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2017年9月プレスリリース

2017年9月5日発表

ハイスループット細胞機能探索システム「CellVoyager® CV8000」開発・発売 ~新薬開発のスピードアップや最先端の生物学・医学の基礎研究の効率向上を支援~

CellVoyager CV8000

CellVoyager CV8000

横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、ハイスループット細胞機能探索システム「CellVoyager®(セルボイジャー)」の機能を強化した「CellVoyager CV8000」を、本日発売しますのでお知らせします。

今回の機能強化では、より長時間の細胞の挙動観察を可能にするために、システム内の細胞培養スペースの密閉性を強化しました。また、非染色細胞の画像と三次元画像も解析可能な、画像解析ソフトウエア「CellPathfinder(セルパスファインダー)」をラインアップに加えました。医薬品市場における新薬開発のスピードアップやiPS細胞やES細胞など最先端の生物学・医学の基礎研究の効率向上に貢献します。

当社は本製品を、9月19日、20日にスペイン マドリードで開催される、世界的なライフサイエンス学会Society for Laboratory Automation and Screening(SLAS)主催のSLAS Europe High-Content Screening Conference 2017に出品します。

開発の背景

新薬の開発の現場では、新薬の候補となる数十万から百万もの化合物の中から有望なものをふるい分ける(スクリーニングする)ために、ハイコンテントアナリシス(HCA)システムの利用が広がっています。HCAシステムは、細胞に薬の候補となる化合物を投与し、投与されたことで起こる細胞内の変化を顕微鏡用カメラで撮影し、解析して化合物投与による細胞の反応を確認する装置です。近年は、薬の候補となる化合物の種類が増え、スクリーニング時間を短縮するために、一連の作業を高速に自動でテストできるHCAシステムの重要性が高まっています。

薬効やそのメカニズムを確認するためには、対象となる培養細胞の反応を長時間にわたって観察する必要があります。そのため、HCAシステムにも、細胞を長時間培養しながら観察できる環境が求められています。

また、細胞を蛍光染色することで観察したい核やミトコンドリアなどの小器官が蛍光発色し、顕微鏡での観察が容易になりますが、一方で蛍光染色による細胞への影響を排除し、非染色のまま細胞の挙動を観察するニーズが増えています。手間のかかる染色作業が不要になることは、スループットの大幅な向上も期待されます。しかし、非染色の細胞の画像は、染色細胞の画像と比較してコントラストが弱いことから、画像の自動解析が難しいという課題がありました。

「CellVoyager CV8000」は、これらのニーズに応える新製品です。

製品の特長

  1. 生きた細胞をより長時間の観察を可能にする培養環境
     「CellVoyager」は、細胞に化合物を投与しながらの撮像が可能で、投与前後の経時変化を観察できるという特長がありますが、数百のくぼみを持つ細胞培養プレートを収納する細胞培養スペース(ステージインキュベータ)で培養されている細胞に化合物を投下する機構が必要になり、完全な密閉状態を維持することが困難でした。今回当社は、機構を見直してステージインキュベータの密閉性を高めたことにより、インキュベータ内の二酸化炭素濃度を均一化させ、プレート上の細胞をより均一な環境で培養することを可能にしました。これにより、細胞の活発な活動を長時間持続させることができます。化合物投与や遺伝子改変を行った生きたがん細胞の増殖する過程やがん細胞が移動する過程の観察に加え、心筋細胞の拍動のような生きた細胞の現象の長時間観察に最適です。
  2. 非染色細胞や三次元細胞を解析するソフトウエア
     「CellVoyager CV8000」の付属品として、画像解析ソフトウエア「CellPathfinder」を開発しました。機械学習によるパターン認識機能を持ち、非染色細胞を撮影した明視野顕微鏡※1による画像の認識・解析を行うことができます。この機能は、2015年にフィンランドのチップマンテクノロジーから譲渡された画像解析技術を応用し、独自に発展させたものです。異なる高さで細胞を撮影した複数の明視野画像を重ねることでコントラストが鮮明になり、位相差レンズ※2を用いることなく、細胞の形状を鮮明に可視化できます。さらに、今回新たに開発したパターン認識機能を用いて可視化した画像を解析して、細胞増殖の経時変化等を正確に把握できるようになります。また、生体内に近い立体的な構造を持つ細胞の挙動観察のニーズに対応して三次元画像解析機能も搭載しました。この機能により、体積や表面積、細胞の位置情報を簡単に定量化します。「CellPathfinder」は、細胞を高精度に定量化する装置である、当社の共焦点定量イメージサイトメーター「CQ1」にも活用できます。
※1 明視野顕微鏡:
蛍光染色されていない対象物を、ランプなどの光源で照らして観察する最も一般的な顕微鏡
※2 位相差レンズ:
明視野顕微鏡と組み合わせることで、無色透明な対象物をコントラストのある画像として観察できるレンズ
  1. 多色染色細胞の撮影時間の短縮
     撮影は、核やミトコンドリアなど細胞の小器官ごとに反応する蛍光染料で染め分けた細胞に、その色に対応する波長のレーザーを投射して行います。蛍光染料の波長別にカメラが必要なため、波長の種類と同じ数のカメラがない場合は、波長別に撮影を繰り返す必要があります。今回、搭載可能なカメラ数を、当社従来製品「CellVoyager CV7000」の3台から4台に増やしました。多色染色細胞の多くが4色以内で染色されていることから、ワンショットで撮影できます。4色での撮像をする場合、「CellVoyager CV7000」に比べ、約20%以上の撮影時間の短縮が実現します。さらに、連続して撮影できるため、化合物を細胞に投与した瞬間の急激な変化の観察も可能になります。
     また、投射可能なレーザーの波長の種類を従来製品の4種類から5種類に増やしてお客様の選択肢を拡げました。機能を強化しながらも、「CellVoyager CV7000」と比較して約4割の小型化と約2割の軽量化を実現し、研究室の省スペース化に貢献します。
  2. 業界最高クラスのピンホールサイズのニポウディスク搭載
    「CellVoyager」は、マイクロレンズ付きニポウディスク※3式共焦点技術を採用しています。「CellVoyager CV8000」は、ピンホール径が50μmの従来のディスクに加え、25μmのディスクの双方を搭載できます。25μmのディスクでは、細胞の詳細な構造を高精細な画像で見ることが可能です。蛍光染料が薄く、光量が少ない細胞の観察には従来の50μmのディスクが適していますので、ユーザは観測するサンプルによって2種類のピンホール径のディスクを使い分けて鮮明な画像を取得することができます。
※3 ニポウディスク:
多数のピンホールが渦巻き状に配置された、レーザー光を集光するための回転円板

主な市場

医薬品メーカの研究部門、創薬研究機関、生物学・医学の基礎研究機関

用途

新薬の候補化合物探索、iPS細胞やES細胞の再生医療・創薬応用研究、細胞機能の解析、組織形成の研究

CellVoyagerとは

ハイスループットスクリーニング (HTS)システムは、新薬の候補となる化合物のスクリーニングを高速で行うシステムです。スクリーニングの手法にはいくつか種類がありますが、対象細胞の顕微鏡画像データから、個々の細胞内の経時変化を複数のパラメータにより解析する、高精度で客観的なスクリーニング手法であるハイコンテントアナリシス (HCA)を採用したシステムが、HCAシステムです。当社の「CellVoyager」は、高速スクリーニングが可能なHCAシステムです。細胞を生きたままリアルタイムに観察できる共焦点スキャナユニット、多数のサンプルを高速に観察するため半導体や液晶製造装置などに向けて開発した精密位置決め技術による駆動機構で構成されたシステムです。2009年に初代となる「CellVoyager CV6000」を発売、2011年には「CellVoyager CV7000」を発売しました。業界最速のスクリーニング※4、業界最高の分解能※4の高い性能と、化合物を投与しながらの撮像により投与前後の細胞の変化も観察できる機能などが評価され、新薬開発のスピードアップや最先端の生物学・医学の基礎研究の効率向上に貢献してきました。

※4 2017年9月現在 当社調べ

以上

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