概要
Skangass AS, Stavanger, Norway
Skangass AS(スカンガス 合資会社)は、中規模の低炭素排出エネルギープラントの構築と運用を目的に2007年にLyse Gass AS(リセ ガス 合資会社) の100%出資により設立されました。同社は最近、Sola(ソラ)地方Risavika(リサフィカ)にLNG生産年間30万トンの天然ガス液化プラントを建設しました。このプラントは、Kårstøから50キロの高圧パイプラインを経由し、北海のフィールドから天然ガスを受け取ります。このプラントは、CO2除去システム、30,000㎥の貯蔵タンク、メイン低温熱交換器として使用されるコイル状の熱交換器、リンデマルチ冷媒カスケードプロセス、電力・蒸気のユーティリティなど、天然ガス液化プロセスにおける必要な設備を全て持っています。
この新工場では、安全かつ効率的な運用を確保するため、分散制御システム(DCS)CENTUM VPとともに、監視制御およびデータ収集システム(SCADA)としてFAST /TOOLS、安全計装システム(SIS) ProSafe-RS、オペレータ訓練シミュレータ(OTS)Omegalandを導入し、統合プラントプロセスコントロールシステムとして構成しました。このプラントは2010年に導入後、安定操業を続けています。
お客様の課題とソリューション
1. 液化プロセスの習熟及びオペレータの訓練のためのOTS
Skangassでは、どのような遅延であれ、この新しいプラントのフル操業を妨げることは避けなければならず、全てのプラントの職員に創業当初から適切なトレーニングを実施することが重要でした。Skangassとの協業の下、横河電機は、ガス液化プラントで起こるさまざまな状況をトレーニング・シミュレータ上に構築し、実際のプラント同一のオペレーション機能を持つ安全・自動化システム(SAS)を採用しました。天然ガス液化プロセスのこの忠実度の高いモデルは、実プラントとまったく同じように動作し、プラントの不調や機器の誤動作をトレーニング環境でシミュレーションすることができます。これによりSkangassでは、オペレータがあらゆる状況に対し、繰り返し訓練を受けることができます。
2. システム統合は、プラント全体の運転を最適化
安全なオペレーションのカギとなるのは、オペレータがプラント全体に何が起こっているのかをリアルタイムで知ることです。 横河はこれを実現するため、CENTUM VP(DCS)をはじめ、FAST/TOOLS(SCADA)、ProSafe-RS(SIS)、およびタンクゲージングシステムなどの3rdベンダシステムを含めたプラント全体を統合したシステムを提供します。skgass operatorオペレータは、統合されたシステム上で各機器のグラフィックやトレンドグラフ、プラントのオーバービュー、アラームサマリなどを容易に確認することができ、プラント全体のプロセスについて適切なタイミングで正確な情報を得ることができます。
たとえば、オペレータは、24時間交互にオペレーションとリジェネレーションを繰り返す2つの乾燥吸収装置の状態を画面上で確認しながらシーケンスの操作をすることができます。また、スタートアップ時またはシャットダウン時のサーマルショックを防ぐため、コイル状の熱交換器内の温度を監視しながらオペレーションすることができます。これは天然ガス液化プロセスにおいて非常に重要なことであり、CENTUM VPシステムできめ細かく調整されています。また、LNGの搬送先である地方の小型貯蔵タンクの情報は、汎用の無線システムを通じてメインオフィスにあるFAST/TOOLS(SCADA)にリンク転送されています。
これにより、オペレータはリアルタイムに遠隔地の情報を監視することができ、Skangassの設備全体の効率化、安全性、安定生産に貢献しています。
GC1000によるLNG分析
横河電機のガスクロマトグラフ:GC1000でサンプリングされたLNGの組成情報は、CENTUM DCSに取り込まれています。このデータをもとに、オペレータは、スカンジナビア全体のLNG貯蔵ターミナルの顧客の要件を満たすよう、生産の仕様を調整することができます。
冷媒流量測定用ROTAMASS 横河電機のコリオリ質量流量計:ROTAMASSは、冷凍設備の冷媒供給ラインに使用されています。ROTAMASSの高い精度と安定性により、オペレータは十分な冷媒が供給されているかどうかを判断することができるようになりました。 |
お客様の声
横河電機は、LNGプロセスにおける豊富な経験を持っており、横河電機のエンジニアは私たちのプロセスを理解してくれました。本プロジェクトではSkangassのエンジニアと横河電機のエンジニアによる協業体制のもと進めることができました。 OTSは、私たちがプロセスを理解するのに本当に役に立ちました。私たちの液化プラントにおける横河電機のシステムには非常に満足しています。北海ガス田の総供給量から見ると我々の液化比率はまだ小さいですが、我々は市場の需要を満たすために、継続的にこのLNG事業の拡大を図っています。 継続・安定した操業とプラント稼働率は、当社のビジネスを拡大するためには不可欠のものです。
Roy Kenneth Skar, Operation Team Leader,
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