振動ピックアップで監視対象拡大
設備監視から設備診断支援まで
4ch無線振動センサは、無線通信モジュールXS110Aと振動測定モジュールXS540を組み合わせ、振動ピックアップXS01VTを接続することで、最大4チャネル対応の無線振動センサとして動作します。
本製品は、設備の簡易診断および精密診断に必要な振動データを取得し、LoRaWAN®無線通信により上位システムへ送信します。振動ピックアップの導入により、従来対象外であった設備の監視が可能になりました。
振動ピックアップで広がる監視可能な設備のバリエーション
4ch無線振動センサは、無線通信・振動測定部と振動ピックアップ部に分離された構造となっており、設備に応じてそれぞれを最適な箇所に設置することができます*1。これにより、無線通信環境が困難な金属に囲まれた設備や、高温になりやすい設備などの監視が可能になります。
※1 振動ピックアップXS01VTのケーブルは5m(オプションで10mまで延長可)です。
狭いスペースの監視
小型の振動ピックアップは、従来のセンサの設置が困難であった狭いスペースにも設置することができます。
幅広い温度環境
振動ピックアップは、幅広い温度環境に対応し、熱処理炉などの高温設備においても安定したデータ収集が可能です。
低周波から高周波まで広帯域振動測定
4ch無線振動センサは、5Hz~10kHzの周波数帯域を測定可能です。設備全体の低周波振動から、ベアリングやギアなどの高周波振動の設備まで監視することができます。


クレストファクタ(CF)によるベアリング監視
4ch無線振動センサは、ベアリングの状態監視に有効なCFを測定します。CFは初期傷などの衝撃的な異常を早期に捉える指標として活用することができます。
危険場所に対応
石油化学プラントや塗装工場、薬品工場などの可燃性ガスを取り扱う第一類危険箇所にある設備に設置することができます。
高度センシングで設備保全における監視診断を支援
多チャネル測定
最大4チャネルの振動データを取得可能です。設備の複数箇所から取得した振動データを比較・分析することで、設備の故障箇所の特定が容易になります。
診断に必要な時間波形データの転送機能
一般的に、時間波形データはFFT解析などの故障原因を特定するための精密診断に必要とされます。4ch無線振動センサでは、振動データに含まれる時間波形データも、LoRaWAN®通信を通じて上位システムへ自動で送信され、記録・蓄積が可能です。

監視・診断業務を効率化するリモート機能
波形分析機能
4ch無線振動センサが取得した時間波形データは、クラウド型の上位システムである広域モニタリングシステムによりFFT※2解析することで周波数成分に分解されます。分析結果は広域モニタリングシステムのダッシュボードに表示され、設備の状態を多角的に分析・評価するための情報として活用できます。
※2 オンプレミス型の上位システム「データロギングソフトウェアGA10」は傾向監視データのみ表示可能です。
遠隔設定が可能なLoRaWAN®ダウンリンク機能
広域モニタリングシステムは、LoRaWAN®のダウンリンク機能に対応しており、遠隔から4ch無線振動センサの設定を行うことができます。
About OpreX
OpreXは、YOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を集約した、制御事業の包括ブランドで、カテゴリーとその配下のファミリーから構成されています。本製品はOpreX Transformation配下のOpreX Asset Management and Integrityに属します。
詳細
一体形無線振動センサXS770Aとの違い
「いつもと違う」から「いつもと“何が違う”」へ
一体形無線振動センサは、多数の設備に設置して設備状態の傾向を監視し、「いつもと違う」状態の設備をスクリーニングする簡易診断に特化しています。
4ch無線振動センサは、精密診断に必要なデータも収集し、「いつもと“何が違う”」を遠隔で解析することが可能です。“何が違う”が分かることにより、設備の故障箇所や故障原因の特定が可能になります。

4ch無線振動センサの導入効果
【導入効果 1】
さまざまな設備の異常兆候の検知による生産ロス削減
お客様の困りごと:
監視が困難な設備の突発故障
現場課題:
狭いスペース・高温場所の設備監視
ソリューション:
分離型の振動ピックアップ採用により、狭いスペースや高温設備にも設置可能

【導入効果 2】
故障箇所および故障原因特定によるメンテナンス対応の迅速化で稼働停止時間の短縮
お客様の困りごと:
保守作業時の設備停止による生産損失
現場課題:
異常箇所の早期特定によるダウンタイムの短縮
ソリューション:
時間波形データを可視化し、故障箇所および故障原因特定の支援が可能

ソリューション構成

仕様
4ch無線振動センサ
| 測定範囲 | 入力周波数 | 5Hz~10kHz(±3dB) | ||
|---|---|---|---|---|
| 使用加速度範囲 | ±50G(Linearity:±0.5%F.S) | |||
| 性能仕様 | 測定軸 | Z軸(1軸) | ||
| 測定項目 | 振動 | 加速度 | Peak, RMS,クレストファクタ | |
| 速度 | Peak, RMS | |||
| 時間波形 | 加速度の時間波形データ | |||
| 温度 | -40~125℃ | |||
| チャネル数 | 1ch~4ch | |||
| 更新周期*1 | 傾向監視 | 2分~3日 | ||
| 波形転送 | 1週間~1か月 | |||
| 適合規格 | 防爆構造 | 本質安全防爆を取得予定 | ||
| 保護等級 | IP66/67 | |||
| 振動ピックアップ形状 ・材質・取付方法 |
サイズ | Φ24mm×42.5mm | ||
| 周囲温度範囲 | -40~125℃*2 | |||
| ケーブル | 5m(延長オプション10m) | |||
| 取付方法 | M6めねじ、マグネット | |||
*1 傾向監視データと波形転送データはそれぞれ異なる周期で送信
*2 振動測定モジュールへの接続コネクタ部分は-40℃~85℃
※製品仕様は予告なく変更する場合があります
Sushi Sensor App
本製品の設定や状態確認等を NFC インタフェース経由で行うためのソフトウェアです。
よくある質問
Q. 4チャネルの理由は?
A. 回転機監視の定石である回転機の負荷側と反負荷側に4か所取り付けることを想定し4チャネルが測定可能となっています。また、設備の負荷状況の違いの影響を少なくすることを目的としています。もしくは3方向(水平、垂直、軸)の振動をより厳密な位置で測りたい場合の用途を想定しています。
Q. 振動ピックアップは設備の温度も測定できますか?
A. -40℃から125℃の範囲で測定できます。
Q. 上位システムは広域モニタリングシステムのみですか?
A. オンプレミス環境ではデータロギングソフトウェアGA10、クラウド環境では広域モニタリングシステムに対応しています。
Q. FFTとは何ですか?
A. Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換)とよばれる振動データ(時間波形データ)を周波数成分に分解するための解析手法です。設備の振動から故障箇所と原因を捉えるために使われます。
Q. 波形転送機能とは?
A. 4ch無線振動センサが取得した振動波形データを広域モニタリングシステムへ送信する機能です。
Q. 4ch無線振動センサにより取得した時間波形データは、データロギングソフトウェアGA10でも広域モニタリングシステム同様にFFT解析できますか?
A. データロギングソフトウェアGA10は、FFT解析に対応しておりません。データロギングソフトウェアGA10では傾向監視データのみ表示が可能です。
Q. データロギングソフトウェアGA10は、LoRaWAN🄬のダウンリンク機能に対応していますか?
A. データロギングソフトウェアGA10は、ダウンリンク機能に対応しておりません。
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カタログ
ニュース
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プレスリリース | ソリューション&製品 2025年10月30日 産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」の新製品 4ch無線振動センサを開発・発売
~設備監視の対象拡大と設備診断の支援で、保全業務のDXに貢献~
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