複数台コンプレッサ運転における省エネ制御の実現

医薬品の受託製造として企業価値を高めるために、武州製薬では地球環境経営を推進して省エネ活動をしています。その取組みの一つであるエコノパイロットComp導入事例を武州製薬株式会社エンジニアリング部次長とエンジニアリング部設備管理課課長のお二人に語っていただきました

インタビュー日:2009/9/25

 

ユーザ紹介

武州製薬株式会社様 武州製薬株式会社は、医薬品の製造受託会社として1998年8月にシオノギ製薬によって設立され、ノバルティスファーマ社から譲り受けた工場を製造拠点として1999年1月から営業を開始しました。工場は、1981年にノバルティスファーマ社の前身であるサンド薬品により建設されました。受け継いだ製造設備と人材に、シオノギ製薬の製造技術と人材を融合してグローバル基準の品質保証体制を備えた医薬品製造工場になることを目指して、現在ではお客さまのニーズに応じた製剤設計と治験薬製造および、少量生産から自動搬送システムを利用した大量生産の商用製造まで、幅広いサービス・メニューを提供しています。
企業理念である 「最も良い薬を製造し、人々の健康に貢献する」 ことを実現するため、お客さまである国内外の医薬品会社と緊密な関係を構築し、委受託の両社で協力して高い品質が保証された医薬品の製造に努めています。また、人類の存続基盤である地球環境をよりよい形で次の世代に引き継いで行くことを重要な経営課題として、技術的、経済的に可能な限り緑豊かな武蔵野の保全を重視した環境活動を推進しています。

 

導入の背景と狙い

受託製造をする企業として環境経営を推進することで企業価値を創出する重要性は非常に高く、また、改正省エネ法の施行を受けCO2原単位1%の継続改善が必須となり、具体的な省エネCO2削減への取組みが求められていました。そこで、武州製薬では様々な取組みを実行していました。以下はその一例です。

  • 各設備の駆動Vベルトの高効率タイプの採用
  • 蒸気配管バルブのジャケット装着による省エネ対策
  • 冷凍機用の冷却水ポンプのインバータ化
  • 蛍光灯の間引きや休憩時間の消灯 など

更なる対応として計画したコンプレッサの省エネは、今ある設備をどのように使っていくかという観点で取組みました。特に、多くのエネルギーを消費していた空調設備はインバータ化することで既に対策を実施していましたが、消費量の多いコンプレッサに関しては、容量の異なる複数台のコンプレッサがある中、その複雑な運転状況からなかなか省エネ対策が具体化しない時期が続いていました。

 

YOKOGAWA を選んだ理由

複数のベンダーに相談をしましたが、導入コストに関しては大きな差はありませんでした。その中で横河の提案が優れていたのは、現場の現状を把握した上での分析による効果シミュレーションです。特に数値化されたその効果分析は、従来なかなかできなかった見える化によるものであり、具体性の高いその提案はベンダーとしての責任を感じることができました。また、横河電機の担当者には多々厳しい要求もしてきましたが、そのような具体的な提案内容は私たちの安心感にも繋がるものでした。
協力していただいているエンジニアリング会社との連携を横河電機がスムーズに実行していただいたのも高評価の一つです。

 

対策と導入システム

コンプレッサの省エネ制御に導入したのが、横河電機の「エコノパイロットComp」です。武州製薬では7台のコンプレッサを複数の建物で運転しており、横河電機の省エネ技術である「負荷予測制御」と「異容量台数制御」によって最適な運転によるコスト削減と省エネのためのCO2削減を計画しました。
従来では、長時間無負荷運転をしているコンプレッサがあったことや複数台が同時に中間負荷運転をしているケースがあり、システム全体としては大きな無駄がありましたが、5台の給油式スクリューコンプレッサの中間負荷を省エネ制御することで大きな効果を実現することができました。

「エコノパイロットComp」 導入システム

 

対策実施後の効果

コスト削減効果 234万円/年

コスト削減効果 234万円/年

効果測定では、消費電力の削減率が平均で14.42% (12.3~16.5%)を実現していることがわかりました。年間での換算によると、CO2削減は130t-CO2、コスト削減は234万円を達成しています。
対策実施前は運転時間の42%の時間帯でアンロード運転(無負荷運転:圧縮エアーを発生させないが稼動している状態)していましたが、対策後は20%まで削減しており、アンロード運転している時間帯を削減できたことによって効果が出ています。
アンロード運転の削減以外でも、低圧力レベルでの運転をすることによって更なる効果向上も今後期待されています。

コンプレッサの省エネ制御導入前後での年間CO2排出量

 

まとめと今後の展開

関連企業グループ全体での推進に則って活動を進めている武州製薬の環境経営における取組みは、年1%のCO2排出量原単位の低減を実現するために日々活動しています。それは今回のコンプレッサでの省エネに限らず、廃棄物の取り扱い等も含め、ISO14001の遵守をベースにしており、構内の緑化活動などもその一環です。
今回のコンプレッサでの省エネに関しては横河電機の協力を得て高い効果を実現することができ、非常に満足できるものとなりました。この効果を実現するまでは自社での設備運転の経験から、自ら運転タイムプログラムを作り、そこから稼動台数のシミュレーションをしていたのですが、今回の対応によって当初考えていた以上に少ない台数で稼動を続けられるようになりました。
自社の経験と横河電機のノウハウの融合によって自社だけでは得られない効果があることがわかりました。薬品の受託製造ということから、GMP遵守と品質確保を徹底をしていたのですが、省エネの観点からは設備での過剰対応があったことも見えてきました。今回の対応によって品質と省エネを両立できたことは大変評価しています。この経験を更に発展させて企業理念としての地球環境経営を継続して行きたいと考えています。

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