横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

IIoTを実現する小型無線センサ「Sushi Sensor」の第一弾として振動・温度センサを開発・発売

2017年11月16日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、プラント内のさまざまなデータを収集してIndustrial IoT(IIoT)を実現する、通信機能とセンサ機能が一体となった小型無線センサ「Sushi Sensor®(スシセンサ)」を開発、第一弾として振動と温度の両センサを内蔵した無線センサを、2018年3月より国内で発売しますのでお知らせします。プラント設備の振動と表面温度をオンライン監視することで、設備異常の早期発見や故障の予知などのプラント保全に貢献します。

Sushi Sensor
Sushi Sensor

開発の背景

 プラントにおいては、生産性向上や設備保全の効率向上に対する意識の高まりから、より多くのデータを収集したいというニーズは高まっており、配線が困難な場所にも容易に設置でき、有線センサに比べ敷設コストを抑えられる無線センサの需要が増加しています。

 プラントにあるコンプレッサー、ポンプ、モーターといった設備や機器の振動や表面温度を短い周期で測定し、そのデータをオンライン監視することで、設備異常の早期発見や故障予知に貢献します。重要な設備や機器には、有線センサを設置して監視していますが、導入コストや配線などの課題から、多くの設備や機器は、保全員が巡回して点検しています。そのため、これらの機器についても、低コストで簡単に設置可能な振動や温度の無線センサを導入して、保全効率を高めたいというニーズが高まっています。

 当社は、このニーズに対応し、IIoTの通信インフラとして注目されている、省電力・長距離の通信を実現する広域無線通信方式LPWA(Low Power Wide Area)※1の1つであるLoRaWAN™※2に対応した小型無線センサ「Sushi Sensor」を開発しました。当社はすでに実績のある、高信頼・高機能を特長とするフィールド無線通信規格ISA100 Wireless™※3に準拠したフィールド無線システムをプラントの安定操業と安全操業に貢献する無線ソリューションとして提供しております。今回「Sushi Sensor」を活用したシステムをプラントの設備保全に貢献する無線ソリューションとして、ご提案します。お客様は目的に応じて最適なソリューションを選択できるようになります。

※1 LPWA(Low Power Wide Area):
低消費電力で、数キロメートルを超える長距離通信を実現できる広域無線通信方式。IIoTの通信方式として注目されている

※2 :LoRaWAN
LPWAの一種で、世界500社以上のIoT関連企業・ユーザが参画するLoRa Allianceによって推進されるオープンな規格

※3 :ISA100 Wireless
ISAが推進するインダストリアル・オートメーション用無線通信規格ISA100.11aに基づく通信技術とそれを実現するアプリケーション

新製品の特長

  1. 耐環境性に優れたプラント向けIIoTに適したセンサ
     新しい価値をもたらす技術としてIoTが注目され、市場にはすでにIoTに適した振動センサや温度センサがありますが、屋内用が主流でした。「Sushi Sensor」は、耐環境性が要求されるプラントに導入できる、屋外設置可能な、IIoTに適した小型無線センサです。振動と温度の両方を測定します。
  2. プラントに容易に導入
     長距離通信を実現する通信方式LPWAに対応したことで、通信距離を延長するために必要な中継器の設置が不要となります。電池で駆動するため、電源の供給も不要です。また、「Sushi Sensor」は小型・軽量のため設備や機器に簡単に設置できます。
     さらに、近距離無線通信(Near Field radio Communication:NFC)※4に対応したことで、センサの設定とデータ監視を、スマートフォン上の専用アプリから容易に行うことができます。
    ※4 近距離無線通信(Near Field radio Communication:NFC) 数センチ程度の近距離無線通信技術。事前設定することなく、簡易な操作でデータをやりとりができる。
  3. クラウドサービスとスマートフォンで監視
    「Sushi Sensor」のデータ監視は、LoRaWANのゲートウェイを経由してクラウド環境で行うか、NFCによりスマートフォンの専用アプリで行うことができます。プラントの運転員や保全員は、遠隔地からでも現場でも、設備の振動や温度を把握することができます。

    システム構成

    [システム構成]
     「Sushi Sensor」で収集したデータを、LoRaWANのゲートウェイを経由してクラウドに送信し、設備や機器状態の傾向監視を行います。クラウド環境として、当社の子会社で国内制御事業を担う横河ソリューションサービス株式会社が提供している、価値共創環境「GRANDSIGHT」を活用することができます。

主な市場

石油、石油化学、化学、鉄鋼、鉱業、ガス、電力、紙パルプ、薬品、食品、上下水道などのプラント

用途

上記プラントで使用される、コンプレッサー、ポンプ、モーター、ファン、コンベアなどの設備や機器の振動と温度の測定

「Sushi Sensor」によるIIoTソリューション

 「Sushi Sensor」のデータがクラウド上に共有され、AIによる分析や機械学習処理などによる設備の寿命予測、劣化診断が可能になり、プラント保全やエネルギー管理に貢献する、新たな価値が創出されます。当社は今後、「Sushi Sensor」のデータ分析を行うアプリの開発を行い、「Sushi Sensor」と組み合わせたIIoTソリューションとして積極的に提案していきます。

以上

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