Enerize E3 (エネライズ イースリー:Energy Realtime Optimize System Elucidate3) エネルギー情報と生産情報を統合して、生産工程上での省エネを支援します。
・製品別、ロット別エネルギー原単位がわかります
・ムダの発見と最適指標の設定ができます
・設備変更などの変化へ容易に対応ができます
主要設備を中心とした効率改善に続き、これからは設備間連携や生産工程上の無駄の見える化が急務です。
製造業では徹底した生産効率改善によって省エネによる CO2削減も実現しており、その対策はほぼ一巡した状況です。しかし、改正省エネ法等、様々な経営環境の変化に伴って更なる対策が求められる現在では、設備間連携や生産工程上の無駄に対しての推進が必要です。そのため、生産現場では、生産に関連したエネルギーの流れを把握することで、何処に無駄があるのかを明らかにして省エネ対策を継続推進する事が急務です。
一方、対応状況としては、めまぐるしく変化する市場へ向けた多品種少量生産に対応する為に、生産設備や工程が頻繁に変更され、それに合わせたエネルギー管理システムの対応が困難な状況となっています。更に、エネルギー管理システムの国際規格「ISO50001」の制定化を見据え、省エネに加えて、エネルギーコストやエミッションの低減をマネジメントする仕組みが求められています。
生産情報とエネルギー情報を工程上のエネルギーの流れが把握できるように統合し、省エネに関する指標設定を簡単な GUI 操作で実現します。担当者から経営者まで、様々な観点でエネルギー KPI を利用することで、エネルギー効率の最適操業を支援します。
「Enerize E3」は、ビジュアルビルダ (*1)でエネルギー情報と生産情報を見える化し、操業の指標となるエネルギー KPI (*2)を解明して、それを基にエネルギー操業の最適化を支援する FEMS (*3)です。 工場エネルギーの見える化から、データーに基づく改善活動を PDCA サイクルで継続的に推進し、個々の装置の効率化やその工程の無駄を削減して工場全体の生産性効率改善を実現します。
工場エネルギーの見える化から、エネルギー最適操業への手順
計測・制御・情報の分野における YOKOGAWA の長年の経験とノウハウをベースに、お客様工場のエネルギー効率最適操業を支援します。
GUI による簡単操作で、複雑だった工場エネルギーを生産情報とエネルギー情報のマッチングで見える化を実現します。
省エネ観点での改善ポイントを探し出すために、解析によってデータから情報へ変換してエネルギー KPI を設定します。
経営者/管理部門/エネルギー管理者/工場長/生産管理・生産技術者/設備担当・・・ 様々な視点に対応したエネルギー最適化業務を支援します。
※ Visio は、マイクロソフト株式会社の登録商標です。
“複雑でわからなかった物事を明らかにする” という意味の‘Elucidate’ を製品名称に加えた「Enerize E3」には、単なる見える化だけではなく、データから情報へ変換する事でエネルギー最適操業を実現していきたいという思いが込められています
工場におけるエネルギーデータの流れや演算定義を設定する 【ビジュアルビルダ】
データの傾向や省エネルギー対策をすべき改善点を発見する 【ドリルダウン】
エネルギーデータを収集して解析用に長期間に亘って蓄積する 【ヒストリアン】
エネルギーフローに則った演算からエネルギー値に換算する 【エネルギー演算】
生産情報を取込み、品種・工程毎のエネルギーデータを算出 【生産エネルギー管理】
GUI 操作による下記3つのモデル化によって演算ロジックが自動生成されます。運用後はそのモデルを描き変えるだけで、ラインや設備、また組織等の変更に対しても柔軟に対応することが可能となります。
集計項目のデータ集計レベルを変更して、異なる階層でデータを集計させることができます。例えば、月単位で時系列データが集計されているデータを「日」、または「時」のレベルへドリルダウンすることで、『曜日毎での変化特性』があることや、『アイドルタイム時での無駄』が発見できたりと、データの分析を行うことができます。この操作は時系列だけでなく、「製品」や「工程」、「組織」など様々な視点で省エネ改善点を発見することにつながります
プロセスデータ (入力点数データ:OPC データ、CSV ファイルデータ) を定周期で収集し、時系列データーベースに格納する 『定周期収集機能』 と 『締め切り演算機能』 から構成されます。
電力使用量やガス使用量等のエネルギーデータをエネルギーフロー図に定義された内容に則って演算を行い、需要者のエネルギーコストや CO2排出量を自動算出します。
前処理演算、変動係数ポイント演算、エネルギーフロー演算、案分演算、構造集計演算の5つの演算処理を行います。
エネルギー情報と生産情報を関連づけ、品種単位、ロット単位、工程単位、設備単位で、エネルギーコスト、CO2排出量等のエネルギーデータを集計することができます。
その他の機能として、システム監視サービスがあります。
データアクセスサーバー (システム構成ページ参照) 内で動作する各機能の動作状態を監視し、異常時警報を通知します。
通知はメール送信、OPC データ出力の2種類です。
工場における様々なエネルギーデータは、見る立場や視点及び業務により異なります。 生産現場担当者から経営者まで、様々な観点での業務目的別画面を構築し、エネルギー KPI に基づいて解析・判断することで、エネルギー効率の最適操業を支援します。
(注) 業務目的別画面は、イメージです
部門別のエネルギー使用量の把握、品質、原単位、エネルギー効率等、判断指標となる KPI を6画面表示で確認できます。代表的な KPI で最適な操業改善の意思決定を行うことにより、迅速な経営判断が可能となります。
部署毎のエネルギー予算管理画面です。予算の目標値に対する実績を部署毎集計をし、6画面表示します。これにより、どの部署が予算を達成できているか、一目で判断でき、部署間での省エネ意識の向上につながります。
品質重視の生産ラインでは過度なエネルギー供給により使用量の増加を引き起こします。必要な品質を守りながら、エネルギー原単位を下げていく、品質・エネルギー原単位管理のグラフです。品質を確保したうえで生産エネルギーを最適化します。
生産効率を製品毎、工程毎、時間毎という様々な切り口から確認し、かつ KPI 管理とドリルダウンによる目標管理で生産効率の悪化を迅速に発見し、改善につなげることが可能となります。
基準値との比較により原動力の効率悪化ポイントを発見することができます。また、フィルタリング機能により冷却水温度毎に確認することで、効率悪化の原因を特定し、原動力の最適管理を行います。
「Enerize E3」は、DCS/PLC などの制御システムや MES (製造実行システム) とデータインターフェースをして、工場全体のエネルギー管理を実現するシステムです。
構成図
動作環境
項目 | 仕様 | ||
サーバ | クライアント (ビルダ) | クライアント(ビューワ) | |
CPU | クアッドコア Xeon | Core 2 Duo | Core 2 Duo |
メモリ | 4GB 以上 | 2GB 以上 (推奨:4GB 以上) | 2GB 以上 (推奨:4GB 以上) |
ハードディスク | 1TB 以上 (推奨) | 250GB 以上 | 80GB 以上 |
OS | Windows Server 2016 Standard (64bit) | Windows 10 Enterprise 2016 LTSB(64bit) | Windows 10 Pro SAC (64bit)、またはWindows 10 Enterprise 2016 LTSB(64bit) |
※Microsoft、Windows Server、Vista Business は、マイクロソフト社の登録商標または商標です。
お客様の視点に立った付加価値の高い提案と、そのライフサイクル全般にわたって、最良のパートナーとなることを目指しています。
省エネの推進には継続的な活動が必要です。お客様工場のエネルギー効率最適操業をその継続的な活動で実現していくために、YOKOGAWA は事前ヒアリングからアフターコンサルまで、トータルにサポートいたしますので、ご安心してご導入いただけます。
YOKOGAWA ならではの万全なサービス&サポート。
その核となるのが24時間365日体制でお客様をサポートするグローバルレスポンスセンターです。現場で発生する様々な問題やトラブルに専門スタッフが国内各地のサービス拠点と連携して、迅速に対応します。
エネルギー効率最適操業を推進するための関連製品情報を紹介します。
各種センサーや汎用コントローラなど、お客様工場における省エネ活動に合わせて、段階的に導入をする事が可能です。
関連製品一覧はこちらから
製造業務を標準化するMES (製造実行システム) からデータをインターフェースすることで、工程毎の詳細な製造実績情報との統合が自動で可能になります。
MES (製造実行システム) はこちらから
需要予測に基づいた、最適で高効率な自動操業に加え、おいしさも含めた品質の追求をお手伝いし、人手を介さずに成長していく自律した操業を実現します。
全ての生産活動から得られる情報を解析・コントロールするとともに作業者の安全に配慮し原料品質、設備劣化、技術伝承、製造環境整備の課題解決を実現します。