ※1のセンサと、自動でプロビジョニング※2がされるセンシング・クラウドや、データベース・クラウド、ヒストリアン(データ保存)・クラウド、アプリケーション開発環境が相互に連携してビジネス・プロセス・アプリケーションを構成できるIIoTアーキテクチャを開発するため、その重要な構成要素となる技術をもつ4社と協業していきます。

 このIIoTアーキテクチャは、Microsoftのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure IoT Suite」、FogHornのフォグ・コンピューティング・ソフトウエア、Bayshoreの保有するOSI参照モデル※3のレイヤー7※4におけるセキュリティ技術、さらにはTelit のセンサ組込用通信モジュール群とデバイスマネジメント用のクラウドを活用し、2016年11月に開設した当社のアーキテクチャ開発室カリフォルニアが中心となって開発を進めます。

 今回の協業にあたり、執行役員マーケティング本部長の阿部剛士は次のように述べています。「当社は長期経営構想において、『YOKOGAWAは”Process Co-Innovation”を通じて、お客様と共に明日をひらく新しい価値を創造します。』をビジョンステートメントに掲げています。今回開発に取り組むIIoTアーキテクチャは、今後のセンシングやプラント情報管理の分野におけるこれまでの価値提供のあり方を大きく変えるものであると確信しています。高い専門技術をもつ4社と協業し、その早期確立を目指します。また、今後コーポレート・ブランド・スローガンである Co-innovating tomorrow™ のとおり、各業界のリーダーとのさらなるパートナーシップ拡大を図ります。」

提携先の技術、会社の概要

  • Microsoft Corporation:
    ソフトウエア・サービス・デバイスとソリューションの世界的なリーディングカンパニーで、「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」を企業ミッションとしています。Microsoft Azureが提供するAzure IoT Suiteは、汎用的なIoTシナリオを実現する構成済みのソリューションであり、グローバルでの導入実績が豊富にあります。デバイスの接続、データの収集、管理、分析、可視化、業務アプリケーションとの統合を実現でき、当社のIIoTアーキテクチャの構築と運用を実現するために必要な機能を有するサービスです。
  • FogHorn Systems Inc.
    シリコンバレーに本拠を置くベンチャー企業で、フォグコンピューティングを実現する中核ソフトウエアの開発に注力し同分野の先端技術を有しています。当社は2016年7月、同社に資本参加しました。フォグコンピューティングとは、クラウドへの一極集中を避け、クラウドとデバイス(現場の機器)の間にフォグと呼ばれる分散処理を行う階層を設けるシステムアーキテクチャの概念です。デバイスの近くで一部の演算や処理を実行し、必要なデータのみクラウドに送ることにより、通信の遅延や揺らぎ(到着時間のばらつき)を排除したシステムを構築でき、IoTの応用範囲を格段に広げる技術として注目されています。
  • Bayshore Networks Inc.
    ワシントンD.C.近郊に本拠を置く2012年に設立されたベンチャー企業で、製造業向けに視認性、操作性、堅牢性の高いサイバーセキュリティシステムなどを開発しています。さまざまなIT企業の戦略的パートナーとなっており、IIoTにおけるサイバーセキュリティの先端企業として注目されています。当社は2016年11月に同社に資本参加しています。
  • Telit
    幅広いIoT関連の製品やサービスを提供できるリーディングカンパニーです。Telitは、15年以上IoTの分野で積み重ねた専門知識やリソースを生かし、世界中のさまざまな産業や経営活動において、デバイスとの接続性の向上や、安全なデバイス管理、遠隔操作などを実現する手段を提供しています。

※1 プラグ・アンド・プレイ:
センサ等の機器を指定のネットワークに接続した際に、自動的に機器の検出と適切な設定が行われ、すぐに使用できること

※2 プロビジョニング:
クラウド基盤を効率よく運用するために、センサ等の機器を、ネットワークを通じてクラウドに接続し、データ等のやり取りに必要な諸設定を動的に行うこと

※3 OSI参照モデル:
国際標準化機構(ISO)により異機種間のデータ通信を可能にするために策定された、通信機器の持つべき機能を7つの階層構造に分割したモデル。OSIは「Open System Interconnection」の略

※4 レイヤー7:
OSI参照モデルにおいて最上位の階層であるアプリケーション層

以上

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