横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

「ネットワークベース生産ソリューションSTARDOM(スターダム)」機能強化版発売

2008年4月22日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、「ネットワークベース生産ソリューション STARDOM™」の機能を強化し、4月23日から販売を開始します。
 今回の機能強化では、遠隔設備の単純な監視だけでなく、設備保全に関わるデータを収集し設備全体の管理を行えるようにしました。また、ユーザが独自に監視制御プログラムを作る際に役立つエンジニアリングサンプルを追加しました。
 これらの機能強化により、保守作業の効率とエンジニアリングの効率が向上し、ユーザのTCO削減を実現します。

ネットワークベース生産ソリューションSTARDOM
ネットワークベース生産ソリューションSTARDOM

開発の背景

 水処理・排水処理設備など無人で自動運転する機械設備や、砂漠や極地での資源採掘装置など広域に分散している設備を安定して運用するには、稼働状況の定期点検や消耗品の補充などのために巡回が必要になります。また、運転条件を変更するには、現場まで行って設定し直す必要がありました。
 このような運用・保全コストを最小限に抑えるため、現場のコントローラ自体が設備の運転状況や消耗品補充の必要性といった保全情報を一定期間収集、蓄積し、点検や消耗品補充が必要なときに管理者に通報するようにしたのが、今回の機能強化の目的です。
 これまでも運転状態の遠隔監視制御は可能でしたが、そのためには高速な通信インフラや中央監視設備側でデータを蓄積する高信頼サーバが必要になるなど、多大な費用がかかりました。
 今回の機能強化でSTARDOMにデータ保存機能が加わったことで、大掛かりなネットワークやデータ記録装置が無くとも、運転監視、データ収集・保存、通報まで一貫して行えるようになりました。

機能強化の内容

  1. 遠隔管理の実現
    自律型コントローラ「FCN/FCJ」のデータ保存機能を簡単に活用できるパッケージを開発しました。定期的な稼動実績の収集や異常発生時の原因追求などが必要になったときに、現場の機器、設備に関するデータを,遠隔地にいるオペレータや設備管理者がWebやEメールを活用して「FCN/FCJ」から簡単に取得できるようになりました。
  2. エンジニアリング効率の向上
    ユーザがSTARDOMの制御プログラムを作成する際に役立つ“エンジニアリングサンプル(Web上に公開中)”に回路図の雛形(ネットワークテンプレート)を追加します。これにより、初心者も簡単に制御プログラムを作成できるようになります。(2008年5月末公開予定)。また、「FCN/FCJ」のWindows Vista®対応を実施し、最新のPC環境で使用できるようにしました。
  3. 米国ガス業界の規格に対応
    米国のガス流量補正の規格(※1)とガス流量測定システムの規格(※2)に対応しました。そのため,現場の機器をこれらの規格に沿って設定をするエンジニアリングが容易になります。これらの規格は、掘削会社、輸送会社、配給会社間でガスを受け渡しする際にガス流量を正確に測定するための規格で、北米・南米を中心にアジアでも広く採用されています。

STARDOMについて

「STARDOM」は、制御、操作、監視などの機能別コンポーネントで構成するオープンネットワーク制御システムです。分散型制御システム(DCS)の信頼性と汎用プログラマブルコントローラ(PLC)を使用したPLC計装システムの汎用性・経済性を両立させた“第二世代のPLC計装システム”と言えます。自律型コントローラ「FCN/FCJ」と監視制御ソフトウエア(SCADA)「VDS/ASTMAC」を組み合わせて、設備規模に応じて柔軟にシステムを構築できます。国際標準のプログラミング環境(IEC61131-3)を採用し、FOUNDATION™ フィールドバス、HART、Modbus、DNP3など多様な通信インタフェース・通信プロトコルに対応するなど高い汎用性を実現しています。

主な市場

  • 油田・ガス田の開発,水処理設備,ガス供給設備,コジェネレーション設備などの広域に分散した設備
  • 石油、化学、鉄鋼、紙・パルプ、食品や薬品などにおける中小規模プラント
  • 電機・機械などの組み立て加工産業など

用途

各種生産設備の操作,監視,制御,データ収集,記録保存など

※1 ガス流量補正の規格
 米国ガス協会(AGA:American Gas Association)が定める規格のうち,ガス流量補正の規格AGA3,AGA7,AGA8のこと。ガス流量補正とは,ガスは温度や圧力の影響を受けて測定値が変動するため温度や圧力を考慮して測定値を補正すること。

※2 ガス流量測定システムの規格
 AGA、米国石油協会(API:American Petroleum Institute),ガス精製協会(GPA:Gas Processors Association)の3協会が共同で定めたガス流量測定システムに関する規格API21.1のこと。

詳細は、こちら


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