横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

OpreX Profit-driven Operationのラインアップとして、バッチプロセス向け品質安定化システム「Digital Plant Operation Intelligence」を開発

2018年10月29日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、バッチプロセスの製品品質の安定化を支援するソフトウエア「Digital Plant Operation Intelligence(デジタル・プラント・オペレーション・インテリジェンス)」を開発しましたのでお知らせします。このソフトウエアはお客様のプラントに蓄積されているさまざまなデータを解析し、求める品質からの逸脱の予兆をとらえる品質安定化システムです。本システムに従来の制御システムを組み合わせることで、安心かつ安全で環境変化に対応でき、さまざまな情報を活用して生産革新を成し遂げる「スマート工場」の実現を支援します。
 Digital Plant Operation Intelligence は、過去のデータを、PQCDS(Productivity:生産性、Quality:品質、Cost:原価、Delivery:納期、Safety:安全性)と4M(Material:材料、Method:手順、Machine:装置、huMan:人)といった全体最適の視点から解析し、品質に関わる指標(KPI)を作成する運転評価ツールで、国内向けに11月16日に発売します。また、このKPIを基に、リアルタイムで品質逸脱の予兆をとらえることのできる運転リアルタイム評価システムを国内外とも2019年9月に発売予定です。

開発の背景

 近年、サプライチェーンのグローバル化に伴い、原料サプライヤのサイレントチェンジ(原料の仕様は契約品質範囲内であるが製造設備や工程などが変更されていること)による予期せぬ原料品質の変化や、納入先ユーザからのさらなる高品質製品の要求など、工場を取り巻く環境が大きく変化しています。従来の安定したものづくりに加え、変化する環境に適応していくことは、企業競争力の強化と維持を目指す製造業各社にとって、最優先の課題となっています。
 製造業のお客様は、これらの課題に対し、製造データの解析等に取り組んでいますが、準備に時間がかかる、解析の専門知識がない、ツールが複雑、解析結果をものづくりに生かすことが困難であるなど多くの悩みを抱えています。
 これらを解決するために、当社は、バッチプロセスの製造現場での活用を目的とした品質安定化システム「Digital Plant Operation Intelligence」を開発しました。

システムの特長

 Digital Plant Operation Intelligenceは、Windows®が搭載されたPC上で動作し、プラント情報管理システム(PIMS)に蓄積された温度、流量などのデータ、ラボ情報管理システム(LIMS)に蓄積された品質データや原料データを入力して解析を行い、品質にかかわる指標を作成します。この指標を製造中に監視することで、求める品質からの逸脱の予兆をとらえ、逸脱を未然に防ぐための対策の実施を支援します。主な特長は以下のとおりです。

  1. 品質改善のPDCAサイクル全体をサポート
     改善活動にはトライ・アンド・エラーを繰り返すアプローチが必要となるため、お客様自身で品質改善および維持を行うPDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルを迅速かつ確実に実行できることが必要です。今回発売する運転評価ツールでは、現場に蓄積された温度、流量などのプロセスデータ、研究室に蓄積された品質データや原料データをPQCDSと4Mといった全体最適の視点で解析し、品質に関わるKPIを作成します。2019年9月には、KPIを運転中に監視し品質逸脱の予兆をとらえることができる運転リアルタイム評価システムを発売します。品質逸脱の予兆をとらえることができれば、お客様は過去の経験や想定していた対策から最適な措置を講じることができます。
  2. AI(人工知能)を実現する技術の一つである機械学習を活用した改善活動が現場で可能
    本ソフトウエアでは、機械学習、品質工学などの高度な技術を品質改善に生かすことが可能です。データ収集、データ相互の関連付け、解析作業などお客様の現行の業務に沿って支援できる機能が備わっており、特別な知識がなくても簡単に利用できます。また、機械学習にプロセス理論や製造現場でのノウハウを融合することで、結果に対する納得感を生み出し、改善業務の定着を可能にします。年間ライセンス契約のため、初期費用が抑えられ、導入しやすいこともメリットです。

Digital Plant Operation Intelligence 画面イメージ
Digital Plant Operation Intelligence 画面イメージ
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主な市場

機能性化学、医薬品原薬製造などのプラント

主な用途

工場のクレーム削減、歩留まり向上、生産現場の品質改善活動の効率化、品質保証・品質管理部署による品質検査の強化

今後の展開

 当社は、今後もお客様の工場内のさまざまなデータや人材の英知を結集して競争力を生み出していく活動を支援するさまざまなソリューションを開発し、お客様の継続的な成長、発展に貢献していきます。

OpreXとは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control、OpreX Measurement、OpreX Execution、OpreX Lifecycleの5つのカテゴリーから成り立ち、Digital Plant Operation Intelligence はOpreX Transformationのソリューションの一つであるOpreX Profit-driven Operationに属します。OpreX Transformationは、企業活動全体を俯瞰し、生産からサプライチェーン、リスク管理や経営までの領域を含む卓越したオペレーションを実現する包括的ソリューションを意味します。
 YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。

以上

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