横河電機株式会社
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開発課題「共焦点画像一細胞創薬支援システム」が科学技術振興機構の産学共同実用化開発事業に採択

2014年8月5日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、開発課題「共焦点画像一細胞創薬支援システム」が、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の産学共同実用化開発事業(NexTEP)に採択されましたのでお知らせします。NexTEP は、企業による大学や公的研究機関の研究成果に基づくシーズ(特許等)の実用化開発を支援する制度です。

 開発課題「共焦点画像一細胞創薬支援システム」は、理化学研究所・生命システム研究センターの一細胞質量分析研究チームによる「一細胞質量分析法※1」と、当社の共焦点スキャナおよび創薬支援装置※2に搭載されている高速画像取得および高精度位置決め技術を融合させ、新たな創薬支援システムを開発するものです。
 新薬の開発では、薬効と副作用を確認するために、薬物が細胞でどのように代謝されるかを分析することが求められます。現在は、複数の細胞をすりつぶして分析するため、一つひとつの細胞での分子の変化を詳細に調べることはできません。また、分析には、動物実験や多数のヒトの細胞が必要となります。
 「共焦点画像一細胞創薬支援システム」は、新薬候補となる薬物の分子がどの細胞にどのような経路で到達し、どう変化するかを把握するシステムです。「一細胞質量分析法」は、顕微鏡で細胞を観察しながら目的の細胞内の分子を吸い出し、高速かつ高精度に分析する新しい手法です。今回の開発課題では、特異的な変化を発現した細胞や分子を自動的かつ高速に見つけ出し、細胞内の分子を自動的に捕らえる装置を開発し、解析の一層の高速化および低コスト化を図ります。
 当社は理化学研究所と協力して、このシステムの実現により新薬候補化合物の探索や代謝の解析を高速かつ高精度で行うことを可能にし、今後の新薬開発のスピードアップに貢献することを目指してまいります。

※1 一細胞質量分析法:
細胞から極細のガラス管(ナノスプレーチップ)で成分を吸い出し、イオン化有機溶媒により細胞中の分子をイオン化させ、質量分析計を用いて分子の種類と量を検出する。顕微鏡と組み合わせて様子を見ながら、高速かつ高精度に分析できる。従来の分析法では多量の試料が必要であったが、この分析法では細胞1個で分析が可能。中間代謝物の定量化や、最終代謝物までの代謝経路の追跡も行える。

※2 YOKOGAWAの共焦点スキャナと創薬支援装置:
共焦点スキャナとは、レーザをレンズで集光して平面上の一点にあて、その反射光を連続的にとらえる走査ユニット。試料を切片にすることなく生きたまま断層画像を得ることができる。当社の提供する共焦点スキャナは、鮮明な画像と業界最高の撮像速度より、世界各国の研究機関で広く採用されている。これを搭載した創薬支援装置である細胞機能探索システムは、細胞に薬の候補となる化合物を投与し、投与されたことで起こる細胞内の変化をカメラで撮影し、化合物投与による反応を解析する自動テスト装置。業界最速のスクリーニング、業界最高の分解能が特長。

以上

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