横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

ブラスケム社様 バイオエチレンプラントにおけるトータル・システム・インテグレーション

Braskem logo

概要

ブラジル 石油化学大手のブラスケム社
Braskem S.A, ブラジル リオ・グランデ・ド・スル州

2010年8月、ブラジルの石油化学大手のブラスケム社(Braskem S.A)は、リオ・グランデ・ド・スル州トリウンフォ(Triunfo)市にあるトリウンフォ石油化学コンビナートに、新エチレンプラントを建設しました。このプラントでは、サトウキビから生産されたエタノールを原料として、バイオエチレン(グリーンエチレン)を年間20万トン生産しています。このプロセスはブラスケム社により開発され、プラントは100%バイオマス由来の原料を使用した世界初の商用規模プラントです。

トリウンフォコンビナート内の隣接する重合プラントでは、このグリーンエチレンからポリエチレン樹脂やプラスチックを製造しています。また、このグリーンエチレンは、日本企業を含む多数の著名な企業に販売されています。

YOKOGAWAブラジルは、このプラント建設プロジェクトのMAC(Main Automation Contractor)*1として、統合監視制御ソリューションの設計から製作、設置、調整までを一括で請け負いました。プロジェクトへ早い段階から参加することで、システムの基本仕様を早期に決定し、仕様の統一化、効率的な設計、製作を実現しました。これにより、プロジェクト全体のコストも削減することができました。 納入したシステムや機器には、生産制御システム CENTUM VPや安全計装システム ProSafe-RS、FOUNDATION™ フィールドバス対応 フィールド機器、統合機器管理ソフトウェアパッケージ PRMなどがあります。また、YOKOGAWAブラジルは、ブラスケム社のオペレータとエンジニアに新システムのトレーニングも行いました。システムの試運転は予定より早く完了し、1週間後にはプラントでグリーンポリマーの生産を開始することができました。

2010年9月にグリーンエチレンプラントが稼働を開始してから現在に至るまで、大きな問題もなく、順調に操業が行われています。

*1 Main Automation Contractor: 中央監視制御室に設置されるDCSを中核とするプラント自動化のための統合システムを設計から製作、設置、調整までを一括で請け負うコントラクター。

お客様の課題とソリューション

1. プラント設備資産の最大活用

ブラスケム社はプラントの設備資産を最大限に活用するため、工業用途で最も信頼性の高いFOUNDATION™ フィールドバスを使って、フィールド機器の相互接続を行うことを決めました。ブラスケム社はこのFOUNDATION™ フィールドバスの採用を成功させるべく、世界中でこのソリューションの実績があり、この分野のリーディングカンパニーであるYOKOGAWAを選びました。

グリーンエチレンプラントでは、約200のフィールドバスセグメントに、多数のフィールド機器が接続されていました。YOKOGAWAブラジルは、プラントの試運転調整に先立ち、接続された差圧・圧力伝送器 EJXや電磁流量計 AXF、コリオリ式質量流量計 ROTMASS、温度伝送器 YTA、バルブポジショナ YVP、及び他のベンダーの機器に対して、機器調整・設定ソフトウェア FieldMateのFDT/DTM*2技術を用いて初期設定を行いました。また、PRMの各種機能(機器設定、パラメータ設定、機器診断等)を使うことで、エンジニアは監視室からループチェックやバルブ動作確認を効率よく迅速に行うことができました。

現在、プラントはフル稼働しており、ブラスケム社はフィールド機器からのデータを安定的かつ効率的に受け取っています。オペレータは、現場にあるフィールド機器や設備の状態を監視室のPRMディスプレイ上で把握することができます。PRMはその他に、危険度に応じて決まる(HAZOP Studies)安全度水準(SIL : Safety Integrity Level)に対して、必要な緊急遮断弁の部分作動検査を実施・管理する機能も持っています。これによって、プラントがより安全になるだけでなく、検査に費やす多くの時間と労力を節約することができます。

*2 FDT/DTM: FDT(Field Device Tool)は、オープンなフレームワーク上で、フィールドセンサの調整や設定ができるソフトウェアのアーキテクチャ(インターフェース)。DTM(Device Type Manager)は、FDTの規格に基づいて、制御システムやフィールドセンサメーカが自社製品用に用意するドライバソフト。

2. トータルシステムインテグレーション

鶏ふん焼却ボイラーは、年1回の定期点検の他、炉内の簡易点検、付着した溶融灰の除去、掃除などで、年間35日程度停止します。
ボイラーの立上げ時は、A重油でボイラーを加熱し、加温後に鶏ふん燃料100%で燃焼します。この立上げ操作は、その進捗がグラフィック上 にわかりやすく表示されます。また、ATS(タービン自動起動)機能も備えています。これらの操作環境は、立上げ時におけるオペレータの負荷を軽減するとともに、安定した立上げに貢献しています。

Central control room
中央監視制御室

お客様の声

トリウンフォプラントの試運転に関して、ブラスケム社の生産管理者の方から、以下のようなコメントをいただきました。

「このグリーンエチレンプラントは、100%バイオマス由来の原料であるさとうきびエタノールからエチレンを生産する、世界初の商用規模のプラントです。このプロジェクトの遂行は、『ブラジルの石油化学業界の発展、リオ・グランデ・ド・スル州の発展および持続可能なプロセスの発展に貢献する』というブラスケム社のコミットメントを実現したものとなりました。」

「このユニットは年間20万トンのエチレン生産能力を持っています。このグリーンエチレンはトリウンフォコンビナート内の既存の工業設備で、同等量のポリエチレンに転換されます。グリーンポリマープロジェクトは、企業のサステナビリティのビジョンに沿って、競争力のある再生可能な原料を確保するという当社の戦略の一つです。 これは、グリーンプラスチックが、サトウキビを育てるところから消費後のリサイクルまで、全ライフサイクルで放出する炭素よりも、多くの炭素を大気から取り除くためです。また、グリーンプラスチックは社会の持続可能な発展に貢献します。YOKOGAWAのシステムや製品は非常に信頼性が高く、メンテナンスコストが抑えられることに大変メリットを感じています。私たちは、これからもずっとYOKOGAWAブラジルをビジネスパートナーとして、一緒に仕事を続けていきたいと思っています。」

グリーンプラスチックイメージ画像

グリーンエチレンプラント      ロゴ

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