非染色生細胞画像から細胞の状態解析が可能なソフトウエア「CellActivision」を発売 ~再生医療・iPS細胞などの分野における生細胞観察で前臨床・実用段階にまで進出~

2015年9月30日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、細胞イメージングシステムや一般的な光学顕微鏡で撮影された生細胞の画像を用い、蛍光染色することなく、細胞の活性(各種機能の活発さ)の評価や再生医療・iPS細胞などの分野での細胞の評価などを可能とする「CellActivision(セルアクティビジョン)™」を製品化、10月1日に発売しますのでお知らせいたします。

CellActivision - Cell Image Analysis Tool画面
CellActivision - Cell Image Analysis Tool画面

製品化の背景

 基礎研究段階での生細胞観察においては、細胞に蛍光染色等を施し、レーザー等を照射することで観察を行っていますが、レーザー等の照射による光毒性など何らかの影響を受け細胞が変質する可能性があります。そのため、実用段階に近い前臨床・臨床の分野、あるいは人体に投与する実用段階ではこのような影響を回避するために非染色での観察が求められます。しかしながら、非染色での生細胞の観察は顕微鏡などを用いた人の目視によって行われており、詳細な解析は極めて困難でした。

 近年、iPS細胞由来の細胞を用いた創薬研究が活発になり、人体への投与を目的とした細胞を用いた再生医療向けの製品なども登場しつつあります。これらの市場においては、今後ますます生細胞に影響を及ぼすことなく観察・解析する技術のニーズが高まってくることは確実です。

 そこで当社は、本年6月にフィンランドのチップマンテクノロジーズ(Chip-Man Technologies Oy)※1から譲り受けた非染色画像解析技術をもとに、当社製をはじめとする細胞イメージングシステムや一般的な光学顕微鏡でも活用できる、非染色生細胞画像から細胞の状態を解析するソフトウエアを製品化しました。今後は、この強みを生かし、急拡大が見込まれる「再生医療・iPS細胞分野」におけるビジネスの一層の拡大を目指します。

製品の特長

 これまで、蛍光染色することなく、大量の細胞の活性の状態やその種類を認識することは非常に困難でした。そこで非染色細胞画像の形態情報に基づく解析への期待はありましたが、一般化する技術がありませんでした。

 しかし、本製品は、近年進展著しい機械学習技術を細胞認識に適用することで、細胞イメージングシステムや一般的な光学顕微鏡で撮影された非染色生細胞画像の形態情報に基づき、細胞の種類や活性をコンピュータ上で詳細に認識・解析可能にします。非染色で生細胞をコンピュータにより解析できることには次のようなメリットがあります。

  1. 薬効評価上のメリット
    新薬の薬効を評価するうえで、時系列で薬効を確認することが必要になります。現在は、薬を与えた非染色の細胞群から一定の経過時間毎に都度サンプルをとり、固定※2し、蛍光染色して細胞の状態を確認する手法が主流ですが、細胞ごとの誤差も考慮し、大量の細胞が必要になります。一方、本製品は細胞の形態から細胞を解析できるため、細胞を固定する必要がなく、少ない細胞で本来の意味での時系列的に薬効評価が可能となります。
  2. 再生医療製品の研究、製造過程での品質把握
    移植を前提とした再生医療等の製品では、製品品質の把握のために蛍光染色することなく細胞密度などを評価する必要があり、人による顕微鏡目視が不可欠でした。本製品を使用することで、人による目視を必要最小限にすることができ、品質評価の効率化と均質化に貢献します。

主な対象ユーザ

 製薬メーカ、創薬・再生医療等の研究機関、再生医療等製品の製造ライン

主な用途

 創薬研究における薬効評価、再生医療製品の品質評価

※1 チップマンテクノロジーズ(Chip-Man Technologies Oy):
フィンランドに本社のあった有限会社。医学・創薬分野向けに細胞を培養しながら観察可能な顕微鏡などの製品を有したが現在は解散している。

※2 固定:
生きた細胞の細胞膜は蛍光物質を通さないので、蛍光物質が目的とするタンパク質に接近できるように細胞に施す化学的な処理を固定という。固定によりあらゆる生化学反応が停止するので細胞は死ぬことになる。

以上

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