細胞の形態情報を簡単かつ高精度に定量化 共焦点定量イメージサイトメーター「CQ1」発売のお知らせ ~再生医療分野などの検査・実験の精度と効率向上に貢献~

2014年2月27日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、細胞のかたまりや培養容器に貼りついた状態の細胞の画像から、個々の細胞の形態を簡単かつ高精度に定量化する共焦点定量イメージサイトメーター「CQ1」を開発しましたのでお知らせします。「CQ1」を使うことにより、細胞のかたまりをばらばらにしたり、培養容器から細胞を剥離することなく、高精度に定量化できるため、細胞検査や実験の精度と効率が向上します。発売は、2014年5月を予定しています。
 当社は、再生医療分野をはじめとした、著しい成長が見込める細胞の品質管理や臨床検査市場向け製品を新たに提供していくことで、ライフサイエンス分野のビジネスを拡大してまいります。
 なお、当社は本製品を、3月4日から6日まで国立京都国際会館で開催される日本再生医療学会総会付設展示会に参考出品します。

共焦点定量イメージサイトメーター「CQ1」
共焦点定量イメージサイトメーター「CQ1」

開発の背景

 細胞検査をはじめ、万能細胞による再生医療研究、がんなどの疾患研究では、細胞の画像観察に加え、面積や形状などの形態を定量化して把握したいというニーズが高まっています。正常状態の細胞のデータと比較することで、細胞がどのような状態にあるかを簡単に判断することができます。対象となる細胞には、培養液中の浮遊細胞、培養容器に貼りついて単層状に培養された平面培養細胞、三次元培養された細胞のかたまりがあります。これらを定量化するためには、蛍光顕微鏡を使って目視で測定するか、細胞の形態を定量化する専用装置を利用するのが一般的です。従来の装置は、細胞のかたまりを一つひとつの細胞に分けたり培養容器から剥離する必要があったりすることから、データの種類や精度に限界がありました。そのため研究者や検査士は、かたまりのまま本来の生体機能や特性を維持した状態で、形態に関する多様で高精度なデータを取得できる装置を求めていました。
 当社は、これらのニーズに応え、世界中の研究機関で広く使用されている共焦点スキャナユニット「CSU」を中心としたワンボックスタイプの共焦点定量イメージサイトメーター「CQ1」を開発しました。従来の定量化装置にはなかったマイクロレンズアレイ付きニポウディスク式共焦点光学技術を応用した高解像度の画像に基づき、細胞をかたまりのまま個々の細胞の表面積、体積などの三次元形態情報や細胞の位置情報を簡単に、しかも高精度に定量化します。

新製品の特長

  1. 細胞を剥離せず、形態情報を高精度に定量化
    細胞のかたまりをばらばらにしたり、培養容器から細胞を剥離したりすることなく細胞本来の生体機能や特性を維持した状態で、高精度に定量化します。二次元情報である面積に加え、三次元情報である体積、表面積、細胞の個数や位置、細胞内の微小な粒子の位置、蛍光強度などの各種データを視認性よく、表・グラフ形式で表示します。
  2. 生きた細胞観察機能
    当社の共焦点スキャナユニット「CSU」は、光学顕微鏡に取り付けて共焦点顕微鏡にするユニットです。レーザ光による細胞ダメージ(光毒性)や蛍光退色を最小限に抑えながら、細胞のスライス画像を高速に得ることができます。今回、この「CSU」を搭載したことにより、生きた細胞の三次元、多色観察が可能です。研究や検査で使った細胞も破棄する必要がなく、細胞を無駄なく活用できるため、再生医療用細胞の品質管理・検査・実験に適しています。
  3. 再現性の高いデータ
    励起するレーザのパワーモニタ機能により、安定したレーザパワーを維持するとともに、定期的に内部校正を行い、レーザパワー以外の変動要素の影響も補正し、再現性の高いデータが取得できます。

主な市場

再生医療分野、医学・病理学・解剖学・生物学などの基礎研究分野、薬学、創薬研究など
細胞を扱う研究・検査分野(FISH法など)やこれらに関連する分野

用途

iPS/ES細胞研究、再生医療に用いられる細胞研究、創薬、疾患研究における細胞品質評価、病理切片評価

共焦点スキャナユニット「CSU」とは

 共焦点スキャナユニットは、通常の光学顕微鏡に取りつけて共焦点顕微鏡システムにする ことができるユニットです。当社の共焦点スキャナユニット「CSU」は、ニポウディスクとマイクロレンズアレイを組み合わせた画期的な方式※1を採用しています。蛍光試薬等で染色した試料にレーザを照射し、励起された蛍光を観察することで、きわめてコントラストの高い鮮明な画像を、任意の焦点距離で選択的に得ることができます。このため、試料を切片にすることなく生きたまま断層(スライス)画像を得たり、そのスライス画像データから三次元立体像を構築したりすることが出来ます。これらの特長により、共焦点スキャナユニット「CSU」は細胞内の動的変化をリアルタイムで観察する有力なツールとして世界中の研究機関に採用されており、累積納入台数は2,200台を超えています。

※1 “多数のピンホールが渦巻き状に配置された回転円板(ニポウディスク)”を用いると、マルチビームスキャンができます。さらにこのニポウディスクのピンホールに光を集中させてより明るくするために、微小なレンズを格子状に並べた“マイクロレンズアレイ”を加えることにより、高速スキャン性能を保ったまま、光の利用効率を大幅に改善できます。

以上

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