オペレータを24時間ガイドするExapilot

三洋化成工業株式会社 三洋化成精細化学品(南通)有限公司様 logo
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多様な技術と迅速な開発力を持つ、機能化学品メーカー

三洋化成工業株式会社は、1949年、界面活性剤メーカーとして京都で創業しました。現在では、界面活性剤だけでなく多様な技術と迅速な開発力を持つ機能化学品メーカーとして、グループ会社を含め、界面活性剤、高吸水性樹脂、潤滑油添加剤、顔料分散剤、重合トナー中間体などの幅広い商品群で、様々な産業分野において活躍しています。
  三洋化成工業株式会社の子会社である三洋化成精細化学品(南通)有限公司は、中国江蘇省南通経済技術開発区に位置し、成長する中国およびアジア市場に向けて、2003年の設立以来、顔料分散剤、乳化界面活性剤、ガラス繊維接着剤などの機能化学製品を生産しています。

 

Sanyo Kasei (Nantong) Co., Ltd., Nantong, Jiangsu, China

Company Profile
本社:〒605-0995 京都府京都市東山区一橋野本町11-1
所在地:〒226009 中国江蘇省南通経済技術開発区新開南路7号
設立:1949年(昭和24年)11月1日
資本金:130億5100万円
事業内容: 繊維用化学品、界面活性剤、製紙用化学品、塗料・インキ用樹脂などの製造

 

Exapilot導入の背景

 南通工場には、2004年に横河のCENTUM CS3000がインストールされ、機能化学製品のバッチ生産プロセスを制御・監視しています。
  南通工場の主力製品である顔料分散剤の生産プラントには、操作の標準化や品質向上を図るために、横河の運転効率向上支援パッケージ Exapilotがインストールされています。

  南通工場にて独自に構築されたこのカーナビゲーションのような画期的なe-SOP(Standard Operating Procedure)システムは、熟練したオペレータの知識や経験に基づいて作成された操作手順をコントロール・ルームの大画面ディスプレイに表示し、経験の浅いオペレータでも常に適切な操作が行えるよう、24時間オペレータをガイドし続けています。
  プラントの可用性や安全の維持・向上のため、ベテランオペレータの技術伝承や、経験の浅いオペレータの知識・スキルの向上は、世界の産業における共通の課題の一つです。

  約30種類の製品レシピを持つ南通工場における顔料分散剤 キャリボン L-400 の生産工程では、複数のリアクタとタンクが用いられています。これらのバッチプロセスは複雑で、『CENTUM CS 3000』を操作するオペレータのスキルによって操作手順や効率が異なり、製品品質にばらつきが生じてしまうことがありました。また、配管に詰まりが起こった時や、流量が不安定になった時などには、経験の浅いオペレータは、その都度マニュアルや過去の運転状況を調べたり、ラインのマネージャに問い合わせたりすることがありました。このような状況はオペレータの負荷を増やすだけでなく、不良品や異常重合の発生を起こす可能性のある重要な課題でした。

 

Exapilot選定のポイント

南通工場の前製造部長である加藤様および董生技部長、朱生技課長、李生産革新課長、劉生技課長代理は、かつてYokogawa中国の上海事務所を訪れた際に、運転効率の向上を支援する『Exapilot』の話を聞いたことを思い出し、Yokogawaに声を掛けました。
  Yokogawaの『Exapilot』は、運転ノウハウや運転手順を業務フローとして登録することで、人の経験・知識が必要な運転操作をサポートする、フレキシブルで設定が容易な高度運転支援システムです。『Exapilot』はOPCサーバを介してDCSと連携し、プロセスに応じた適切な運転操作をガイドすることで、運転の安定化・標準化を実現し、安全性・効率の向上に貢献します。

 

The system architecture

導入の効果

24時間、標準化された操作手順をガイド

オペレータに操作手順や情報を提供する『Exapilot』システムを構築するために、ナショナルスタッフと呼ばれる南通工場の現地のエンジニアたちは、熟練したオペレータから作業工程やノウハウを情報収集し、膨大な資料を整理しました。それらを元に『Exapilot』上に業務フローを構築しました。Yokogawaの『Exapilot』エキスパートは、彼らの活動を支援するために何度もプラントを訪れました。
  他の多くのプラントでは、オペレータは『Exapilot』の画面に表示される操作手順を参照しながらDCSと『Exapilot』の両方を操作します。しかし、それではオペレータの操作が増えてしまうため、南通工場の複雑な工程の生産プロセスではかえって負荷が高くなってしまうことが考えられました。

そこで、エンジニアたちは検討を重ね、『Exapilot』をe-SOPシステムとして構築することにしました。『CENTUM CS 3000』が顔料分散剤の生産を開始すると、『Exapilot』のe-SOPシステムは自動的に立ち上がり、DCSの工程を読み取って、コントロール・ルームの上部に置かれた専用の大画面に操作手順を表示します。
  オペレータは『Exapilot』の示す手順に従って、DCSを正しく操作することができるようになりました。
『Exapilot』の画面をクリックすることで、あらかじめ登録されているドキュメントや画像など詳細な情報を参照でき、マニュアルを調べる工数も削減されました。アラーム発生時には、『Exapilot』が適切な情報と正しい手順をナビゲートしてくれるため、オペレータは素早く適切に対応することが可能になりました。
  南通工場の顔料分散剤生産プラントでは、作業の標準化・安定化によってオペレータの操作のばらつきが平準化された結果、製品品質が向上し、オペレータの操作ミスや作業負荷が大幅に減少しました。整理された膨大な紙の資料は『Exapilot』上で整理され、電子化されました。また、このe-SOPシステムはオペレータのトレーニングや操業ノウハウの伝承にもつながり、オペレータ全体のスキルが向上するという効果もありました。

『Exapilot』は、約30種類あるバッチレシピのオペレーションを、DCSのプログラムの進捗に合わせて24時間リアルタイムにガイドしています。
  また、バッチ毎の生産記録 ~流量、液位、リアクタ内の温度、異常があった場合の内容と理由~ が自動的にレポートされることで、運転履歴や状況をより細かく正確に記録することができるようになり、製品ごとのトレーサビリティが向上。品質調査をより細かく行うことができるようになりました。

 複雑な工程のための特製Exapilot画面
  複数のリアクタを用いた複雑なバッチプロセスの操作・監視のためには、オペレータはDCSのグラフィック画面を何度も切り替えなければなりません。経験の浅いオペレータにはガイドが必要でした。そこでYokogawaは、Active Xコントロールを用いて、Microsoft Excel上に『Exapilot』業務フローを4枚同時に表示する特製画面を作成しました。同時進行する工程や関連する工程の進捗と操作手順が一目で確認できるため、オペレータは容易に『CENTUM CS 3000』を操作できるようになり、さらに作業効率が向上しました。
  4画面システムを構築したYokogawaのエンジニアは、「4画面の同時更新を実現するには、Microsoft Excelのマクロ機能とActiveXを用いる必要がありましたが、全体の工程の進捗を見ながら安全に操作できるような仕組みを構築できたと思っています。『Exapilot』は、投入する材料の写真やリアクタのリアルタイムの状況など、DCSには格納されない情報もタイムリーに表示することができるので、複雑なプロセスのガイドとしてとても有効なツールであると言えます。」と当時を振り返りました。

Exapilotで構築された業務フロー

システム構築中のお客様と横河エンジニア

24時間操作手順をガイドするe-SOPシステム

ロット毎の生産結果レポート

Microsoft Excelのマクロ機能と Active X を用いて作成された特製4画面

Microsoft Excelのマクロ機能とActive X を用いて作成された特製4画面

 

お客様の声

南通工場の顔料分散剤生産プラントでは、『Exapilot』のe-SOPシステムを導入したことにより、オペレータの経験やスキルによる品質のばらつきを解消することに成功しました。年間で約10件程度発生していた製品不具合は0件となり、製品合格率100%の品質を達成。また、操作の標準化によって生産にかかるスタンダードタイムが約10%も短縮され、プラントの生産能力の向上を実現しました。 私たちは、この『Exapilot』システムを『母の愛』システムと呼んでいます。24時間絶えることなく、経験の浅いオペレータたちをサポートし続けてくれることが、母親が子供を助ける姿に似ているからです。これにより、新人オペレータも基本的な教育だけで、すぐに標準化された操作を行うことができます。生産チームの班長の負荷も下がり、付加価値の高い作業を行うことができるようになりました。 2004年の『CENTUM CS 3000』導入以降、Yokogawaと私たちは非常に良い関係を築いてきました。お互いにコミュニケーションを深め、何でも話せるブラザーだと思っています。Yokogawaは、三洋化成工業の独特な生産ポリシーを理解し、システム作りに貢献してくれました。 また、品質の向上以外に、私たちは現地のナショナルスタッフをエンジニアとして育成したいという思いを持っていたのですが、Yokogawaはそれに応えてくれました。『母の愛』システムも、Yokogawaのサポートを受けながら、ナショナルスタッフが自分たちで作り上げたシステムなのです。

Mr. Kazutoyo Kato

三洋化成工業株式会社 名古屋工場 名3有合プラントマネージャー
加藤 和豊様

三洋化成精細化学品(南通)有限公司ナショナルスタッフのみなさん 左から
楊生産技術部員、李生産革新課長、朱生産技術部課長、董生産技術部長、
劉生産技術課長代理

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運転員主体で行われている運転領域を、熟練運転員の運転ノウハウをもって高い運転レベルで標準化・自動化することにより、運転効率の向上を実現します。

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