産業用無線通信規格ISA100.11aの国際標準化を推進

2009年5月19日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀周造)は、プロセス制御(PA)用無線通信規格ISA100.11a※1がISA100委員会に承認されたことを機会に、ISA100.11aの国際標準化、普及を推進していくことを決定しましたのでお知らせします。PA分野で現在複数存在する無線通信方式を標準化することでフィールドネットワークの無線化の採用が容易になります。
 当社は、無線技術と既存の有線技術を活用して現場機器を有機的に統合する新しいフィールド・デジタル・ネットワークをユーザが構築しやすいようにサポートすることでユーザの生産性向上に貢献します。

 PA分野で無線ネットワークを導入するメリットには

  1. 配線やエンジニアリングコストの削減
  2. 配線が難しい場所へのセンサ設置
  3. 最小限のコストによるオンライン機器診断でプラントの安全性向上

などがあります。ところが、PA分野では有線方式が主流で無線の導入はごく一部に留まっています。

 広く普及していない主な要因としては、

  1. PA分野の通信ネットワークに必要な信頼性、リアルタイム性、耐環境性、防爆への対応と、電波干渉の回避やセキュリティの確保など無線方式に必要な要素を、バランスよく組み合わせた高度な技術が必要なこと
  2. 無線通信規格が複数存在するため、異なる規格の製品でシステムを構築すると無線インフラが複数必要になりシステムのマルチベンダ化が困難であること

があげられます。

 当社が、複数の方式のうちISA100.11a を推進する主な理由としては、

  1. 生産現場の安全と情報セキュリティを確保する高い信頼性があること
  2. IPv6技術※2をベースとしているためネットワークを拡張しやすいこと
  3. 有線規格であるFOUNDATION™フィールドバス、HART®、PROFIBUS、Modbus®など多くの規格への対応を視野にいれているので既存の計装システムと高い整合性が期待できること
  4. 監視、簡易制御など対応可能なアプリケーションが幅広いこと

などがあげられます。

 当社は、ISA100.11aの国際標準規格化に向けて、ISA100委員会メンバーとして積極的に活動すると共に、製品のフィールド試験による現場設置の経験の蓄積と無線アプリケーションの発掘を継続します。当社は、この規格に対応したシステム製品とフィールド機器を、2010年度上半期に発売する予定です。

以上

※1 ISA100.11a
国際計測制御学会(ISA; International Society of Automation)のISA100委員会が、本年4月に承認したPA用無線通信規格。今後、ISA、ANSI(アメリカ規格協会)の承認を経て一般に技術仕様が公開される。IEC(国際電気標準会議)のIECSC65Cサブ委員会に提案され国際標準化への活動が本格化する

※2 IPv6技術
現行のインターネットの通信規格IPv4の次世代版。IPv4は32ビット長で、作れるアドレス数が約43億個であるのに対し、IPv6は128ビット長で、約3.4×10の38乗個とほぼ無限にアドレスを作ることが可能。

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