北部九州における天然ガス広域供給拠点「ひびきLNG基地」の安全操業と 天然ガスの安定供給を支援

ひびきエル・エヌ・ジー株式会社 logo

概要

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ひびきLNG基地,福岡県北九州市

福岡県北九州市にある「ひびきLNG基地」は、北部九州の天然ガスの広域供給拠点として2014年11月から運用が開始された大型LNG(液化天然ガス)受入基地で、西部ガスグループのひびきエル・エヌ・ジー株式会社によって運営されています。
同基地は、クリーンなエネルギーとして注目を集め、需要が拡大している天然ガスを、地域のご家庭のみならず、大口産業分野のお客様にも安定的に供給し、北部九州地域の産業の発展および低炭素社会の実現に貢献しています。

日本海や東シナ海に通じる、大型船舶も航行可能な響灘地区に建設されたひびきLNG基地では、世界最大級のLNGタンカーを受入可能です。これにより、LNG調達の自由度向上とコストの低減が図られています。大型タンカーから受け入れたLNGは、基地内の設備で都市ガスに加工され、親会社である西部ガス株式会社のパイプライン網を通じて北九州、福岡地区等に供給されるほか、LNGタンクローリーで西部ガスの熊本・佐世保地区や他のガス事業者などへ供給されています。

また、事務所で使用する電力に太陽光、風力、水力の再生可能エネルギーを利用し、基地内や隣接する「ひびきどんぐり公園」に積極的に植樹を行うほか、近隣には西部ガスグループの22.4MWの太陽光発電所が併設され、天然ガス火力発電も検討されているなど、ひびきLNG基地は人、自然、社会との調和を目指した環境にやさしい総合エネルギー基地を目指しています。
YOKOGAWAは、ひびきLNG基地の安全で安定した天然ガス供給のお手伝いをしています。

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お客様の課題とソリューション

ひびきLNG基地のプロセス概要

受入、貯蔵 : 大型LNGタンカーから受け入れたLNGは、2基ある18万KLのLNGタンクに貯蔵されます。LNGタンクは断熱構造となっており、LNGは約マイナス162℃に保たれています。タンク内では液面や液密度なども計測されており、安全なLNGの受入・貯蔵が可能となっています。また、貯蔵中のLNGが気化して発生するBOG(Boil Off Gas)は、天然ガス配管に送られるほか、LNG受入時にはLNGタンカーの圧力維持のため、タンカーへのリターンガスとして送られることもあります。

都市ガスの製造 : 液状のLNGは、基地内にある海水を熱源としたオープンラック式のLNG気化器で気化され、気体の天然ガスとなります。その後、熱量調整や付臭などのプロセスを経て、都市ガスとしてパイプラインより送出されます。需要に応じた負荷制御、天然ガスやBOGの熱量・流量に応じた製品ガス熱量制御などにより、安定した品質の都市ガスが効率的に製造されています。

LNGのローリー出荷 : LNGはまた、基地内のローリー出荷設備から、タンクローリーによって各地のサテライト基地などへ出荷されています。

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ひびきLNG基地のプロセス概要

基地の建設にあたり、他のLNG受入基地で実績のあったYOKOGAWAの生産制御システムCENTUM VPが、EPCによって選択されました。

都市ガスの製造・送出状態を24時間体制で監視するひびきLNG基地

可燃性の物質である天然ガスを大量に扱うことから、LNG受入基地には高い安全性が求められます。また、需要家(家庭用、商業用、工業用等)で安全かつ便利にガスが使用できるよう、ガスの供給は絶対に止めることはできません。そのため、ひびきLNG基地では、管理センターにおいて24時間365日、基地内の状態を監視し、安全・安定操業を行っています。

CENTUM VPは、基地内の受入・貯蔵、BOG、気化、熱量調整などの各プロセスを自動化し、管理センターに設置されたHIS(Human Interface Station)を用いて、基地内の情報を集中監視できるようにしています。

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管理センターでの都市ガスの製造・送出状態の24時間監視

絶対にガス送出を止めないためのFCSの冗長化

万が一のトラブルに備えて、ひびきLNG基地に設置されているFCS (Field Control Station)は特別に冗長化されています。FCSを2台、ペアで組み合わせて使用する高信頼システムが構築されており、常に両方のFCSが同じ情報を持ちながら稼働しています。2台のうち1台に「制御権」が与えられており、プロセス制御は制御権を持っているFCSが行います。万が一FCSに不具合が起こった場合には、自動的に制御権が切り替えられ、もう1台のFCSによって制御を継続することができます。

稼働開始以来FCSが不具合を起こしたことはありませんが、この機能はFCSの保守・点検を行う際にも用いられています。FCSの点検中も、もう一方のFCSで運転を継続できるので、ガス供給を途絶させることなく、設備の信頼性向上を図ることができます。

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冗長化されたFCS

さらに安全な基地操業のために

より安全にLNGの受入を行うために、ひびきLNG基地では、係留中のLNGタンカーの状態も常に監視しています。係留中のLNGタンカーは、海風や潮流、波等さまざまに変化する気象の中でLNG受入基地とローディングアームで接続されています。万が一船体が大きく揺れるなどの危険な状態になった場合は、即座にLNGの荷揚げを中断したり、ローディングアームを切り離したりして、基地とタンカーの両方の安全を守ります。

YOKOGAWAの代理店でもある西川計測株式会社が手掛けたバースモニタリングシステムでは、各種センサによって、常に風向・風速、潮位・波高等の気象海象情報、着桟時の船体の接岸速度、船の係留索にかかるテンションなどの値を監視しています。これらセンサの情報は、YOKOGAWAのFA-M3 PLCを介して管理センターのモニタリングシステムに集約されています。

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係船監視モニタ

お客様の声

ひびきエル・エヌ・ジー株式会社 製造部長 五藤浩二様:
ひびきLNG基地は天然ガスを北部九州の各地へ供給している広域拠点であり、運転制御システムには万全の信頼性が求められます。西部ガスグループの工場でも多くの実績のあるYOKOGAWA殿とともに、私たちの今までの経験も生かし、冗長化、自動化に優れたシステムが完成したと思います。
今後も西部ガスグループの基幹工場として、安定供給と保安の確保に努めてまいります。

ひびきエル・エヌ・ジー株式会社 製造部 製造グループ 深見大介様:
CENTUM VPは自動制御の追従性に優れており、制御パラメータの変更も迅速かつ容易に可能なため、安定したプラント操業が可能です。また、FCSも冗長化されていることから、メンテナンス性にも優れたシステムとなりました。
YOKOGAWA殿とは年間保守契約を締結しており、制御装置に関する不明点が顕在化した際にも、24時間365日充実したサポートを受けることができるため、安心してオペレーションを行っています。

横河ソリューションサービスのスタートアップ担当者 久高将吾:
EPCやお客様とお互いに十分意思疎通しながら進めることができたので、大きな問題なくプロジェクトを完遂することができました。仕様変更や色々な課題についても、何か問題が起こる前に素早く柔軟に対応することができました。お客様の要望にも、単にできる・できないで判断することはせず、どうすればできるかを皆で一緒に考え、決めていきました。
おかげ様で、トラブルもなくスケジュールどおりに終えることができ、お客様にも感謝しています。
今後も地域密着というYOKOGAWAの強みを活かして、お客様をサポートしてまいります。

業種

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CENTUM VP

統合生産制御システム 「CENTUM VP(センタム・ブイピー)」は、プラントの設計から、エンジニアリング、システム・機器の据え付け、生産立ち上げ、さらには稼働後の改修や変更を経て運転を終了するまで、プラントのライフサイクルにわたり最適な操作・エンジニアリング環境をお客様に提供します。

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