横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

ブロックチェーンのトークンを用いた行動計測システム

背景

近年、多様な人材の許容や働きがいの創出などによる従業員のエンゲージメントの向上がESG経営において大きなテーマとして扱われています。その中で、従業員が充実感や満足感を得るために、ポイント制度や従業員の感謝スコアなどのアプリケーションが注目されています。
YOKOGAWAでは、従業員などの組織の参加者に対して、働きぶりなどの行動を計測する基盤技術の開発を進めています。また、経営者などの組織の運営者に対して、行動データにもとづくインセンティブ設計支援機能の開発を進めています。

働く人々とデジタルデータのイメージ

 

技術

コミュニティの参加者に対して好ましい行動を促し、参加者の行動を見える化します。また、収集した行動データを見ながら運営者がコミュニティに適切なタイミングで介入して組織の活性化を維持できるようにします。このために、プログラム可能なトークンと、行動データ取得のためのアプリケーションおよびシステムを開発しました。アプリケーションおよびシステムは以下のような特徴を持っています。

  • インセンティブとして、好ましい行動を取った参加者にトークンを付与できます。
  • ブロックチェーンにより、収集した行動データの真正性を保障できます。
  • 効果的に行動を促すために、行動データにもとづいてインセンティブ設計できます。

アプリケーションの特徴

本成果をもとに、2021年10月29日付で、お客様と共同で、日本国内でプラント建設作業者を対象とした実証実験「プラント建設作業者の行動特性を可視化するトークンシステムの実証実験を実施」を行いました。
建設現場における作業者および監督者のタレントや現場の活性度を見える化することで、適切なタイミングで現場運営者が作業者の行動変容と建設現場活性化のための打ち手を打てるようになりました。結果、6割の作業者が好ましい行動を自発的に取るように変化し、7割の監督者が建設現場内の良い変化を受けました。

将来構想

従業員のエンゲージメントの向上を通して組織の活性化に貢献するための仕組み作りを目指します。具体的には、より幅広い行動計測を可能とすることで、現在評価されていない働きぶりや成果の見える化・デジタル化を行います。従来は経験や個人の感覚に頼った組織の運営や改善でしたが、デジタル化することで、データにもとづいた継続的で適切な組織改善が可能となります。また、1つの組織だけではなく、複数の組織横断において様々な参加者の行動変容を促し、トークン・エコノミー*の構築・運営を目指します。

トークン・エコノミー構築のイメージ

*トークン・エコノミー:トークン(法定通貨の代わりとなるもの)などの非金銭的価値を流通させることで出来上がる経済圏のこと。


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