ESコロニーの分化判定 - 長時間4Dイメージング-

はじめに

ES細胞は、遺伝子工学および再生医療における基礎となる細胞であり、種々の転写因子がES細胞の多能性の調節に重要な役割を果たすことが知られています。従来の単層細胞培養よりも生体内環境に近い三次元(3D)培養系における細胞挙動を分析することは、ES細胞における調節機能を評価するための不可欠です。 ここでは、長時間タイムラプスイメージングが可能な共焦点定量イメージサイトメーターCQ1を用いて、マウスES細胞コロニーにおける多能性調節因子Nanog発現の3Dタイムラプスイメージングを行いました。

実験方法

  • Nanog対立遺伝子が、翻訳開始部位(Nanog-EGFP)およびヒストン2B-mCherry融合タンパク質(H2B-mCherry)で強化緑色蛍光タンパク質(EGFP)で標的化されたノックインES細胞株は、強制発現された作成した。
  • ES細胞を、マイトマイシンC処理マウス胚線維芽細胞フィーダー細胞上の20%ウシ胎仔血清および1,000U / ml LIFを補充したDMEM中で培養 
  • 共焦点定量イメージサイトメーターCQ1で3Dタイムラプスイメージング(48時間、30分間隔、40倍対物レンズ、2フィールド)

結果

1.3Dで増殖するES細胞コロニーにおける細胞個々のNanog-EGFP発現測定

Measurement of Nanog-EGFP expression in individual cells in ES cell colonies growing in 3D
Measurement of Nanog-EGFP expression in individual cells in ES cell colonies growing in 3D
Time lapse movie
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Fig. 1. ES細胞コロニーにおける細胞個々のNanog-EGFP発現測定
(A)ES細胞コロニーのMIP画像、実験の開始時に4つだったコロニー(矢印)が徐々に融合し、大きなコロニーとなった
(B)培養48時間後のES細胞コロニーのZスタック画像
 輪郭はCQ1で認識されるたNanog-EGFP陽性細胞(赤)および陰性細胞(緑)を示す
(C)(A)のコロニー中の個々の細胞のNanog-EGFPおよびH2B-mCherryの蛍光強度の散布図 (D-G)コロニーの体積(D)、コロニー中の細胞数(E)、コロニー中の細胞間のNanog-EGFP発現細胞の割合(F)、およびNanog-EGFPの量Nanog-EGFP発現細胞(G)
 赤いバーは視野内の別のESコロニーのデータ
(H)タイムラプス(抜粋)ムービー
 

2.ES細胞コロニーにおけるNanog-EGFP発現の分布

Measurement of Nanog-EGFP expression in individual cells in ES cell colonies growing in 3D

Fig. 2. ES細胞コロニーにおけるNanog-EGFP発現の分布
(A)コロニーの内側、外側の設定
(B)Nanog-EGFPを発現している細胞数の割合の比較
(C)コロニーの内側、外側におけるNanog-EGFPの発現量の比較

結果と考察

  • ES細胞コロニー中の細胞個々のNanog-EGFPの発現を、3Dタイムラプスイメージングによって定量化した
  • Nanog-EGFP発現細胞は時間の経過と共に増加し、コロニー中の内側と外側では異なるように見えた
  • タイムラプスイメージングに一細胞トラッキングや細胞培養用マイクロ流体デバイスなどを組合せるは​​、ES細胞の3次元環境における多能性の詳細を明らかにするために有用である

データご提供:奈良県立医科大学 生理学第二講座 堀江 恭二 先生


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