横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

2020年横河技報[Vol.63 No.2]

No.2 SDGsに貢献するYOKOGAWAのシステム事業 特集

巻頭言 いまこそSDGsの実現を (PDF:793KB/2ページ)

  • 上原 茂義*1

*1執行役員,IAシステム&サービス事業本部長


SDGs貢献度の可視化とビジネスチャンスとしての活用 (PDF:815KB/6ページ)

  • 藤井 靖之*1

*1 IAシステム&サービス事業本部 システム事業センター

   SDGsが2015年の国連総会で採択されて以来,その実施主体のひとつである企業においては,SDGs達成へのコミットメントの表明競争が一段落し,より具体的な行動と成果が問われる段階に達している。企業のSDGs貢献度は,ESG(Environmental, Social and Governance)投資に見られるように,その企業の社会的価値の計測指標として用いられ始めている。企業がこのSDGs貢献度を計測し向上させるためには,企業活動とSDGsとの関連性を具体的な形で可視化する必要がある。
   IAシステム&サービス事業本部では,顧客価値とその構成要素を階層的に分解して整理するフレームワークの検討を進めている。このフレームワークにより,個々の要素の顧客価値およびSDGsへの貢献が視覚化されると同時に,事業戦略上の不足要素の導出や,新たな視点でのSDGs貢献可能性の導出にもつながる。本稿では,この取り組みの概要を紹介し,YOKOGAWAのシステム事業がSDGsを具体的な事業戦略の道具として活用しようとしている姿を説明する。


セマンティックデータモデルベースのプラットフォームによるプラントライフサイクルにわたる設計データの活用 (PDF:1553KB/6ページ)

  • 石 建信*1
  • 神戸 隆宏*1

*1 IAシステム&サービス事業部 システム事業センター 事業製品企画部

   YOKOGAWAは,オントロジー技術をデータベースの運用・管理に応用することで,設計の目的や担当が異なるために複数のシステムで作成された設計データ間の整合性を検証し,相互利活用を可能とするプラントデータ変換プラットフォームを開発している。このプラットフォームを用いることで,プラント設計と計装システム間のデータ乖離や不整合を迅速かつ確実に解決し,絶えずその信頼性を担保することができ,高品質なエンジニアリングサービスを提供することが可能となる。本稿では,プラントデータ変換プラットフォーム技術がSDGsにも通じる社会課題の解決にいかに貢献するかをValue Architectureを用いて分析し,さらに,その要素技術を活用事例とともに解説する。


Yokogawa DCS製品のハードウェアにおけるSDGs達成に向けた取り組み (PDF:1074KB/6ページ)

  • 大脇 康裕*1

*1 IAシステム&サービス事業本部 システム開発センター システムハードウェア技術部

   横河電機のDistributed Control System(DCS)をお客様が長年安心して使用できるための重要なキーワードとして,高信頼性が挙げられる。高信頼性の実現には,DCSの設計における信頼性はもとより,DCSがお客様のプラントのライフサイクル(稼働,保守交換,設備更新,および廃棄)をどのようにサポートしていくかが鍵となる。この取り組みは,2015年に提唱されたSDGs,つまり経済,社会,環境の3つの分野における持続可能な開発にもつながる。
   本稿では,横河電機のDCSが,お客様のプラントライフサイクルやSDGs達成に対してどのように貢献できるかについて,DCSの特徴とともに説明する。


Contribution of Asset Excellence to Sustainable Plant Operations (PDF:2414KB/4ページ)

  • Stephen Weng*1

*1 Singapore Development Centre (SGDC) R&D1, Yokogawa Engineering Asia Pte. Ltd.

   Smart field instruments have been used in process plants for more than 40 years. The pace of implementation accelerated in the early 21st century when full-scale smart field instruments became essential for the construction of new large-scale process plants. However, the various tools used in the past to manage smart field instruments could not take full advantage of their potential. A new category of automation system, called plant automation management system or asset management system, became the de facto basic component of process automation systems. Yokogawa Electric Corporation’s answer to this market demand was Plant Resource Manager (PRM), which was released in 2001. Subsequently, a suite of products and services was developed, and Yokogawa launched the Asset Excellence initiative in 2006 to help users realize operational excellence. Today, PRM is one of the core solutions offered by Yokogawa’s new OpreX Transformation brand for asset management and integrity. This paper explains the three main product features of PRM from the perspective of the Sustainable Development Goals (SDGs): (1) centralized asset management; (2) device lifecycle management; and (3) diagnostics for predictive maintenance. This paper is intended for readers with a background in industrial automation but who may not be familiar with PRM. The paper will give readers a good understanding of the product features of PRM and their relation to the relevant SDGs.


SDGsに貢献するセキュアな製品の開発のためのYOKOGAWAの取り組み (PDF:913KB/6ページ)

  • 星野 浩志*1
  • 辻 宏隆*1

*1 IAシステム&サービス事業本部 ライフサイクルサービス事業部 サイバーセキュリティ統括部

   プラント事業者や重要インフラ事業者が,自らの設備を最大限に活用して顧客に価値を提供するためには,設備の長期安定稼働が必要である。その実現のためには,事業者はセキュリティ的に強い設備(セキュアな製品)を導入し,社会の基盤となるその設備をサイバーセキュリティの脅威から守る必要がある。これは,レジリエントな社会インフラの構築(SDGs9)を目的とした取り組みである。しかし,セキュリティ対策の基本となる脆弱性対応は,一般的に機能改善(利便性向上)や開発効率向上に寄与しないために製品開発の中で後回しにされやすい。YOKOGAWAは社会インフラを担う企業として,経済合理性を追求しつつ,脆弱性のような個々の事業組織だけでは解決できない問題にも対処する必要がある。そのためには,企業全体としてのガバナンス,開発プロセスへの取り組み,およびそれを支援する仕組みが必要となる。本稿では,YOKOGAWAのセキュアな製品の開発を目指した取り組みとして,その基盤となる規程や体制,およびセキュア製品開発プロセスであるSecure Development Life Cycle(SDLC)の整備および認証取得活動について紹介する。


「リモートでのエンジニアリングおよびFAT」を利用したプロジェクト遂行の有用性と社会への貢献 (PDF:1747KB/6ページ)

  • 小澤 武史*1
  • 武田 直也*1
  • 久保田 秀樹*1

*1 IAシステム&サービス事業本部 グローバルプロジェクトデリバリー事業部 エンジニアリング生産技術部

   横河電機は,Integrated Control and Safety System(ICSS)のプロジェクトを数多く手がけてきた。その中で,リモートでのエンジニアリングおよびFactory Acceptance Test(FAT)に数年前から取り組み,アプリケーションの開発やテストに利用してきた実績がある。これは,CENTUM VPの制御ステーションやProSafe-RSの安全制御ステーションのシミュレータ機能とそれを利用したテスト,および通信ネットワーク技術を活用したものである。さらに最近では,COVID-19による健康被害への脅威や外出規制もあり,プロジェクトの全関係者が「いつでも・どこでも・誰でも」利用できる環境への要求はますます強まっている。
   リモートでのエンジニアリングおよびFAT環境は,SDGsが掲げる感染症対策(No. 3.3),エネルギー削減による気候変動への対策(No. 7.3,13.3)に寄与している。さらには,生産的な新しいライフスタイルを実現する手段を提供することにより,働きがいと経済成長の両立(No. 8)や持続可能性の向上(No. 9.4,12.6)にも貢献できると考える。
   本稿では,横河電機が提供するエンジニアリングおよびFAT環境の構成と実績,将来に向けたより効率的なプロジェクト遂行の構想と課題を記述する。


統合ダイナミックシミュレーション環境OmegaLandによるSDGsへの貢献 (PDF:2899KB/6ページ)

  • 深野 元太朗*1

*1 株式会社オメガシミュレーション パッケージ部

   株式会社オメガシミュレーションは,横河電機株式会社と三井化学株式会社の合弁会社として1997年に設立された。横河電機が持つ計装・制御技術と,三井化学が持つモデリング・シミュレーション技術を融合させ,プラント運転の進化に寄与するさまざまな製品およびソリューションをお客様に提供している。統合ダイナミックシミュレーション環境OmegaLandと,その中核となるプラントシミュレータVisual Modelerは,当社が開発したパッケージソフトウェアである。本稿では,教育,エネルギー,環境に関連するSDGsの課題に対して,当社のOmegaLandによるソリューションがどのような貢献を成し得るか,事例を交えて紹介し,将来の展望について述べる。


ディジタル圧力計MT300開発における直線性改善の取り組みと同期測定技術の活用 (PDF:1160KB/6ページ)

  • 栗原 寛法*1
  • 山下 英昭*1

*1 横河計測株式会社 技術開発本部 第3技術部

   シリコンレゾナントセンサを搭載することによって優れた長期安定性を実現したディジタル圧力計MTシリーズは,製造,研究・開発,校正など,産業分野において広く使用されている。国家計量標準機関において国家標準の国際比較の仲介器(Transfer standard)として使用されている実績もある。しかし,従来のMTシリーズは,長期安定度は良好であるものの直線性には改善の余地があった。この問題を解決すべく,我々は産業技術総合研究所 計量標準総合センターと共同研究を行い,共同研究で得られた調整技術を用いて新ディジタル圧力計MT300を開発し,販売に至った。本稿では,産業技術総合研究所 計量標準総合センターによる評価結果を交えて直線性を改善した技術を紹介するとともに,調整に使用した同期測定機能についても解説する。


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