横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

プロセスガスクロマトグラフ

横河電機は、プロセスガスクロマトグラフ発売以来50年以上に渡り、高精度で信頼性のあるプロセス分析のソリューションを提供し続けてきました。お客様の多様なニーズに対応すべく、絶えず進化させています。このため横河電機のガスクロマトグラフは、世界のガスプラント、製油所、石油化学産業など幅広い分野で長年使用されています。

ガスクロマトグラフについて

  • プロセスガスクロマトグラフ GC8000

    優れた操作性を持つ12インチの大型カラータッチパネルや、幅広いアプリケーションに対応するフレキシブルなマルチオーブン構造など、測定効率の向上に重点をおいて開発した新世代のプロセスガスクロマトグラフです。
    新たに開発したGCモジュールにより、1台で複数同時分析を可能にしました。

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詳細

ガスクロマトグラフィーとは

多成分の混合気体や揮発性の液体を、クロマトグラフィーにより単一の成分毎に分離して検出する定性・定量分析手法を指します。
ガスクロマトグラフィーでは、移動相には気体、固定相には吸着剤や不揮発性(高沸点)液体を用い、サンプル中の成分毎に固定相との相互作用(吸着性あるいは分配係数など)が異なることを利用して成分を分離します。測定サンプルの適用範囲が気体および沸点300℃程度までの揮発性液体と広範であり、装置(ガスクロマトグラフ)の構成がシンプルで保守性が良いため汎用されています。

 

ガスクロマトグラフとは?

  • ガスクロマトグラフィーを行う装置のことをガスクロマトグラフ(GC)といいます。GCの基本構成を以下に示します。一定温度に制御された恒温槽の中で、サンプルバルブによりプロセスサンプルが一定量採取され、キャリアガスによりカラムに導入されます(キャリアガスはサンプルバルブ→カラム→検出器の順に定常的に流れます)。
  • カラムの中で多成分のプロセスサンプルが単一成分毎に分離され、順番に溶出します。カラムから溶出した成分を検出器で電気信号に変換することでクロマトグラムが得られます。このクロマトグラムのそれぞれの成分のピーク面積から濃度を算出します。
  • キャリアガスは、安定なこと、検出器信号のバックグラウンドとして影響の少ないことが求められます。H2、He、N2、Arなどの無機ガスが用いられます。

ガスクロマトグラフィーとは

 

カラムによる成分分離

  • キャリアガス(移動相)によってカラムに搬送されてきた多成分混合ガス・サンプル中の各成分は、各成分特有の分配係数(※)に応じた一定の割合で、固定相への溶解と固定相からの溶出を繰り返しながらカラム内を移動します。移動速度は、分配係数により異なりますので、多成分混合ガス・サンプルは徐々に成分ごとに分離され、移動速度の速い成分の順にカラムから送り出されることになります。
    図はカラムに搬送されてきた多成分混合ガスが、時間の経過とともに各成分に分離していく様子を模式化して示したものです。

    ※ 分配係数: 注目する成分が平衡状態で移動相と固定相に存在する濃度比をいい、移動相に存在する濃度を分母としたものです。

カラムによる成分分離
カラムによる成分の分離模型図

 

ガスクロマトグラフィーとその種類は何ですか?

成分分離の機構による分類

吸着型:
固定相に対するサンプル成分の吸脱着性の違いを利用して分離します。固定相として、活性炭、合成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、ポーラスポリマーなどを用います。H2,N2,CO2などの無機ガスや、CH4,C2類,C3類など低沸点の炭化水素ガスの分離に汎用します。

分配型:
固定相に対するサンプル成分の溶解度の違いを利用して分離します。固定相として、無極性のシリコンオイルや今日極性のポリグリコールなど、さまざまな高沸点液体を多孔質材の表面やカラム内壁に塗布して使用します。主に、炭素数4以上の沸点の有機物(炭化水素、アルコール類、有機酸類など)の分離に汎用します。

 

カラム種類による分類

オープンチューブカラム:
内径0.1 mm~0.5 mm程度の中空パイプの内面に固定相となる粉体や液体をコーティングしたカラムです。外装をポリイミドコーティングしたフューズドシリカ製パイプや、不活性表面処理を施したステンレス製パイプが用いられます。長さは数十mで汎用します。パックドカラムと比較して分離性能が高くなっています。

オープンチューブカラム

パックドカラム(充填カラム):
内径数mmの管に固定相となる粉体(充填剤)を詰めたカラムで、プロセスガスクロマトグラフでは内径1~2mmのステンレス製パイプを使用したパックドカラムが主流です。長さは数m程度。充填剤の種類が豊富であり、分離特性の選択肢が多いです。

Packed column

 

ガスクロマトグラフィーで使用される/使用されない検出器の種類は?

検出器の分類

検出器 測定対象 濃度範囲(目安) 特徴
熱伝導度検出器 ほぼすべての成分 数10 ppm – 100% 広い範囲で適用できる
キャリアガスのみの供給で動作する
水素炎イオン化検出器 炭化水素 1 ppm – 100% 炭化水素を高感度に検出できる
燃焼用の水素ガス・空気が必要になる
炎光光度検出器 硫黄化合物 H2S, SO2, etc. 1 ppm – 1000 ppm 含硫黄成分を高感度に検出できる
燃焼用の水素ガス・空気が必要になる

 

熱伝導度検出器(TCD:Thermal Conductivity Detector)

熱伝導度検出器は、測定成分の熱伝導度とキャリアガスの熱伝導度との差を利用して、ブリッジ回路に生じる不平衡電圧を濃度信号として取り出します。
図は、熱伝導度検出器の原理を示したものです。図のように各々2 個のフィラメントを持ち、常にキャリアガスだけが流れる流路と、カラム出口と接続され分析時には測定成分とキャリアガスが通過する流路の2 つの流路があります。そして、流路内のフィラメントは、互いに他方の流路のフィラメントが隣接する形で、ブリッジ回路を構成しています。ブリッジの不平衡電圧は、測定ガス(液)成分の濃度に比例します。
熱伝導度検出器は、測定ガス(液)成分濃度測定用に最も広く使用されています。

熱伝導形検出器・原理図
熱伝導形検出器・原理図

水素炎イオン化検出器(FID:Flame Ionization Detector)

水素炎イオン化検出器は、測定成分(炭化水素)中の炭素が高温の水素炎中でイオン化することを利用して、高電圧を印加した電極間に流れるイオン電流を濃度信号として取り出します。イオン電流は、おおむね炭素数に比例します。
水素炎イオン化検出器は、低濃度の炭化水素を含むガス(液)の成分濃度測定に使用されます。

水素炎イオン化形検出器・原理図
水素炎イオン化形検出器・原理図

炎光光度検出器(FPD:Flame Photometric Detector)

過剰水素炎中に硫黄成分を含む測定ガスが導入されると、硫黄の原子を含む化合物が励起されます。この励起された元素が基底状態に戻るときに出る光の強度を光電子増倍管で検出し、電圧信号として取り出します。この電圧信号は、測定ガス中の硫黄成分の濃度を表しています。
炎光光度検出器は、硫黄成分を0.2 ppm まで高感度に測定できます。

炎光光度検出器の構成図
炎光光度検出器の構成図

ラボ用ガスクロとプロセス用ガスクロの違いは?

分析計の種類  ラボ GC プロセス GC
目的 監視,多目的 監視,制御
計測タイプ バッチ 連続バッチ*
計測対象 汎用 特定成分
サンプリグ マニュアル 自動
分析周期 数分 -3時間 2分未満-120 分
構造 非防爆 防爆/非防爆

* 連続バッチとは
連続プロセスに対して,非連続な計測(バッチ計測)を行うことです。GC はガスを一定量でサンプリングし、サンプルの成分を分離することで成分濃度を分析します。サンプルを分析し終えるまで次のサンプリングを行えないことから、分析周期が存在します。

 

ラボ用とプロセス用ガスクロの違い

ラボ用ガスクロは、実験ベンチなどに置かれ、マニュアルによるバッチ検査でガス中に含まれる未知の成分を分析調査する汎用装置です。
手動で対象物をサンプリング設定し、数分から数時間かけて成分を分析します。実験室など清浄な環境に置かれるため、非防爆です。
一方プロセス用分析は、プラント設備内の工場や監視室に置かれ、人の手を介さずに自動で連続的にバッチ処理し、特定成分を抽出/分析/制御します。
プロセスに応じて測定対象があらかじめ設定されており、その含有量を連続バッチ処理にて自動測定します。
試験室などの清浄な環境とは異なり、工場内や屋外に準じた環境に設置されることも多く、防塵・爆発の可能性もある危険ガス雰囲気でも設置できるよう、防爆規格に対応しています。分析時間は、2分未満から120分となっています。

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