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火災研究における各種実験のデータ収集

東京理科大学 総合研究機構 火災科学研究センター様

火災研究における各種実験のデータ収集にPCベース高速データアクイジションユニットMX100とデータ収集ソフトウエアMXLOGGERをお使いいただいています。

東京理科大学 総合研究機構火災科学研究センターは、日本で唯一1981年に組織された火災研究に特化した極めて特徴のある大学研究機関です。2003年に文部科学省21世紀COEプログラムで「先導的建築火災安全工学研究の推進拠点」というテーマで採択されました。
建築火災の研究について、世界で最先端の研究ができるプログラムを作り上げることを目的として、例えば建築/化学/数学/機械/人間科学などあらゆる学問を融合した研究を行っています。
2005年3月に竣工された大学の付属施設でもあるCOE火災科学研究センター実験棟は、火災の実験をするための屋内施設としては、日本一の規模(縦40m×横24m×高さ20m)です。なかでも大規模実験室では、耐火試験炉2基をはじめ、火災に関わる様々な研究設備や機材が設置され、大規模空間を活かした実験が可能です。この実験棟では、研究活動の他に、民間企業と施設を共有し、産学連携による火災に関わる基礎研究・技術開発なども行っています。

今回取材させていただいた火災科学研究センター COE助手 若月先生は、設計火源(可燃物調査・散水設備・火炎高さ)・火災性状・熱伝導性状に関する火災に関わる基礎研究をされており、おもに実験棟の大規模実験室でPCベース高速データアクイジションユニットMX100データ収集ソフトウエアMXLOGGERをお使いいただいています。

「MX100は、4台保有し、内3台がこの実験棟に入っております。今2台を実験に使用しています。現在行っている実験では、家庭にある「座椅子」を燃焼させ、発熱量の測定や燃え拡がり方、煙の状態などを観測しています。座椅子を燃やした際の部屋の中や壁・天井などの温度、座椅子の周囲の熱エネルギー(熱流束)、座椅子の重量の他に、集煙フードに設置してあるガス分析計からの酸素や二酸化炭素の量を信号化させたデータの測定にMX100とMXLOGGERを使用しています。また、別の実験室では、おもに温度の測定に使用しています。」(若月先生)

若月先生と学生の方々
(後列左から)若月先生、修士1年 城さん、織戸さん
(前列左から)4年生 岩城さん、今井さん

現在、メインで行われているこの実験は、大規模実験室に、一人暮らしの方が実際に生活されている平均的な広さである6畳間ほどの空間を作り、その中で日常、身の回りにある家具や電化製品などが火災で実際にどんな風に燃えるのかを映像や科学的なデータとしてまとめ、一般の方々をはじめ様々な分野で活用してもらえるように将来的には公開しよう、という研究のためのものです。

「MXは、ユニット毎に外すことができ、取り替えも楽なので移動範囲の広いこの実験棟では非常に便利です。また、データ取り込みソフトウエアで安定した測定ができ、横河さんのHPからドライバをダウンロードすれば、LabVIEW(ナショナルインスツルメンツ社製計測システム設計ソフトウエア)へのデータ取り込みができるなどソフトウエアの拡張性、応用が利くという点もいいですね。」(若月先生)

座椅子の燃焼実験
座椅子の燃焼実験

「横河のデータロガーは、世界の火災研究施設で使用されていることが結構多く、交流のあるアメリカの研究所では、DARWINシリーズのデータアクイジションユニットDA100が使用されていました。海外の研究者との共同研究が本学ではよく行われるため、同じメーカの機材があるというのは心強く、操作も安心で、データとしても精度が高いといった点や価格も含めて採用を決めました。」(若月先生)

「現在はMX100とMXLOGGERだけでデータ収集をしています。学生も含めてこの実験研究施設を運営しているので、誰にでも扱いやすいPCソフトウエアと信頼性の高いデータ収集を両立できる機材が必要でした。MX100の採用にあたっては、PCソフトウエアの取り扱いやすさと高信頼の高速データ収集性能が採用の決め手のひとつでした。」(若月先生)

今回行われていた実験の他にも、火災時の空気の流れ(流速)やスプリンクラー作動時の流速、温度、熱電対などのデータ収集をしたり、また、火災時の鉄板の形状変化について調べるために、鉄板や水の温度測定をしたりするなど、MX100を様々な実験にお使いいただいています。

MX100で収集したデータをPCで確認
MX100で収集したデータをPCで確認

 

お客様紹介

東京理科大学 総合研究機構 火災科学研究センター

東京理科大学 総合研究機構 火災科学研究センター 若月先生

東京理科大学 総合研究機構
火災科学研究センター
COE助手 若月先生

 

※ここに掲載している内容は、2006年12月取材時のものです。
※掲載記事および写真の無断転載を禁じます。

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