スフェロイド形成された細胞は、単層に培養された2次元組織体に比べ、より生体に近い構造と機能を持つことが確認されています。そのため、様々なスフェロイドの作成手法の開発・データの蓄積が進んでいます。そこで、CellVoyager CV7000を用いてスフェロイドの撮像・解析が出来るかを試みました。具体的には、Z軸方向に複数枚取得した画像を2次元の画像データに再構成※し、スフェロイドの最大直径や含まれる細胞数による評価を行いました。このように、CV7000の高速な3D撮像とProjection機能を組み合わせることにより、3次元のサンプルでも効率よく解析することができ、さらに、ライブセルに応用することで、時系列での評価など新しい実験系の確立も可能です。
※Maximum Intensity Projection (MIP) にて再構成
図1 (a) 原画像
Z軸方向に10µm間隔で12枚撮影し、MIP※表示したもの
(a’)は一部拡大した画像
拡大画像
図1(b) 認識画像
解析ソフトウェアを使用して(a)の画像について、スフェロイドの輪郭(紫)と含まれる個々の細胞(青)を認識した画像
(b’)は一部拡大した画像
拡大画像
図2(a) XY方向に50pixelのオーバーラップを含ませてウェル全体を撮影したTile画像(25枚)
拡大画像
図2(b)(a)のTile画像をオーバーラップ部分を元につなぎあわせて1枚とした画像
拡大画像
EZSPHERE®は、細胞培養容器の培養面に微細な穴を施し、表面を細胞低接着性の特殊ポリマーでコートしています。そのため、播種された細胞はウェル内で均一なスフェロイドを形成します。ウェルの穴の径や深さが異なる6種類(4000-900,-901,-902,-903,-904,-905)のディッシュを使用してスフェロイドを作成し、CV7000での撮影・解析を試みました。その結果、スフェロイドの最大直径と含まれる細胞数について、穴の径や深さから予測されるスフェロイドの大きさに相関したデータが得られました。このように、スフェロイドのような3次元のサンプルに対しても、効率よく評価を行うことが可能です。
図4(a) 各ウェルのTile画像 (画像中の数字は使用したディッシュの品番)
900 (直径 : 500µm/深さ : 100µm) , 901 (直径 : 200µm/深さ : 100µm)
902 (直径 : 500µm/深さ : 200µm) , 903 (直径 : 800µm/深さ : 300µm)
904 (直径 : 800µm/深さ : 400µm) , 905 (直径 : 1,400µm/深さ : 600µm
図4(b) スフェロイドの直径
図4(c) スフェロイドに含まれる細胞数
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