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PKC のトランスロケーション解析

はじめに

PKC(protein kinase C)は、受容体型チロシンキナーゼや、Gタンパク連結型受容体の下流に存在するシグナル伝達分子であり、PKCによるリン酸化を受ける基質は数多く知られています。PKCはそれらの基質を介して細胞増殖や遺伝子発現、受容体制御、イオンチャネル・ゲーティング、アポトーシスなど広範な生理機能に関与し、細胞内シグナル伝達において中心的な役割を担っています。PKCはPMA(phorbol 12-myristate 13-acetate)に代表されるホルボールエステルによって活性化され、細胞質から細胞膜へと移動することが知られています。ここでは、PMAを作用させたHeLa細胞を試料とし、CV7000を用いてPKCのトランスロケーションを撮像・解析した結果をご紹介します。

解析結果

CV7000にて画像を取得し、解析支援ソフト「Plasma Membrane Translocation」解析を用いて、PKCの局在変化を解析しました(図1)。その結果、PMAの濃度に依存してPKCの顆粒が細胞膜上に増加する様子が観察され、細胞膜と細胞質におけるPKCの蛍光強度の変化からPMA用量応答曲線を作成することができました(図2a、2b)。また、解析支援ソフトでは顆粒の面積や蛍光強度などについて細胞個々のデータも出力されるため、これらのデータに基づくグラフをSpotfire®を用いて作成しました(図3、図4)。このように、「Plasma Membrane Translocation」解析を用いることで、核や細胞質から細胞膜の間を移行するさまざまなタンパク質の挙動を詳細に解析することができます。

CV7000を用いて取得した画像と認識結果

図1 CV7000を用いて取得した画像と認識結果(青:核 Hoechst33342、 緑:PKC Alexa Fluor488)
   PMA(1000ng/ml)で処理したウェルでは、PKC顆粒が細胞の輪郭を縁取るように細胞膜に局在している様子が確認できます。
   認識画像では、細胞質領域の最も外側を基準とし、そこから内側3μmまで領域を細胞膜としました。

実験内容

実験内容
  1. HeLa細胞を96ウェルプレートに10,000cells/wellで播種して一昼夜培養
  2. PMAを添加( 最終濃度:0~1000ng/ml、反応時間:20分間)
  3. ホルムアルデヒドで固定
  4. 免疫染色法でPKCを、Hoechst33342で核を染色
  5. CV7000にて画像取得
     ・倍率 : 10倍
      ・1wellあたりの取得画像数 : 4枚
    ・露光時間 : Hoechst33342 (405nm) 200 msec Alexa Fluor488 (488nm) 400 msec

解析方法

解析支援ソフトのPlasma Membrane Translocation(Basicモード)を使用して解析を行いました。核をHoechst33342、細胞質とPKC顆粒をAlexa Fluor 488に由来する蛍光でそれぞれ認識し、それぞれについてパラメーターを設定して輝度値と面積が一定の範囲に収まる値のみを抽出しました。細胞膜は細胞質の最も外側を基準とし、そこから内側3μmまでの領域として認識しました。

PMA用量応答曲線

図2 PMA用量応答曲線
 (a) 1細胞あたりの細胞膜に存在する顆粒の合計蛍光強度
(b) 1細胞あたりの細胞膜と細胞質に存在する顆粒の合計蛍光強度比(細胞膜/細胞質)

各PMA濃度における、細胞個々の細胞膜と細胞質に存在する顆粒の合計蛍光強度比のヒストグラム(細胞膜/細胞質)

図3 各PMA濃度における、細胞個々の細胞膜と細胞質に存在する顆粒の合計蛍光強度比のヒストグラム(細胞膜/細胞質)

各PMA濃度における、細胞膜と細胞質に存在する顆粒の合計蛍光強度の比(細胞膜/細胞質)が0.97以上の細胞の割合(青)

図4 各PMA濃度における、細胞膜と細胞質に存在する顆粒の合計蛍光強度の比(細胞膜/細胞質)が0.97以上の細胞の割合(青)

Spotfire®はTIBCO Software Inc. の登録商標です。


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