横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

渦流量計

当社渦流量計の歴史

当社は、1969年に世界で初めて渦流量計を販売しました。それから50年以上、長期安定性と高精度により、お客様の生産性向上に貢献しています。50万台を越える販売実績が、YEWFLOシリーズの信頼の証です。そして、2022年にはYEWFLOシリーズの最新シリーズである渦流量計VYシリーズを販売開始しました。

YOKOGAWA 渦流量計の歴史

 

当社渦流量計の歴史は、1969年にフレアスタック向けの挿入型流量計を販売したことにさかのぼります。
1979年には汎用型渦流量計を販売開始し、1981年には現在の検出構造のベースとなるYEWFLO*Cを販売しました。1992年には耐ノイズ性に優れたYEWFLO*Eを市場に投入しました。YEWFLO*Eの構造は最新シリーズであるVYシリーズにも引き継がれています。
2000年には当社独自のデジタル信号処理技術SSPを取り入れたdigitalYEWFLOシリーズを販売しました。自動ノイズ除去や診断機能を取り入れ、渦流量計の新しいステージを開拓しました。
更に、お客様の多彩なアプリケーションとニーズに応えるため、YEWFLOシリーズは絶え間なく進化を続けています。
2002年には、1台で飽和蒸気流量測定を可能とした温度計内蔵形を、2006年には、スマートな配管を実現するレデューサー形を、また、2012年には400Aまでの大口径形をリリースしています。これらの仕様は、当然ながら、渦流量計VYシリーズにおいてもラインナップされています。
そして、2022年には、渦流量計の歴史を引き継いだ、最新の渦流量計VYシリーズを市場に投入することができました。

 

渦流量計 VY シリーズ 製品紹介

VY シリーズは、最新のデジタル技術の採用とYEWFLO シリーズの検出器構造を継承することで、信頼性が増し、使用しやすくなった新しい渦流量計です。強化した自己診断とリモートメンテナンス機能により、効率的かつ計画的な状態基準保全が可能です。
多様化するお客様のご要望にお応えするため、様々な規格を取り揃え、幅広い製品ラインアップを展開しています。
詳細は渦流量計 VY シリーズ製品ページをご確認ください。

  渦流量計 VY シリーズ
一般形 内蔵温度計形 高温形 / 極低温形 レデューサ形
( 1 / 2 サイズ縮小)
高圧形
Vortex Flowmeters General Type Vortex Flowmeters Built-in Temperature sensor Vortex Flowmeters High Temperature / Cryogenic Type Vortex Flowmeters Reduced Bore Type Vortex Flowmeters High Pressure Type
測定可能流体 液体、気体、飽和蒸気、過熱蒸気 (混相流や粘着性、腐食性のある流体を除く)
適用流体温度範囲 -196 ~ 450 ℃ は渦発生体の種類、材質により異なる
接続口径 ウエハ 15 ~ 100 mm
フランジ 一般形: 15 ~ 400 mm
レデューサ形 ( 1 サイズ縮小) : 25 ~ 200 mm
レデューサ形 ( 2 サイズ縮小) : 40 ~ 200 mm
高圧レデューサ形 ( 1 サイズ縮小) : 25 ~ 150 mm
精度 液体 指示値の ± 0.75 % (レイノルズ数により異なります)
気体及び蒸気 指示値の ± 1 % (流速により異なります)

 

製品一覧

  • 渦流量計 VY シリーズ

    横河渦流量計は、1969 年に産業用渦流量計を、1979 年に汎用渦流量計をリリースして以来、渦流量計の代名詞となっています。
    長期安定性と高い信頼性により、お客様の生産性向上に貢献しています。
    全世界でシリーズ累計 50 万台以上の実績を持ち特注仕様含め様々な仕様を提供しています。

  • Product Finder  

    「Product Finder」は、用途や測定条件別に製品を探せるWebツールです。豊富な横河製品の中から、お客様の仕様に沿った最適な製品をお選びいただけます。

詳細

技術情報 - 測定原理 -

渦流量計は「カルマン渦」の原理を利用して、液体、気体、蒸気の流量を測定するものです。その原理を解説します。

渦流量計の動作原理

  • カルマン渦とは?
    ハンガリー生まれの数学者・物理学者 セオドア・フォン・カルマンは、20 世紀初めに、液体または気体が障害物に垂直に流れる時、その障害物の両側に、交互に渦が発生することを発見しました。これらの渦の列は「カルマン渦列」と呼ばれています。

 

カルマン効果とは イメージ1

カルマンは、さらに、渦の発生数がその渦を発生させる流体の流速に比例することを見出しました。この発生数は「カルマン渦周波数」と呼ばれています。カルマン渦周波数と流速との関係は、式(1)で表わされます。さらに渦流量計の内部の構造との関係を表したのが式(2)です。この 2 つの式をまとめて、体積流量で表すと式(3)になります。

式 (1)カルマン効果 数式01

式 (2)カルマン効果 数式02

式 (3)カルマン効果 数式03

f:カルマン渦周波数、St:ストローハル数、v:流速、d:渦発生体の幅、Q:体積流量、D:渦流量計の内径

ストローハル数(St)とは渦発生体の形状、寸法によって決定される無次元数で、形状を適切に選ぶことにより、広いレイノルズ数範囲にわたって一定の値になります。図1 にレイノルズ数とストローハル数の関係を示します。

図1:ストローハル数(St)とレイノルズ数の関係
図1:ストローハル数( St )とレイノルズ数の関係

したがって、ストローハル数をあらかじめ把握しておけば、渦周波数を計測することにより流量を測定することができます。また、体積流量は流体の圧力、温度、密度、粘度などに無関係に測定できることが判ります。しかし、標準(基準)状態における体積流量や質量流量を測定する場合は、温度補正や圧力補正が必要です。

  • 渦周波数の測定方法は?
    渦が形成されて渦発生体(障害物)を通過する時、その部分の圧力が、流体の他の部分に比べて低くなります。この低圧が、渦発生体の両側に圧力差(dp)を生み、高圧側から低圧側に向けて渦発生体に応力がかかります。渦発生位置が規則的に切替わることによって低圧部の位置が入替わるとともに、応力の向きが交代し渦発生体が振動します。この振動の周波数が「カルマン渦周波数」です。
渦周波数の測定方法は?

生成される渦によって渦発生体の両側に低圧部と高圧部が生じ、低圧部に向けて力が働きます。渦の位置が左右入れ替わるにつれてこの力の方向が入替わり、渦発生体が振動します。

 

この振動を測定する手段としていくつかの製品が市販されています。もっとも一般的なのは膜センサと容量センサですが、この用途にもっとも適しているのは圧電結晶センサです。圧電結晶センサは、圧縮されると電気信号を生じ、それを流量計の電子回路で処理します。カルマン渦周波数を測定することによって(ストローハル数と円柱の直径は既知)、流量計の電子回路の簡単な演算で配管を通る体積流量を求めることができます。

関連情報

ニュース

本件に関する詳細などは下記よりお問い合わせください

お問い合わせ

トップ