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データインテグリティ、FDA21 CFR Part11、ER/ES指針など医薬規制に対応したデータロガー SMARTDAC+

医薬・バイオ・医療機関などのアプリケーションにおいて、安全で追跡可能なデータ管理を提供します。

データインテグリティ、医薬規制対応SMARTDAC+

医薬品製造および品質保証、バイオ開発の場などでの設定変更の煩雑な履歴保存などを効率化しませんか?

SMARTDAC+シリーズ ペーパレスレコーダGX/GP、データロガーGMは、拡張セキュリティ機能オプション(/AS)を付加することにより、医薬品製造、バイオ技術、健康管理、医療機関などのアプリケーションにおいて、安全で追跡可能なデータ管理を提供し、煩雑な設定変更の履歴保存などの効率化ができます。
拡張セキュリティ機能は、米国FDA21 CFR Part11(電子記録および電子署名に関する規制)、および厚労省ER/ES指針の厳格な要件に対応しています。また、PIC/SとWHO、MHRA、FDAで言及されている”ALCOA+” に則ったデータインテグリティにも対応しています。
 

 

医薬に関する各種規制について

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データインテグリティとは

査察において、データインテグリティに関する改ざんや不正行為の指摘が増加していることから、FDA(米国食品医薬品局)やMHRA(英国医薬品庁)をはじめとした規制当局が、データインテグリティの監視を強化しています。そのため、データインテグリティに関するガイダンスが各規制当局から次々と発表されています。
データインテグリティの基本原則である”ALCOA+”(A:帰属性、L:判読性、C:同時性、O:原本性、A:正確性、C:完全性、C:一貫性、E:永続性、A:可用性)は、各ガイダンスに採用されています。

各ガイダンス

発行年月 発行団体 ガイダンス名称
2021年  10月 WHO Guidance on data integrity
2018年  3月 MHRA ‘GXP’ Data Integrity Guidance and Definitions
2021年7月 PIC/S GOOD PRACTICES FOR DATA MANAGEMENT AND
INTEGRITY IN REGULATION GMP/GDP ENVIRONMENTS
2018年12月 FDA Data Integrity and Compliance With Drug CGMP Question and
Answers Guidance for Industry

*2025年5月現在

データインテグリティの基本原則ALCOA+

ALCOA+ 項目 内容 SMARTDAC+ 対応
Attributable
(帰属性)
データの作成者が明確であること 監査証跡機能により、ユーザ、タイムスタンプ、操作履歴を記録することが可能です。
Legible
(判読性)
データは誰でも読むことができること データは人間が判読可能な形式で表示・保存することができます。
Contemporaneous
(同時性)
データの測定と同時に記録すること 測定された値は即時に自動的にタイムスタンプと共に記録されます。
Original
(原本性)
コピーしたデータが原本のデータと同じであること 記録ファイルは改ざん不可の独自形式で保存されます。そのため、コピーしたデータは原本のデータと同じです。
Accurate
(正確性)
誤りがなく、結果とデータが正確であること 校正されたセンサなどによって取得されたデータを改ざん不可の独自形式で正確に保存します。
Complete
(完全性)
事象を再構築する上で、必要な情報が全て揃っていること 測定値、設定情報、操作履歴、アラーム履歴などデータ取得・操作に関わる全ての情報をデータに記録します。
Consistent
(一貫性)
データが一貫して矛盾がないこと SNTP機能を備え、設定した間隔で連続記録を行います。測定データにはチャネル情報、単位、タイムスタンプなどが自動付与され、設定変更や校正などの操作はすべて監査証跡として時系列で保存されます。
Enduring
(永続性)
データの保存期間中、データが存在すること データは長期保存用のメディアへのバックアップが可能です。ビューアソフトも併せて保存することで、将来にわたって可読可能な状態でデータにアクセスすることが可能です。
Available
(可用性)
データの保存期間中、いつでもデータを確認することができること 記録データは、専用のビューアソフトにて検索・閲覧が可能です。これにより、必要な時に確実にデータへアクセスすることが可能です。

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拡張セキュリティ機能で、データインテグリティに対応します。


電子記録・電子署名の規制とは

医薬品の製造・開発分野において電子記録や電子署名を利用する場合、これらが従来の紙記録および手書き署名と同等であることを保証するための要件が定められており、日米欧の三極でそれぞれガイダンスが設けられています。

  • 日本 :厚労省ER/ES指針
  • 米国 :FDA21 CFR Part11
  • EU :EU-GMP Annex11(PIC/S GMP Annex11)

FDA21 CFR Part11

FDAが1997年に制定した規則で、電子記録および電子署名が、従来の紙による記録や手書き署名と同等と認められるための基準を規定しています。Part 11の本文は、Subpart A、B、C の3部構成になっています。

構成 内容
Subpart A:総則
 §11.1 範囲
 §11.2 実施
 §11.3 定義
Part11が適用される電子記録についての記述使用される言葉の定義を記載しています
Subpart B : 電子記録
 §11.10 クローズドシステムの管理
 §11.30 オープンシステムの管理
 §11.50 署名の明示
 §11.70 署名/記録のリンキング
電子記録を使用する際の決まりごとを記載しています
Subpart C : 電子署名
 §11.100 一般的要件
 §11.200 電子署名構成要素と管理
 §11.300 識別コード/パスワードの管理
電子署名を利用する際の取り決めを記載しています
個人特定要求があるため、電子署名を利用しない場合でもこの条項は必要となります

条文の内容をまとめると、装置やシステムとしての主な要件は以下となります。

  • コンピュータ化システムのバリデーション
  • 電子記録の正確で完全なコピー作成
  • 電子記録の保護
  • セキュリティ(物理的または、論理的アクセス管理)
  • 監査証跡(記録を変更した際の識別性)
  • 電子署名の校正、方法および管理
FDA 21 CFR PART11

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拡張セキュリティ機能は、FDA21 CFR Part11に準拠しています。


厚生労働省 ER/ES指針

2005年4月1日付で厚生労働省医薬食品局から発行された、医薬品等の承認または許可等における電磁的記録(電子記録)や電子署名を利用する際に必要な要件を定めたガイドラインです。装置やシステムとして求められる主な要件をまとめると以下になります。

  • 電磁的記録に対する真正性、見読性および保存性の確保
  • 監査証跡(真正性の確保、操作の記録)
  • セキュリティ(真正性の確保、署名者の特定)
  • 電子署名の構成、方法および管理
  • 電子署名と電磁記録のリンク、保護

ER/ES指針は、基本的内容はPart11とほぼ同様の要件になっています。ER/ES指針では、「電磁的記録利用システムはコンピュータ・システム・バリデーションによりシステムの信頼性が確保されていることを前提とする。」と記載されています。

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拡張セキュリティ機能は、ER/ES指針に準拠しています。


EU-GMP Annex11

EU薬事規則は Volume 1 から Volume 9 まであり、このうち Volume 4 が GMP(Good Manufacturing Practice)に関する内容です。Volume 4 にはAnnex(付属資料)と呼ばれる文書があり、そのうちの Annex 11 は、コンピュータ化システムの利用に関する要件をまとめたものです。Annex 11 は、CSV(Computerized System Validation:コンピュータ化システムバリデーション)に関する EU 共通のガイドラインとして発行されています。以下に、システムとして求められる主な要件を以下になります。

  • データは、アクセス性、見読性、正確性および保存性の確保
  • 監査証跡(変更した際の記録や理由)
  • セキュリティ(物理的または、論理的アクセス管理)
  • 電子署名の構成、方法および管理
     

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拡張セキュリティ機能では、CSV実施のためのドキュメント(バリデーションドキュメント)を用意しています。ドキュメント内容を実施することで、EU-GMP Annex11 のCSVに対応することができます。


SMARTDAC+ GX/GP/GMの主な機能

SMARTDAC+ GX/GP/GMの拡張セキュリティ機能は各ガイダンスに準拠しています。代表的な機能の一部をご紹介します。

電子署名機能

記録計本体および専用のビューアソフトウェアを用いて、データを確認後、電子署名が可能です。オペレータ、製造責任者および品質保証責任者などの3レベルで電子署名(サインイン)が可能です。また、電子署名だけでなく、評価結果(パス/フェイル)とコメント情報も保存することが可能です。

電子署名機能

 

監査証跡機能

操作履歴は自動的に記録され測定データと共にファイルに保存されます。設定変更時は、設定変更の操作とともに、変更内容について確認することができます。
この機能により、データインテグリティで要求されている、誰が、いつ、何を、なぜ変更したのかを確認することができます。
操作履歴は、本体画面、webアプリケーション、また、専用のビューアで確認が可能です。

監査証跡機能

 

ロジカルセキュリティ機能

4つのユーザレベル(システム管理者、準管理者、ユーザ、モニタ)があり、最大で200人登録可能です。準管理者、ユーザそれぞれ個別にアクセス権限を割り付けられます。
データインテグリティは適切なユーザが適切な情報へアクセスすることが求められています。SMARTDAC+は、様々なアクセス権限をもったユーザを作成可能です。

ロジカルセキュリティ機能

 

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