横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

前工程メモリテストシステム「MT6530シリーズ」開発・発売

2010年11月18日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀周造)は、メモリ量産用前工程向けメモリテストシステム「MT6530シリーズ」を開発しましたのでお知らせします。発売は、2011年1月を予定しています。
 今回開発した「MT6530シリーズ」は、当社従来製品MT6121/MT6111 メモリテストシステムの後継シリーズで、ウェハ1枚あたりのテストタイムを75%削減してテスト効率を向上させました。現在市場にある製品で最高クラスの性能です。市場規模の大きいDRAM※1を主要ターゲットにし、高いコストパフォーマンスを実現したメモリテストシステムです。

 当社は、本製品を2010年12月1日から幕張メッセで開催される「セミコン・ジャパン 2010」に出展します。

MT6531
MT6531

開発の背景

 半導体製造会社は、世界規模で展開する厳しい競争を勝ち抜くために、微細加工技術を追求してシリコンウェハ1枚当たりのチップ数を増加させるなど、徹底したコスト削減に取り組んでいます。テストコストの低減もまた競争力を強化する上で恒常的な課題となっています。
 代表的な半導体デバイスとしてパソコンに大量に使用されて市場を牽引するDRAMは、デジタル家電、携帯型電子機器向けなどに用途を広げており、今後も半導体市場のボリュームゾーンを形成するとみられています。このため当社では、DRAMを効率よくかつ低コストで試験できるテストシステムを開発してきました。

製品の特長

  1. 同時測定個数3倍
    当社従来製品と比べてテストステーション1台当たりの同時測定個数を3倍の1,536個とし、テスト効率を大幅に向上させました。微細加工技術の進歩に伴いウェハ1枚あたりのチップ数が増え、数回に分けてテストを行う必要がありましたが、同時測定個数が大幅に増えたことでウェハ1枚あたりのテスト回数が減り、テストタイム短縮に貢献します。
  2. 高速・高周波対応
    最高動作周波数とテストシステムとチップ間のデータ転送速度を、当社従来製品比1.6倍の444MHz(メガヘルツ)と888Mbps(メガビット毎秒)としました。携帯型電子機器に搭載されるデバイスが必要とする高速・高周波テストに対応します。

主な市場

半導体メーカのテスト工程、半導体デバイスのテスト工程を専門に請負うテストハウス

用途

DRAM (PC用や携帯型電子機器用LPDDR2※2など)、NAND 型/NOR型フラッシュメモリ※3などメモリデバイスの前工程向け良否判定テスト、不良救済テスト、KGD※4テスト

以上

※1 DRAM
メモリデバイスの一種。ランダムアクセス(データ中の任意の部分を直接書き込みと読み出し)が可能だが記憶保持動作が必要。主にパソコンの主記憶装置として使われる。

※2 LPDDR2 (Low Power Double Data Rate2)
米国の半導体標準化団体JEDECが策定したDRAMの規格、またはそれに適合したDRAM。主に、携帯電話に代表される携帯型電子機器に組み込まれる。KGDテストのニーズが高い。

※3 フラッシュメモリ
メモリデバイスの一種。随時書き込みと読み出しができ、記憶保持動作が不要。NAND型は集積度が高く、デジタルカメラなどのメモリカードとして使われる。NOR型は任意読み出しに優れ、携帯電話のデータ格納メモリなどとして使われる。

※4 KGD(Known Good Die)
パッケージ化される前のチップの状態で製品の品質を保証し最終ユーザに納品すること、またはその製品。

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