横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

プラントのタンク貯蔵物の液面の高さ(レベル)測定に最適なレーダーレベル計「PULS64」を発売

2017年10月20日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、石油、化学、電力、上下水道、食品などの各種プラントでタンク貯蔵物などの液面の高さ(レベル)を測定するレーダーレベル計「PULS60」シリーズの新ラインアップとして、「PULS64」を、10月20日に発売しますのでお知らせします。

 「PULS64」は、これまでレーダーレベル計では測定が難しかった、油や泡が浮いている液体のレベル測定に適しており、またタンク内に攪拌機など測定の障害となるものが設置されている箇所でも安定して測定できます。これにより、レーダーレベル計「PULS60」シリーズの測定対象が拡大します。

レーダーレベル計「PULS64」
レーダーレベル計「PULS64」

ラインアップ強化の背景

 各種プラントのタンク貯蔵物などのレベルを測定する場合、液状、粉状といった測定対象の性状によって測定条件が大きく変わります。このため、レベル計メーカには、測定原理の異なるレベル計を幅広く揃えていることが求められ、当社は、差圧式、超音波式、ガイドパルス式、およびレーダー式のレベル計をラインアップし、レーダーレベル計は2000年から販売してきました。

 レーダーレベル計は、測定対象物と非接触で測定できるため、取り付けが簡単で、温度、圧力、組成の変化などの周囲環境や、測定対象の密度、表面の波立ちや凹凸などにも影響されにくい特長があります。このため、レーダーレベル計は市場の拡大が見込まれています。

 今回当社は、レーダーレベル計「PULS60」シリーズのラインアップを拡大し、従来のレーダーレベル計では測定が困難だった箇所でも測定できる、液体用のレーダーレベル計「PULS64」をラインアップに加えました。2016年3月に発売し、「PULS60」シリーズの他の製品と比べ設置場所の制約や調整作業を大幅に改善した粉体レベル測定用「PULS69」と、新製品の液体レベル測定用「PULS64」の2機種を主軸とした、機種選定しやすいラインアップが完成しました。

製品の特長

  1. 測定対象アプリケーションが拡大
     「PULS64」が測定対象物に向けて発信する電波の周波数は、80ギガヘルツ(GHz)です。従来機種より高い周波数を用いることで、アンテナの小型化と狭い電波放射角が実現しました。小型化により、これまでは取り付けが困難だった小型のタンクの上部にも設置できます。また、発信電波の放射角が狭いことで、タンク内に攪拌機など測定の障害となるものが設置されている箇所でも安定して測定できます。
     さらに今回、測定方式を見直したことで、「PULS60」シリーズの他の製品に比べ受信感度が約200倍以上向上しました。その結果、油のように電波を反射しにくい液体や泡が浮いている液体のレベルも、より安定した測定をすることが可能になりました。

    ※電波放射角:
    レーダーレベル計が被測定対象物に対して発信する電波は、放射状に広がります。電波の照射強度が真正面と比較して半分になる角度を電波放射角と呼んでいます。測定対象物への放射領域が狭いほど、タンク内の障害物の影響を受け難くなります。
  2. メンテナンス工数を削減
    タンクに液体を投入する際や攪拌機で飛び散った液体がレーダーレベル計のアンテナに付着したり、温度によっては結露したりすることがあります。そのため、測定精度を維持するためには、こまめな清掃が必要でした。「PULS64」は、アンテナ形状を工夫するとともに、付着・結露しにくい材質を用いました。また、アンテナの受信部に付着物や結露があると、受信する電波の強度に影響しますが、影響を排除する独自の信号処理機能を備えたことで、付着物や結露があっても継続して測定できます。

主な市場

石油、石油化学、化学、電力、食品、薬品、鉄鋼、窯業、上下水道など

用途

タンクやサイロなどの貯蔵物の液面の高さ(レベル)の測定

以上

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