石油・天然ガスの生産設備向けに安全計装システム「ProSafe-RS」の機能を強化 ~差圧・圧力伝送器「DPharp EJX」マルチバリアブルタイプ機能強化版を同時発売 ~

2013年9月18日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、安全計装システム「ProSafe®-RS(プロセーフ アールエス)」の機能を強化した「ProSafe-RS R3.02.10」を開発、9月30日から販売を開始しますのでお知らせします。
 当社は制御事業の注力分野の一つとして石油・ガスのアップストリーム(開発・生産工程)を掲げており、今回の「ProSafe-RS」のバージョンアップではこの分野に向けた機能を強化しました。これと合わせ、差圧・圧力伝送器「DPharp EJX」マルチバリアブルタイプの通信機能を拡張し、「ProSafe-RS」との連携を強化した新モデルを同時に発売します。

左  ProSafe-RS R3.02.10 右 DPharp EJX
左: ProSafe-RS R3.02.10
右: DPharp EJX

開発の背景

 石油・天然ガスの井戸元やパイプラインにおいて、事故の防止、地球環境保全、企業の社会的責任などの観点から、操業時の安全確保がますます重視されるようになっています。そのため、操業時の異常を検出し、シャットダウンなどの緊急動作を安全に実行する安全計装システムのニーズが高まっています。しかしながら、これら井戸元の設備は広域に分散し、設置スペースにも制約があるという課題があります。また、運用効率の改善、コスト削減のために、井戸元で必要となる制御機器と安全計装システムの機能を集約したシステムが求められています。こうしたニーズに対応し、井戸元やパイプライン向けの機能を搭載したコントローラを発売します。

機能強化の概要

  1. AGA対応のガス流量演算機能を搭載
     石油・ガスの井戸元やパイプラインなどの監視制御においては、ガスの流量管理が求められます。ガスは温度・圧力により体積が大きく変化するため、流量管理のためには温度・圧力が一定の条件の流量に補正演算する必要があります。この補正演算は、制御機器や専用のフローコンピュータにより行われています。「ProSafe-RS R3.02.10」では、設備を集約したいというお客様のニーズに応え、AGA(American Gas Association)対応のガス流量演算機能を搭載しました。これにより、安全度水準SIL3※1 の高い安全性を保ちながら、安全計装と監視制御の双方を実現します。AGAに対応した流量補正は、北米、南米、中東をはじめとする各地域で広く用いられており、幅広い地域のお客様のニーズに対応します。
  2. 高信頼のガス流量演算実現のため「DPharp EJX」と「ProSafe-RS」の連携を強化
     ガス流量の補正演算には、差圧に加え、静圧・温度の値が必要となります。差圧・圧力伝送器「DPharp EJX」マルチバリアブルタイプは、これら3つの値を1台で測定できるセンサです。石油・ガスの生産工程では、こうしたセンサと、ガス流量の補正演算を行う機器との通信プロトコルとして、Modbus※2 が広く普及していることから、差圧・圧力伝送器「DPharp EJX」マルチバリアブルタイプにModbus通信機能を追加しました。
     これにより、ガス流量演算機能を搭載した「ProSafe-RS」と「DPharp EJX」を組み合わせて高性能・高信頼のガス流量管理をご提案することが可能になりました。
  3. 石油・ガスのアップストリームで要求される多様なネットワークに対応
     井戸元やパイプラインに設置する「ProSafe-RS」のコントローラと、中央に設置する監視装置である当社のSCADA※3 ソフトウエア「FAST/TOOLS」を結ぶ通信ネットワークに、無線や衛星通信などの狭帯域回線を利用できるよう、ネットワーク機能を拡張しました。狭帯域でも従来のリモートエンジニアリング機能が使用でき、プログラム変更などの保守が容易に行えます。また、コントローラ内部に重要なデータを一時的に保持しており、ネットワークが切れた場合にもデータの連続性が保たれ、質の高い遠隔監視が実現できます。

主な市場

石油、天然ガス、石油化学などのプロセス産業各種プラントや、石油・天然ガスの生産設備における、緊急プラント遮断システムや防消火システムの構築

「ProSafe-RS」について

 「ProSafe-RS」は、2005年2月に発売した安全計装システムです。石油や天然ガス、石油化学、鉄鋼などのエネルギー・素材産業では、事故の防止、地球環境保全、企業の社会的責任などの観点から、プラント操業時の安全確保が重視されています。ProSafe-RSは安全を確保するために、操業時の異常を検出し、シャットダウンなどの緊急動作を実行することで、事故を防ぐ役割を担います。統合生産制御システムCENTUM®シリーズと組み合わせて使用することにより、機能や役割が違うため個別にシステムを構築していたプロセス制御システムと安全計装システムを統合できるという特長を持っています。さらに、国際安全規格IEC61508に適合し安全度水準SIL3レベルを実現する機器として、第三者機関による認証を取得しています。
 これらの特長により「ProSafe-RS」はユーザから高く評価され、発売開始からこれまでに国内外の1,200以上のプロジェクトで採用されています。当社は今後も、安全計装に対するお客様のニーズに対応して「ProSafe-RS」の機能を継続的に強化していきます。

※1 SIL3:
SILは、電気・電子機器の機能安全に関する国際安全規格IEC61508で規定された安全度の水準であり、SIL3は、プラントに安全対策を施さない場合と比較して、リスクの度合いを1/1000から1/10000の範囲に低減できる。

※2 Modbus:
米国Modicon社が策定した産業用電子機器用通信プロトコル。

※3 SCADA (Supervisory Control And Data Acquisition) :
プロセスの監視、制御を行うシステムの一種。

※ 本文中に使われている会社名及び商品名称は、各社の登録商標または商標です。

以上

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