OpreX Data Model Brokerは、AIで使用されるオントロジー技術※をデータベースの運用・管理に応用することで、プラント設計と計装システムに散在するデータ間の整合性を自動で検証し、相互利活用を可能とするプラントデータ変換プラットフォームです。
※オントロジーとは、AI 技術で使用される考え方の一つで、「情報の意味を定義するための概念・仕組み」のこと。人が情報の意味を理解するという行動を、コンピュー タ上で実現することを目的とします。
OpreX Data Model Broker 最新R2.03情報(2024年9月)
設計図面コンバータの機能を拡充しました。設計図面コンバータは、2次元のCAD(2D CAD)で描かれたP&ID図(Piping and Instrumentation Diagram: 配管計装図)を読み込み、コンピュータ処理が可能なデータ形式のP&ID図や各種リストを自動生成します。自動生成するリストに、従来からある計器リスト、配管リスト、材料集計表に加えて、配管設計で作成される「ノズルリスト」を追加しました。また、図面の解析結果をPDF形式でファイル出力できるようになり、エビデンスやレポートとして活用できるようになりました。
詳細
設計図面コンバータ
設計図面コンバータは、Oprex Data Model Brokerをプラットフォームとし、既存の設計図面から各種リストや国際標準のフォーマットに準拠したP&ID図データをファイル出力するアプリケーションです。これまで人手によって行っていた図面からの必要なデータの抽出作業や各種リストの作成を効率的に行うことができます。
開発の背景
石油や化学などのプラントにおいて、その設計情報の中心にあるP&ID図は、プラントの設計・建設段階だけでなく、運用や保守・増改造段階においても様々な場面で使用されます。P&ID図はプロセス設計部門によって作成され、計装や配管、機械といった他の部門に提供されて精査・利用されますが、人が見ることを前提に作成された図面として情報交換されることが多く、コンピュータ処理が難しいケースがありました。このような場合、P&ID図からのデータ抽出および加工は専門家が手作業で行う必要があり、作業工数や作業品質の面で課題がありました。 当社はこのような課題の解決を目的としてOpreX Data Model Broker 設計図面コンバータを開発しました。設計図面コンバータは、2D CADで作成されたP&ID図をパターンマッチングにより高い精度で読み取り、国際標準に準拠したXMLデータに変換すると共に、各種リスト(計器リスト・配管リスト・材料集計表、ノズルリスト)の自動生成も可能です。お客様は、これまで手作業で行っていた業務を省力化し、ヒューマンエラーの低減による作業品質の向上・均一化を図ることができ、プラントエンジニアリングにおけるデジタライゼーションを進めることができます。
主な機能
- P&IDの情報を解析して、計器リスト、配管リスト、材料集計表、ノズルリストを自動生成
2D CADで書かれたP&ID図を本システムへ読み込ませることで、計器リスト、配管リスト、材料集計表、ノズルリストの元となるリストを自動生成できます。図面から情報を手作業で抽出してリストを作成する場合と比較し、作業工数を最大で60%削減します。 情報の抽出にはパターンマッチング技術を採用しており、解析対象の図面を使用してパターンの作成と調整を行うことができます。検出精度のチューニングを簡単に行うことができるため、関連作業のスムーズな立ち上げが可能です。 - P&IDの国際標準規格に準拠したXML文書を自動生成
読み取った情報をP&ID図の国際標準規格 ISO15926に準拠したXML文書形式で出力することが可能です。同じフォーマットをサポートしている他システムやアプリケーションにて利用することができますので、プラントの既存資産である設計情報の有効活用が容易になります。 設計図面コンバータは、プラントの設計図面に関する作業を効率化すると共に、デジタライゼーションにより業務プロセスの改善を図ることができます。
画面構成
- メインビュー(画面中央)
サムネイルビューで選択中の設計図面を表示します。画面表示オプションを変更することにより、設計図面に解析結果を重ねて表示します。 - パターンビュー(画面左側)
作成したパターンをツリー形式で一覧表示します。フォルダを作成することにより、パターンをグルーピングすることができます。 - プリミティブビュー(画面右側)
メインビュー上に表示中の設計図面上で選択中の図形を構成する線や円、テキスト等のパーツ(プリミティブ)を表示します。 - サムネイルビュー(画面下側)
本アプリケーションへインポート済みの設計図面を一覧表示します。
パターン作成機能
メインビューに表示中の図形を利用して、パターンを作成します。検出したい図形やその図形を構成するパーツの条件、検出した他図形との接続関係の設定等を作成されたパターンへ定義します。検出した図形に含まれるテキストに対応した属性名を設定することで、検出したテキストを属性値として出力することができます。
解析結果表示機能
設計図面をパターンにて解析した結果をメインビューに表示できます。
- 図形検出結果表示
検出した図形をパターンで設定した色に従いハイライト表示します。 - 接続関係表示
検出した図形の接続関係を表示します。
画面例
ファイル出力機能
- パターンマッチングリスト
作成したパターンで検出した図形を一覧表示します。検出した図形に対応するパターン名、図形の位置、検出したテキスト(属性)をCSVファイルに出力します。 - 計器リスト、配管リスト、材料集計表、ノズルリストなどの各種リスト
設計図面上の図形、付随するテキスト、図形間の接続関係を抽出し、各種リストの原案をCSV形式でファイルへ出力します。CSVファイルに出力する項目等はカスタマイズすることもできます
計器リストの例
項目 | 説明 |
---|---|
タグ名 | 計装記号内にあるテキストを元にタグ名を出力します。 |
図面番号 | 設計図面に記載された図面番号を出力します。 |
位置情報 | 検出した計装記号の設計図面上の位置情報を出力します。 |
計装記号 | 計装記号の形状から判別できる情報を出力します。 |
計器種別 | 計器の形状からその種別を出力します。 |
配管番号 | 計器に対応する配管番号を出力します。 |
付属情報 | 図形の形状や図形付近にあるテキスト情報から判別/ 抽出できる情報を付属情報として出力します。 |
- ISO15926 準拠
設計図面を検出した図形をパターンの内容に応じて変換し、ISO15926に準拠したXML形式でファイルへ出力します。出力したXMLファイルは、ISO15926をサポートする他システムに取り込むことができます。
レポート機能
- 図面の解析結果表示をPDF形式で出力します。
- 各パターンの内容をExcel形式でファイル出力します。
- ISO15926 準拠 Proteus Shema 4.1の視点で解析結果に問題のある個所をWord形式でファイル出力します。
提供方法
デスクトップアプリケーションとして提供します。
ドキュメント&ダウンロード
カタログ
動画
設計図面コンバータは、2次元CADのP&IDを読み込み、コンピュータで処理可能なデータ形式に変換するアプリケーションです。読み込んだP&IDを解析し、計器リスト・ラインリスト・材料集計表を自動生成できます。また、P&IDを国際標準規格に準拠したXML形式でファイル出力することもできます。
ニュース
-
プレスリリース | ソリューション&製品 2023年9月22日 プラントデータ変換プラットフォームOpreX Data Model Brokerを機能強化
~設計図面から情報を自動抽出、計器リストを自動作成~
-
プレスリリース | ソリューション&製品 2021年7月7日 プラントデータ変換プラットフォーム「OpreX Data Model Broker」を開発・発売
~データ間の乖離や不整合を自動で検証、プラントの建設・運転効率を画期的に改善~
本件に関する詳細などは下記よりお問い合わせください
お問い合わせ