70社以上が参加している非営利の研究団体であるFRI
フラクショネーションリサーチ社(Fractionation Research, Inc.: FRI)は、非営利の研究団体であり、世界最大の石油、化学、エンジニアリング企業の多くを含む70社以上によりサポートされています。実験装置はオクラホマ州スティルウォーターにあるオクラホマ州立大学のキャンパス内に設置されています。
商用規模の蒸留装置
FRIの実験施設の心臓部は、商業規模の2つの低圧蒸留塔と高圧蒸留塔です。これらの蒸留塔に付帯する設備として、低圧釜型リボイラー・高圧釜型リボイラー、低圧コンデンサー・高圧コンデンサー、ならびに専用のボイラー、冷却水塔があります。低圧蒸留塔は、超真空から動作する能力を持っており、高圧蒸留塔は、500 psia(3.45MPa abs)までの圧力で動作させることができます。低圧蒸留塔はダブルダイアメータになっており、高さ28フィート(8.53m) 、内径4フィート(1.22m)の上にさらに直径8フィート(2.44m)、高さ12フィート(3.66m)の部分があります。高圧蒸留塔は、高さ28フィート(8.53m) 、内径4フィート(1.22m)です。それぞれの蒸留塔には、実験中に液体のホールドアップ密度を自動で測定できる、ガンマ線スキャナを備えています。
蒸留塔には内部を監視するための窓が取り付けてあり、技術者は内部の様子を観察したりビデオを撮ったりすることができます。 FRI施設では、釜型リボイラーの一つにも監視窓を付けられています。このような設備は、世界中でここにしか見られません。さらに、低圧蒸留塔の稼働中でも、2つの蒸留塔が相互接続されていることにより、補助装置の共有およびリボイラーとコンデンサーの並列稼働が可能になっています。
Exapilot 導入の背景
FRI施設では、プロセス制御およびデータの取得は横河電機製DCSである『μXL』によって行われていましたが、最近、『CENTUM CS 3000』システムに更新されました。同時に、FRIは、運転効率向上パッケージ『Exapilot』をオペレータの運転サポートシステムとして、またプラント情報管理システム『Exaquantum』をヒストリアンとして導入しました。
FRIは、年間を通じて多くの実験を行います。『Exapilot』を使用することで、より速く、より安全にスタートアップとシャットダウンを実施することができ、さらに、早期に定常状態へ移行するために必要な、キーパラメータの改善に役立ちました。これは、蒸気消費量の削減にも貢献しています。『Exaquantum』は、オペレータへ適切なタイミングでリアルタイムプロセスデータを提供することにより、プロセスのあらゆる段階で迅速な意思決定を行うのに役立っています。
導入と効果
円滑かつ安全なスタートアップとシャットダウン
FRI施設では、プロセス制御およびデータの取得は横河電機製DCSである『μXL』によって行われていましたが、最近、『CENTUM CS 3000』システムに更新されました。同時に、FRIは、運転効率向上パッケージ『Exapilot』をオペレータの運転サポートシステムとして、またプラント情報管理システム『Exaquantum』をヒストリアンとして導入しました。
FRIは、年間を通じて多くの実験を行います。『Exapilot』を使用することで、より速く、より安全にスタートアップとシャットダウンを実施することができ、さらに、早期に定常状態へ移行するために必要な、キーパラメータの改善に役立ちました。これは、蒸気消費量の削減にも貢献しています。『Exaquantum』は、オペレータへ適切なタイミングでリアルタイムプロセスデータを提供することにより、プロセスのあらゆる段階で迅速な意思決定を行うのに役立っています。
- ステップ・バイ・ステップによるリスト表示
- 次ステップへの移行を促すメッセージ表示
- 次ステップに関する警告表示
- 複数のバルブの開閉やコントローラの設定値変更(順次、または同時実行可能)
- クリティカルなイベント発生を監視する "ウォッチドッグ"機能
- 完了したステップの記録
- プロセス変更のステータス情報
横河とFRIのスタッフはチームとして一丸となって取り組みました。横河のメンバーは、2つの蒸留塔、3つの2成分システム、およびスタートアップ、トランジション、シャットダウンに関連するステップを学ぶ必要がありました。これについては幸いなことに、手順の作成に必要不可欠な、最新で正確なプロセスフロー図(Process Flow Diagram: PFD)と配管・計装図(Piping & Instrumentation Drawings: P&ID)が整備されていました。FRIのメンバーは、ソフトウェアの機能を覚え、ソフトによる手順構築方法をマスターする必要がありました。 いくつかの半自動手順が作成されましたが、制御室でテストした当初は、どれもすぐに完璧という訳にはいきませんでした。しかし、『Exapilot』のオフラインモードでは、プロセスの変化と並行してフローチャートの手順を実行することができるので、テストを容易に進めることができました。制御室にはFRIの優秀なオペレータがおり、試運転時にはプログラムの仕上げに参加しました。『Exapilot』で手順を進めることで、現在では、スタートアップ、トランジション、シャットダウンのやり方が均一化されました。
容易で効率的なデータ管理
FRIは、試運転から多くのデータを収集し、できるだけ早くそれを分析する必要があります。『Exaquantum』が導入される前は、蒸留テストの結果を確認するのに、オペレータは、スプレッドシートへ数値を入力してから少なくとも3時間待たなければなりませんでした。 『Exaquantum』を使用することで、プロセスデータは毎秒更新され、全体の運転状況を表すサマリーとともに主なトレンドも表示されます。オペレータは一目でテストの状況を把握し、すぐにアクションを取ることができます。データの可視化は、そのプロセスで何が起こっているか、オペレータがリアルタイムに理解できる鍵となります。 『CENTUM CS 3000 』と『Exaquantum』、『Exapilot』の統合システムにより、蒸気消費量を削減し、また非定常業務の実行が容易になったことで、FRI試験設備での安全性が向上しました。
お客様の声
人員の削減が『Exapilot』の目標ではありません。世界中の制御室では、すでに人員は少人数に抑えられています。さらに、多くのベテラン技術者が、この10年間で退職しています。『Exapilot』はこれからの技術者の役に立つでしょう。 最近では、FRIの制御室での技術者は、『Exapilot』を使用することを楽しんでいるように見えます。『Exapilot』は、次のステップに関する彼らの記憶、判断、および意思決定をサポートしています。 彼ら曰く、 "私たちは常に最高に優秀なオペレータと、制御室にいるようなものです。
Mike Resetarits, Technical Director
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